【タキプロたまごの勉強会レポート】事例Ⅳはこれだけ覚えよう!(後編)
たまご@タキプロ5期です。
前編の続きで、事例Ⅳの攻略方法をお伝えします。
【事例Ⅳの傾向(再掲)】
事例Ⅳは財務・会計についての出題で、2次試験が現行の形式となった平成13年までさかのぼってみても、出題は特定の論点に集中しています。
- 経営分析・財務指標
- 損益分岐点(CVP)分析
- 正味キャッシュフロー
- 正味現在価値(NPV)分析
- キャッシュフロー計算書
- ディシジョンツリー
全く傾向が変わってしまった昨年度(H25)の事例Ⅳも、形は変えつつも1と5、そして少し3に関わる論点が出題されています。
この6論点をしっかりと理解し、必ず正解できるようになれば、事例Ⅳで6割以上の得点は間違いありません。では、1つずつ見ていきましょう!
(後編は3からです)
【3.正味キャッシュフロー】
ここでいう「正味キャッシュフロー」とは、企業に入ってくるお金(キャッシュ・イン・フロー=CIF)と出ていくお金(キャッシュ・アウト・フロ=COF)との差額、あるいは収入と支出の差額となります。
ただし、以下のものについての考慮が必要となります。
- 減価償却費(など、現金支出を伴わない費用)
- 法人税
1次試験でも出てきた論点ですが、復習の意味でも再度説明します。正味CFの計算式として、以下の2つの求め方がテキストに出ていると思います。
- 正味CF = 営業利益×(1-税率)+減価償却費
- 正味CF = (CIF-COF)×(1-税率)+減価償却費×税率
どちらも下図で赤い枠で囲った、逆L字型の部分を求めることになります。
1.だと赤い点線で上下に分割され、点線より下の部分が「営業利益×(1-税率)」、上の部分が「減価償却費」となります。
同様に2.では赤い点線で左右に分割され、点線より左が「(CIF-COF)×(1-税率)」、右が「減価償却費×税率」です。
次のNPV分析の際に、各年のキャッシュフローを計算するのにどちらの公式からも求められるようにしておきましょう。
【4.正味現在価値分析(NPV分析)】
ある投資を行った際のシミュレーションを行い、その投資を行うべきかどうかを判断する設問で用いられます。
初期投資費用、各年のキャッシュフローの増減(上の正味CFで算出します)、最終的な償却額などを現在価値に割り戻します。年金現価係数が設問に掲載されていればそれを用いますが、全て計算させる(電卓使用可)こともあります。
どこかひとつでも計算を間違えたり、金額を取り漏らしたりすると最終的な結果が合わなくなりますので、80分という試験時間を加味するとかなりの難問になることもあります。フリー解答欄であれば、途中までの結果や計算過程で部分点を狙う戦略も必要となってきます。
なお、私が受験生時代にやってしまったミスを1つ紹介しますと、計算ミスもなく最終的な現在価値を求めて満足してしまい、投資すべきかそうではないのかを解答欄に書かなかった、ということがありました。戻ってきた解答用紙には「で、どうなの?」と書かれていました。
【5.キャッシュフロー計算書】
2年分の貸借対照表および損益計算書から、営業キャッシュフロー計算書を書かせる問題です。
過去2回、白紙のフリー解答欄に間接法による営業キャッシュフロー計算書を記述させる問題が出ておりますので、確実に書けるようにしておきましょう。
営業CF + 投資CF + 財務CF = 現金及び現金同等物の増減
営業CF以外は算出が難しくありませんから、上記公式から営業CFを検算することもできます。テクニックとして知っておくと便利でしょう。
【6.ディシジョンツリー】
NPV分析と同様に、投資判断の可否を求める設問でディシジョンツリーが用いられることがあります。
ディシジョンツリー自体を描くよりも、その後の判断のための期待値の算出が難しいという人が多いと思いますが、
- 自分達で判断できる(最も有利なものを採用する)選択肢と、確率にゆだねざるを得ない(期待値で結果を算出する)選択肢の違いに注意する
- 自分達で判断できる場合、「投資しない」という選択肢があることに注意する
上記2点に気をつければ、対応できるものです。
解答は事例Ⅰ~Ⅲのように字数制限がある場合もありますが、当然と思われる判断もきちんと解答用紙に書くようにします。
[平成23年度事例Ⅳ・第4問(設問2)]
初期投資に先だって、R&D費として10百万円を投資することで、コストの高低が判明すると仮定した場合、(設問1)で得られた結果はどのようになるか、根拠となる数値を示しながら150字以内で述べよ。
この場合、解答として記述する意思決定の中に、「R&Dを実施」「高コストの場合は投資しない」「低コストの場合のみ投資する」ことを明示します。R&Dの実施が当然の前提として書き漏らしがちなので、必ず書くように意識付けしておきましょう。
以上6点、事例Ⅳの頻出論点をまとめました。平成25年度など、最近はひねってきた問題も少なくないのですが、正解すべき頻出論点は確実に得点し、それ以外の部分は粘って食らいついていくことで、事例Ⅳを得点源とできます。
事例Ⅳの点数が安定するようになれば、事例Ⅰ~Ⅲが精神的に楽になります。押さえるべき論点が他の事例に比べて明確で、正解・不正解もはっきりしやすいので、学習も進めやすいと思います。
2次試験本番まで約2か月、全力で乗り切っていきましょう。
私たちタキプロも、全力で受験生の皆様をサポートします!
タキプロ勉強会のお知らせ
【東京勉強会】
◆日時・場所
・8/28 (木) 19:30~22:00 八丁堀区民館 題材:H25事例Ⅱ
お申込みはこちらから
・9/6(土) 9:30~12:00 八丁堀区民館 題材:H25年度事例Ⅲ
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・9/10(水)19:30~22:00 八丁堀区民館 題材:H25年度事例Ⅳ
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・9/20(土) 9:30~12:00 久松町区民館 題材:H24年度事例Ⅳ
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・9/24(水)19:30~22:00 八丁堀区民館 題材:H24年度事例Ⅰ
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・9/28(日) 9:30~12:00 京橋区民館 題材:H24年度事例Ⅱ
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・10/8(水)19:30~22:00(場所未定) 題材:H24年度事例Ⅲ
準備中(9月上旬に申込開始します)
◆会費 :500円
*題材の過去問を解いて、解答のコピーを8部 ご用意ください。
*問題を忘れずに持ってきてください(自分で確認用)。
*時間の都合上、全部の設問を扱うことはできません。
あらかじめご了承願います。
*お釣りが出ないようにご用意ください。
【名古屋勉強会】
*各回定員5名
*参加費 500円
少数ですが、ぜひ気軽にご参加ください。
・第2回 8/30(土) 9:30~12:20 昭和生涯学習センター
題材:H25事例Ⅱ テーマ:事例Ⅱガイダンス&読解力対策
・第3回 9/6(土) 9:30~12:20 中生涯学習センター
題材:H25事例Ⅲ テーマ:事例Ⅲガイダンス&読解力対策
・第4回 9/13(土) 9:30~12:20 西生涯学習センター
題材:H25事例Ⅳ テーマ:事例Ⅳガイダンス&計算問題対策
・第5回 9/20(土) 9:30~12:20 西生涯学習センター
題材:H24事例Ⅰ テーマ:提案力対策
*題材の過去問を解いて、解答のコピーを6部 ご用意ください。
*時間の都合上、全部の設問を扱うことはできません。
あらかじめご了承願います。
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【大阪勉強会】
◆場 所:グランフロント ナレッジキャピタル7階
(大阪市北区大深町3番1号)
◆参加費:1,000円
◆定 員:20名
◆持ち物:筆記用具、問題用紙とご自身の解答(過去問を扱う場合)、電卓(事例Ⅳの場合)
◆開催日時・内容
※現在第10回(9月19日)までのお申込みを受け付けています。
【対象 初学者・再受験者】
第4回 8月29日(金)19:00~21:30 事例の読み方②
第5回 9月2日(火)19:00~21:30 論理的思考と解答の考え方①
第6回 9月5日(金)19:00~21:30 論理的思考と解答の考え方②
第7回 9月9日(火)19:00~21:30 解答の書き方①
第8回 9月12日(金)19:00~21:30 解答の書き方②
第9回 9月16日(火)19:00~21:30 事例Ⅰ・Ⅱアドバイス
第10回 9月19日(金)19:00~21:30 事例Ⅲ・Ⅳアドバイス
【対象 初学者】
第5回 9月2日(火)19:00~21:30 平成24年度事例Ⅰグループ討論
第6回 9月5日(金)19:00~21:30 平成24年度事例Ⅱグループ討論
第7回 9月9日(火)19:00~21:30 平成24年度事例Ⅲグループ討論
第8回 9月12日(金)19:00~21:30 平成24年度事例Ⅳグループ討論
第9回 9月16日(火)19:00~21:30 苦手事例特訓レッスン①
第10回 9月19日(金)19:00~21:30 苦手事例特訓レッスン②
【対象 再受験者】
第11回~18回 9月23日(火)~10月17日(金)
毎週火曜日と金曜日に実施 19:00~21:30
試験実施(事例Ⅰ~Ⅳ)と添削指導
【対象 初学者・再受験者】
第19回 10月21日(火) 19:00~21:30 質問タイム
第20回 10月24日(金) 19:00~21:30 質問タイム
お申込みはこちらから(現在第10回までのお申込み受付中)