会計的視点から事例Ⅲの全体像を掴む by Qちゃん
読者のみなさん、こんにちは。
タキプロ13期のQちゃんと申します。
1次試験受験された皆様、お疲れ様でした。
2日間、長い戦いだったかと思います。
今頃は気持ちをリフレッシュし、2次試験対策に着手し始めた頃かと思います。
1次試験免除された方も、2次試験に向けて本格的にギアを入れ始めた時期かと思います。
今回は、事例Ⅲについて記載します。
過去のブログは下記を参照ください。
合格体験記 → こちら
事例Ⅱについて → こちら
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■はじめに
2次試験は、訊かれている内容は毎年ほぼ変わらないのですが、
与件文の書き方や設問の問い方を変え、受験者は揺さぶられるような感覚に襲われます。
そんな時でも、多角的に物事を捉えて理解し、自分の引き出しを増やしておくと、本番に臨機応変に対応できる確率は高まると思います。
試験直前なら、切り口・フレーズを覚えるなど、勉強内容は即時的・実践的になると思いますが、
この時期くらいまでは、少し裾野・視野を広げてみてもいいのかな?と考えています。
拙筆がその一助になれば幸いです。
■対象読者の想定
・2次試験これからと言う方で、事例Ⅲを広く理解したい方
・複数年取り組んでいて、わかっているつもりだが、少し頭をほぐしてみてもいいかな、という仏のような方
■事例Ⅲとは、と問われたときのQちゃん回答
一言で表すと、
製造業の利益最大化に向けた具体的(製造に踏み込んだ)戦略・施策の提言事例
と考えています。
利益最大化するといっても、ざっくりしすぎて・・・一体どうするんだよー??
という問いに対し
問題点・課題を的確に捉え、
それらに対して具体的・網羅的に提言・提案し、
経営者に納得していただく
ことが事例Ⅲに求められていると考えます。
■本論①導入
では、本論に入ります。
企業の本業の成績を表すものは営業利益で、次式で求められます。
営業利益 = 売上 – 売上原価 – 販売費及び一般管理費(以降、販管費と略記)
営業利益を高めるためには、
・売上を高める↑
・売上原価・販管費を低減する↓
が必要なのは皆さんお分かりかと思います。
もう少し式を分解してみます。理解を簡単にするため、単一製品の製造業と仮定します。
営業利益 = 単位あたり売価×N – 単位あたり原価×N – 販管費
このように分解してみると、営業利益を高めるための実施内容が具体的に見え始めてきます。
■本論②生産面と営業面で捉える
ここから、営業面と生産面に分けた場合の実施すべき内容の一例を考えます。
事例Ⅲでは、営業面と生産面の2面で捉えるのが過去問実績から帰納的に導出される切り口となります。
生産面の設問比率が高いですが、営業面も毎年問われているので、漏らさずに理解いただきたいと思います。
いくら生産を頑張っても、営業で売っていかないと企業として生存できませんからね。
●実施すべき内容の一例
営業面(売上向上↑)
・製品企画で魅力ある製品とするため、顧客の要望を的確に反映する
・顧客への高付加価値訴求による単位あたり売価向上
・生産状況を把握した上での受注量Nの最大化
営業面(販管費低減↓)
・受注業務の効率化
生産面(売上向上↑)
・競合他社との技術差別化を図り(資格保有、熟練、など)、顧客からの評価を獲得する
生産面(売上原価低減↓)
・C社努力による単位あたり原価の低減
・C社資源の効率活用によるNの最大化
■本論③売上原価を分解し低減内容を具体化する
売上原価の低減、については、具体化のため、さらに分解して考えてみます。
売上原価を形態別分類で表すと、
・労務費
・経費
・材料費
に分類されます。これらに着目します。
●労務費
この費目が一番問題になりやすいです。
実務でも改善効果が大きい費目だと思います。
下記に着目するのですが、わかりやすい記事が過去に沢山ありますので、詳細割愛します。
・生産計画・作業のムリムラムダ
・生産統制ができているか
具体的な一例は以下です。
・一部の誰かが残業している
・工程の作業時間にバラツキがある
・治具を探すのに時間がかかる
・生産目標を達成できない(労務費がかかるのに、Nが少ない)
・ある作業が特定の作業者に依存している(N増に対応できない懸念)
他には、新しい生産方式を採用する際、混乱して費用増加しないか、などもチェックすることになります。
●経費
この費目も問われることがあります。労務費から影響波及する費目になります。
・外注加工費
内製なら労務費ですが、外注すると経費になります。
外注管理が適切でないと費用が増え、問題となる場合が多いです。
・仕損費
不良品が発生すると費用計上され、単位あたりの原価が上がります。
・減価償却費・水道光熱費
設備効率が悪いと、単位あたりの原価が上がります。
・賃借料
製品や治具の置き場など、ムダに生産スペースを使うと、
その分、単位あたりの原価が上がります。
●材料費
直接問われることは少ないですが、材料調達や在庫について、与件文で示されるので、
設問で問われた場合は、対応することになると思います。
以上、事例Ⅲの全体像に迫りました。
■おわりに
いかがでしたでしょうか?
少し変わった視点かもしれません。
こんな面倒臭い見方しないよ、という方もいらっしゃるかもしれませんが、
何らか気づき・知見の積み上げにつながれば幸いです。
次回はmatsuさんの登場です。
お楽しみに!
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