連想ゲームで事例Ⅲの解答構成づくり byなっく
読者のみなさん、こんにちは。
タキプロ13期のなっくと申します。
1次試験を受験された皆さま、大変お疲れ様でした!いよいよ、2次試験に向けてエンジンかけ始められたころですね。2次試験も頑張ってください!
今回は、事例Ⅲのノウハウです。学習方法・試験当日の戦術について、なっく流の手法をお伝え致します。多年度受験生なのであくまでもご参考程度に。
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■はじめに
事例Ⅲは製造業の事例ですが、製造のお仕事とあまり関わりの無い受験生にはなかなかその現場をイメージしにくいと思います。そこでまず最初に1冊の書籍をご紹介します。
『文系出身者が2時間で製造業がわかる本』
中小企業診断士の方が執筆された書籍です。第1章で代表的な製造業の業務、第4章で高度な加工技術の知識が得られます。そして第3章の事業計画の作成を読むと『これって、事例Ⅲそのものじゃん!』みたいな。最後に、第2章は中小企業診断士合格後に役立つ補助金支援内容と、大変盛りだくさんな内容となっております。製造業のイメージ作りと合格後の参考書としてオススメします!
さて、本題に。
直近2年間のの事例Ⅲのなっくの得点開示点数は以下の通りでした。
令和2年度 64
令和3年度 62
んー。60点以上とはいえ、微妙なラインですね。
さて、気を取り直して・・
事例Ⅲを80分の時間内に解答するためのノウハウ、それは・・・
【設問文から連想できる、キーワードをできるだけ多く準備する】
これに尽きます。なっくは合格できた今年、与件文をほぼ読んでいません。(62点ですが・・)
えー!ほんまかいな?
まったく読んでいない訳ではありませんのでご安心を。設問文から連想したキーワードで解答構成メモに書き起こし(シナリオ作り)、そのメモに従って与件文からキーワードを拾い上げて解答文にする。以上です。
■事例Ⅲのキーワードを集めよう!
過去問を遡ってみると、C社の特徴がある程度想像できますね。生産しているものは色々異なりますが、課題はだいたい同じです。そこでなっくは、2年前からキーワードを集めて絵にして覚えることを始めました。
主なキーワードは、
・短短ロット会議(短納期、短サイクル、小ロットサイズ、生産会議)
・品技外高(加工品質、特殊技術、外部活用、高品質)
・需見在管理(需要変動、見込生産、在庫管理)
・コリ平(コスト見積精度向上、リードタイム短縮、平準化生産・受注)
などなど・・・
なっくは、このキーワードからブレないために敢えて与件文を読まずに、設問文だけから解答構成を下書きする、という学習方法を実施しました。過去問分析から事例企業の課題や問題点は、表向きは違っても中身は同じと気づいたためです。
ただし、具体的なSWOTについては、与件文から拾わないといけないですね。そりゃそうだ!
■学習内容
他の事例と同じく、過去問を中心に学習しました。キーワードを設定するためには、1次試験の運営管理のテキストを参考にして作りました。
1.過去問の使い方
設問文のページをコピーして、持ち歩きました。そして、設問文から連想できるキーワードをメモする練習をしました。
いわゆる『連想ゲーム』です。
例えば・・
令和3年度事例Ⅲ第1問では、
【革製バッグ業界におけるC社の強みと弱み】はい、連想ゲームスタート!
革製バッグ業界 → 熟練工 → 標準化無し → 若手いない → バラつき発生 → 納期遅延 → 外注高い → でも高付加価値・・・
同じく第3問では・・
【自社ブランド製品の開発強化】はい、連想ゲームスタート!
経営資源 → 人材不足 → 若手育成 → 外部連携強化 → 販売チャネル確保 → 需要予測精度アップ・・・
計画 → 統制(進捗・現品・余力)→ 標準化 → 短サイクル → 小ロットサイズ → 段取り替え・・・
こんな感じで、1回20分以内に、各設問文の下に解答構成を書く練習を重ねていきました。時間を決めて実際に書くことが大事です!
*本番試験では余白の紙に横書きで設問毎に書き上げ、解答構成が比較しやすいように工夫しました。
最初のころは、なかなかキーワードが出てこないですが、何回も同じ事例を繰り返してやっていくとスラスラと出てくるようになります。そして、徐々に書くスピードを上げていきました。この方法の場合、毎日過去問2年分くらいできてしまいますので効率もいいです。
2:生産工程のイメージ化?
毎年の事例でC社の生産工程については、けっこうコンガラガッてしまう事が多いです。
なんのこっちゃ?
グルグル、グルグル。
受注生産と見込み生産がごっちゃになっていたり、生産工程が複雑になっていたり。毎年出題される業種も異なりますので実際の生産工程も異なります。これらを正確に短時間でイメージ化するのは大変です。なので、なっくは生産工程のイメージ化はおおざっぱに行い、試験の際には細かい工程にはこだわらず解答しました。こだわったポイントは、ネック工程になっているところ。ここだけにフォーカスしました。学習ポイントは、『受注生産』・『見込生産』の大きな柱を、そのメリット・デメリットと共に一般化して覚える。これに集約しました。これなら運営管理のテキストに記載されていますよね。
■試験当日の戦術
1:SWOTの解答順番
SWOTについては第1問で問われる場合が多いですよね。また配点もそこそこ高く、書ける要素も豊富にあるし。なので、まず第1問からSWOTを慎重に・・
ちょっと待った!
これは、まんまと敵の罠にはまってしまいます!気をつけましょう!SWOTについては後回し。最後でOKです。
なぜなら・・・
第2問以降の解答との整合性をとるためです。最初にSWOTを書いてしまうと後から消しゴムの嵐が吹き荒れる事になりかねません。第2問以降の強みを活かした対応、弱みを克服する課題等、解答構成ができてから着手する方が安全です。
2:書き上げた解答構成から、与件文の拾い上げ
連想ゲームで書き上げた解答構成から、与件文のキーワードを拾い上げていきます。たとえば、
連想ゲームで出てきたキーワード:ばらつき
令和3年事例Ⅲ与件文から引用:製品の出来栄えの ばらつき が発生した場合、手直し作業も担当する
など、など、拾い上げた与件文を使って解答文を作り下書きしていきます。こうする事で与件文にふりまわされず、自身の知識による解答構成に沿った解答文ができてきます。あとは文字数を考慮して、優先順位の高いキーワードを漏らさず、解答用紙を埋めていきます。
■事例Ⅲ試験とは
中小企業の診断及び助言に関する実務の事例なので、診断のためには比較するスタンダードが必要ですね。
例えば、健康診断では血圧、心拍、画像などから、一般的な正常値と比較して診断を行います。そして、『おなか引っ込めロー! 』 みたいな。
じっとして・・・
事例Ⅲでも、受注生産、見込生産、発注方式などいわゆる正常なやり方は確立されています。そして、これらのスタンダードなやり方を知っている、中小企業診断士が診断し、できていないところを指摘、助言する、のです。そこにC社の強みを活かし機会を捉えて高付加価値化へまっしぐら。これでOKなのです。
6年間に亘る長い期間勉強を重ねてきましたが、長いあいだ与件文に振り回されていた感じがします。でも合格できた昨年は与件文には目もくれず、正しい(と思われる)生産管理をもとに解答構成を作り上げ、それから与件文の該当箇所を拾い上げる、という手順に落ち着きました。確かに与件文には解答構成に必要な、社長の思い、コア技術、高付加価値化へのヒントなど重要な要素が記述されています。これらの要素は、
ピカピカ光っていたり、大きく手を振っていたり、
受験生へアピールしているので、意外に早く見つけ出せます。これらの要素を解答文にあてはめていけばOKだと思います。大事なことは、スタンダードな生産オペレーションから、どこが、どのように、どれくらい、乖離しているか?ここを見極める事だと、いつしか気づきました。
さて、皆さまいかがでしょうか?
2次試験の捉え方、学習方法、試験対応は様々です。今回のなっくの学習方法も、ひとつの考え方と捉えて頂けると幸いでございます。
■おわりに
2次試験の勉強を進めていく中、改めて受験支援機関の1次試験テキストは本当によくできているなーと感じました。過去問だけにフォーカスせずに、テキストで今一度正しい生産管理理論とは?を勉強することも、きっと得点に結びつくことだと思います。是非お試しを!
2次試験本番まで、残り74日。頑張ってください!
タキプロは全員で皆さまを応援しています!
次回はおさかなさんの登場です。
お楽しみに!
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