事例Ⅳ・第1問の攻略法 byまさっき

読者のみなさん、こんにちは。
タキプロ13期のまさっきと申します。

お盆ですね。帰省先でこのブログを読んでらっしゃる方も多くいらっしゃると思います。勉強しなければ・・・と気にかけつつとは思いますが、休むときは休んで、メリハリをつけて頑張ってくださいね。

さて、本日のお題は「事例Ⅳ」です。



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■はじめに

事例Ⅳは、得意、不得意がハッキリする科目だと思います。
最近は難化傾向のため、苦手な受験生だと手をつけられるところがほとんどない、といった事態に陥る可能性もあると思います。
ただ、合格者は少なくとも40点は得点しており(昨年は嵩上げがあったかもしれませんが)、苦手だったとしても、全くダメでは合格しない科目ではあります。

■勝負の第1問

とくに事例Ⅳが苦手な受験生は、第1問が勝負となります。
年度にもよりますが、近年、ここ以外で、高得点を取るのはなかなか容易ではありません。

そこで、第1問を攻略するため、一度お試しいただきたいのは、「先に財務指標を計算する」という方法です。

与件文と財務諸表とのどちらを先に読むか、については、多少議論があると思いますが、私は後者派でした。先に財務内容を把握し、それを与件文で確認する方が、効率的と考えたからです(個人的な好みで、数字から実態を想像するのが好きというのもあります)。

■事前準備

第1問を解くため、私は事前準備をしておきました。財務指標は、例年「小数点第3位を四捨五入し」になっていますので、電卓のラウンドセレクターを「5/4(四捨五入)」、小数点セレクターを「2(小数点以下2桁表示)」にセットしておいたのです。

https://web.casio.jp/dentaku/sp/nyumon_guide/detail.html

端数処理しないようにして、転記する段階で四捨五入してもよいのですが、ぴったりの数字を転記した方が、視覚的にも誤りが少ないと思うのです。

もちろん、次の2点は注意しなければなりません。

 ①設問で「小数点第3位を四捨五入し」の文言を、念のため確認すること。
 ②第1問が終わったら、ラウンドセレクターを「F(表示可能桁数まで端数処理しない)」に戻しておくこと。

■まずは収益性の指標を1分で

まず、次の収益性の指標を一気に計算します。ここは、試験問題を横に、電卓をたたきながらお読みいただければとベターです。なお、カシオの電卓の例です。シャープなどでは打ち方が異なりますが、同様の計算はできますので、ご自身で研究してみてください。

 ①売上総利益率
 ②売上高販管費率
 ③営業利益率
 ④経常利益率

→「売上高」「÷」「÷」「売上総利益」「%」(→①)「販売費及び一般管理費」「%」(→②)「営業利益」「%」(→③)「経常利益」「%」(→④)

以上のように「」を電卓で入れていけば、何度も同じ数字を打たないで、①から④まで、一気に計算できてしまいます。そして、自社(もしくは当期)の数字の良し悪しを○×で数値の横にメモします。ここまで、問題用紙にメモする時間を含めても、慣れれば1分くらいでできるようになります。余裕が出てくると、事例企業の状況も見えてくるのですが、機械的に計算するだけでも大丈夫です。

■続いて収益性以外の指標

その後は、好みですが、計算する順番を決めておいた方がよいと思います。

私の場合、B/Sの右側の情報を先に頭に入れた方が企業のイメージがつかみやすいため、純資産が関連する安全性の指標から順番に、反時計回りに数字を拾っていきました。

 ⑤自己資本比率
  →「純資産合計」「÷」「負債・純資産合計」「%」(以下同様)
 ⑥負債比率
 ⑦当座比率
 ⑧棚卸資産回転率
  →回転率は、「%」ではなく、「回」ですので、「%」キーではなく、普通に「=」キーで計算(以下同様)
 ⑨有形固定資産回転率

以上、9つの指標を計算して、おしまいにしていました。もちろん、これ以外の指標も必要な場合も出てくるはずですが、それは必要になった時、適宜やればよいかと割り切っていました。実際、本番前まで必要となることはありませんでした。

■イレギュラー問題対応

さきほど、本番前までは必要なかったと書きながら、令和4年度の本試験

https://www.j-smeca.jp/attach/test/shikenmondai/2ji2022/d2ji2022.pdf

しかし、こういったイレギュラー問題は、ほとんどの人が解けませんし、結果的には計算する必要はなかったと思います。同業他社平均に比べて人員は2倍以上いるのに、売上は少ないし、利益もそれほど高くないな・・・ということで、せいぜい指標として「労働生産性」と書いておけばO.K.で、数値は採点には影響しなかったのではないかと考えます。

というのは、この問題を見たとき、正解の数値はひとつに絞れないであろうと思ったからです。

問題文で『当該指標の計算においては「販売費及び一般管理費」の「その他」は含めない。』とありましたので、分子には付加価値を使うことを意図して出題していることがわかりました。ただ、付加価値に「減価償却費」を含めるか否かが書かれていませんでした。診断士のテキストや模範解答では、概ね含めているようですが、含めないという議論も多いのです。ちなみに、含める場合を「粗付加価値」といい、含めない場合を「純付加価値」といいます。

さらには、「労働生産性の計算に使う付加価値は『営業利益+人件費+減価償却費』に決まっている。診断士なら、経営革新計画等でこの式を使うのは常識」なんて話も聞いたことがあります。

ということで、イレギュラー問題には時間をかけず、無視してO.K.! というのが結論です。

■余談

ついでに少し脱線しますが、令和4年度の第1問設問2は、「同業他社と比べて明らかに劣っている点を指摘し・・・」という設問でした。

複数の予備校の模範解答を確認する限り、「労働生産性」と当たり前のように書いてありました。私見では、設問1の課題を示すと考えられる指標で「労働生産性」を挙げておきながら、設問2で同じことを書く、というには、考えにくいと思っています。設問1で生産性の指標を無理やり入れさせたので、抜け落ちている「有形固定資産回転率」と解答することを作問者は期待していたと推察します(労働生産性でも間違いではないと思いますが)。

■おわりに

これだけ偉そうに書いているので、まさっきは第1問、当然満点だよね、と思われるかもしれません。しかし、第1問は、全問解いた後、ゆっくり確認しながら解答用紙に転記しようと思っていたら、試験終了の合図で転記を失念していたことに気づきました。ほぼ白紙状態で提出という最悪な事態に・・・解答用紙に転記、きちんとやりましょう。

さいごのさいご、一言だけ。第2問以降、複雑で難しいように思ってしまいがちですが、理論的に難しい会計処理が問われているわけではありません。他の事例と同様、きちんと情報(とくに事例Ⅳでは「数値」になります)を拾って、その整理ができれば、それほど怖がる必要はないと思います。ぜひがんばってください。

次回はもつさんの登場です。
お楽しみに!

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