事例Ⅲを解くとき、問題解決プロセスが頭に浮かんでいました。 by 一陽人

事例Ⅲ

読者のみなさん、こんにちは。

「あの商談のときのアドバイス、めっちゃ響いたっす! ありがとうございました!」

と言われても、どう響いたのか心当たりが無く、とりあえず笑顔でごまかしたことがある、タキプロ13期の一陽人(はじめはると)と申します。

実は、私にとって事例Ⅲはまさにこの状態。模擬試験も含めて、いつも手応えがないのに、むしろ得点源になっていたという科目なのです。

そんな私が事例Ⅲを解く際、いつも頭に浮かんでいたことをご紹介します。それがどなたかのお役に立てるならうれしいです。

ちなみに、本記事と関連することを以前「一次試験といえども、企業を診断するつもりで学習しよう!」というテーマで書かせていただきましたので、よろしければ併せて読んでくださいね。



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■はじめに ~多くの人が、”事例Ⅲは安定的な得点源となる” って言う理由~

「事例Ⅰは何を書いても点数が伸びない」
「事例Ⅱは当たり外れが大きい」
「事例Ⅲは安定的な得点源となる」
「事例Ⅳは勉強しただけ点数が伸びる」

これは、私が通っていた予備校の、ある有名講師の言葉ですが、私の周りの方々からも大体同じような声が聞こえてきます。(余談ですが、私は「事例Ⅳは勉強したら点数は伸びるが、しただけ伸びるとは限らない」と思っています。)

ではなぜ、事例Ⅲは安定的な得点源となるのでしょうか?
恐らく、事例ⅠやⅡと比べて、事例Ⅲは

“C社がやりたいこと・困っていること” と、与件文にある ”現状起こっていること” とを、”1次知識で勉強したフレームワーク” を使ってロジカルに結びつけやすい(因果関係を明確にさせやすい)から

ではないかと思っています。
そして私は、このロジカルに結びつける思考法として “問題解決プロセス” を頭に思い浮かべながら解答を作成していました。

■私の頭の中にある問題解決プロセス

私は一時期、ITシステム開発のデスマーチ化したプロジェクトからお声がかかると、そのメンバーと一緒に原因分析と解決策立案を行うという、 “問題解決” の実務を担当しておりました。このとき、ベースとなる考え方が、世にいう ”問題解決プロセス” です。ググってみると色々出てきますが、一般的にはこんな流れ。

問題発見
 ↓
原因分析
 ↓
解決策立案
 ↓
実 行

この基本形の流れに対して、コンサルタントの方々が独自の経験やノウハウを加え、変形させて使っているようであり、Web上でもいろんな問題解決プロセスが紹介されています。みなさんにとって納得感のあるやつを見つけていただければいいのですが、私の実務上の意訳を加味した “問題解決プロセス” は以下の通りです。

これに事例Ⅲを当てはめてみます。

例えば、設問で「問題は」と問われたら、図の ① に関係しそうな与件を探しました。

「対策は」と問われたら、図の ①-1 と ④ をイメージしながら図の ③ を考えていました。

「課題は」と問われたら…
これがまあ、実務者の間でも微妙に捉え方が違ったりするので、お悩みの受験生もいらっしゃるのではないかと思いますが、私は図の ② を思い浮かべながら(たとえ設問で「原因」を問われていなくても)、図の ②→③ を行い、図の ③-1 を ”課題” として明文化していました。

■事例Ⅲの過去問の論点を当てはめてみた

で、私が受験生時代に、事例Ⅲの数年分の過去問を題材にしてこの問題解決プロセスに当てはめた絵がこれです。私にとって、事例Ⅲのファイナルペーパーみたいなもんです。

私の場合は、これによって事例Ⅲの各設問で問われているレイヤーがどこかを定めやすくなりました。
とは言っても、やはりいつも「この与件文はどの設問で使うんだろう?」という悩みとの戦いであることには変わりありませんでしたが…。

■おわりに

「2次試験というのは、なまじ実務経験がある分野は得点が伸びないものだ。」

というのをよく聞きますね。
一応、デスマーチ化したプロジェクトの問題解決実務をやってきた私にとって、事例Ⅲにはそれが当てはまらなかったのかというと…

2次試験受験の初年度は、めっちゃ当てはまって、まったく点数が取れませんでした。(泣)

某予備校の模擬試験では、屈辱の20点台を取ったこともありますし、1回目の2次試験では53点でした。

しかし、自分の実務経験を棚卸し、“問題解決プロセス” のようなベースとなる考え方に立ち返ったら、得点がどんどん安定していき、コンスタントに70点台をとれるようになっていました。

じゃあ、なんで私はいつも事例Ⅲに手ごたえを感じられなかったのか、というと…

「マニュアル化したらホントに現場が動くと思ってんのか!?」
「“生産計画を各部門で連携して作成する” って、それができねーから問題が起きてんだろ!」

と、自分の答案に悪態をつきながら解いていたからです。

「いやいや、試験問題という限られた与件情報からの解答なんだから。」と、自分自身をなだめながら。

私に足りなかったのは、試験問題を “肯定的” に、“素直” に捉える心の器だったのかもしれません。

おしまい。


次回はににさんの登場です。
お楽しみに!

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