時系列SWOTで骨子づくりbyマーティー

読者の皆さん、こんにちは。マーティーです。今回で4度目の登場です。(前回のブログはこちらから、前前回はこちらから。)

 事例Ⅰ〜Ⅲでは、「与件文」を読む前に、「時系列SWOT」というフレームを創って、「設問文」からこのフレームに設問を対応させ、更に、「解答骨子」を作っていました。

 事例演習するときは、この「時系列SWOT」に与件文を対応させてゆきます。すると、与件文を読む前にある程度、どんな内容か、また、どんなことが題意になっているか、想定できるようになっていきます。今日は、事例Ⅲで、実際に「時系列SWOT」フレームを使って、与件文を読む前に、解答骨子を作って見ましょう。

時系列SWOT(R2事例Ⅲを表現しました)

 事例Ⅲは、時系列SWOTが最もしっくり来きます。設問を読んだ段階で、おおよその解答骨子が作れてしまいます。解答骨子を作ってから与件文を探しに行けるので、私は精神的に楽でした。
(下図の赤字は与件分を読んで後から記入しておりますが、与件文を読む前にある程度1次試験の知識で推理できます)

与件文と時系列SWOTの対応

 事例Ⅲの与件文は、①企業概要部と、②業務プロセス部に分かれていますね。

  • ①企業概要部は、上図の時系列SWOTにおいて、図の左側の「創業から現在」までの時系列の範囲に該当します。強み(やコアコンピタンス)がここで語られます。
  • ②業務プロセス部は、時系列的には「変化や現在」近辺にあたり、変化への未対応や脅威から弱みが浮かび上がって来ます。

 そして、「機会からあるべき姿」の時系列では、機会に乗じて強み活かし、個別戦略や成長戦略の展開が語られます。このように、事例Ⅲの与件文はお決まりのスタイルになっています。とりわけ、この鉄板の型を体に馴染ませたいところです。

設問と時系列SWOTの対応

令和2年の事例Ⅲで対応させてみましょう。(与件文を読む前での対応です)

  • 第一問の設問は、強みと弱みです。強みは、コアコンピタンス。弱みは、変化に未対応なこと(受注生産上の生産計画と統制)です。

  時系列では、創業から成長までが語られ、変化に移ると弱みが浮き彫りになってきます。
  戦略策定プロセスでは、内部と外部環境が関係してきます。

  与件文を読んでいない段階の解答骨子は、以下の通り。

  強みは、(創業から)○○な成長戦略の中で培われた(内部環境による)○○力をコアコンピタンスとしていること。
  弱みは、(外部環境の変化に未対応な)○○の問題点に原因する○○である。

  • 第二問の設問は、1)営業面の問題点と対応策。2)製造面の問題点と対応策です。 

  問題点は、時系列では成長からの変化に着目。
未対応や問題が生じていること、即ち、ボトルネック(弱み)を提示して、対応策を書き出すことになります。
ここで注意が必要です。第二問と第三問は、個別戦略の世界であることです。
具体的な営業面・生産面でのプロセスや工程上のボトルネックを探します。成長戦略には触れない決心も必要です。

  与件文を読まない段階の解答骨子は、以下の通り。

  問題点は、○○(というボトルネック)である。
  具体的には、○○○○○対応策は、(ボトルネックを排除する)○○の導入・作成・改善である。

  • 第三問の設問は、納期遅延対策として社内IT化に向けたIT活用の助言です。 

ここで、第3問であること、納期遅延対策であることからして、個別戦略と捉え、成長戦略に触れない決心、切り分けをしました。 
時系列SWOTを御覧ください。成長・変化からの弱み(納期遅延)からのIT化(個別戦略)まで一直線に結びます。
(時系列SWOTを信じて割り切る)
また、納期遅延×ITですので、コンカレント・エンジニアリングでリードタイムの短縮などの1次試験の知識をここで書き出すことが重要です。

  与件文を読まない段階の解答骨子は、以下の通り。

  WHO(誰に)、WHAT(何を)、HOW(どのように)な○○○IT活用によるコンカレントエンジニアリング体制の構築。
  効果は、リードタイムの短縮。

  • 第四問の設問は、モニュメント製品事業の拡大戦略についての助言です。

設問の文字通り、拡大戦略と書かれていますので、ここは第4問の鉄則通り全社的な成長戦略を記述することにします。
時系列SWOTでは、現在・機会・理想からの、機会×強みからの成長戦略となります。

  与件文を読まない段階の解答骨子は、以下の通り。

  (モニュメント事業の)「○○な現状」に対し「○○の成長への機会」に乗じ「これまでの〇〇な強み」を活かせる○○な戦略。
  効果は、付加価値拡大+α。

まとめ 

今日は、先般ご紹介しました時系列SWOTの使い方をお話しました。TACやクレアールやネトタスのノウハウを組み合わせて、オリジナル化した解き方です。みなさんも様々な先人の解き方を自分に合うように解答プロセスを編み出して見てください。

次回ははまんさんの登場です。
お楽しみに!

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