【事例Ⅳ】間接CFの計算で気をつけたいこと
皆さん、こんばんは!月曜日夜のショリ@タキプロです。
タキプロメルマガの8月24日号で、「簡単な式でマスタ-できる間接CFの覚え方」と題して、間接CFにおける「売上債権」「棚卸資産」「仕入債務」項目の解き方をご紹介しました。
今回は、紙幅の都合上、メルマガの記事でご紹介しきれなかった、計算上の留意点をご紹介します。
■営業資産・債務の増減は「期末-期首」
あたり前のことですが、「売上債権」「棚卸資産」「仕入債務」項目の増減は、「期末残高-期首残高」で計算します。
私は、模試で、「売上債権」「棚卸資産」「仕入債務」項目の増減を、誤って、「期首-期末」で計算してしまいました。これで、CFの数値のみならず、CF状況の記述もきれいに外し、大量失点。焦っている時には、どんなミスが顔を出すか分かりません。皆さんも、どうぞ、ご注意ください。
ちなみに、事例Ⅳで間接CFが問われた際には、財務諸表の「売上債権」「棚卸資産」「仕入債務」項目に、「期末-期首!」と書き入れ、同じミスを繰り返さないようにしました。
■小計欄以降は現金を追う
間接法の営業CF計算上、「受取利及び受取配当金」および「支払利息」は、小計の「上」と「下」で、2度出てくることはご存じだと思いますが(ピンとこない方は、計算書を後述しましたので先に見てください)、小計の「上」は、「PL金額を逆符号にした値」、小計の「下」は、「実際の現金受取額および支払額」を書きます。
<営業活動によるCF>
税引前当期純利益 XX
減価償却費 XX
受取利及び受取配当金 -XX←PL値の逆符号
支払利息 XX←PL値の逆符号
売上債権の増加 -XX
棚卸資産の増加 -XX
仕入債務の増加 XX
------------------------------------
小計 XX
利息および配当金の受取額 XX←動いた現金
利息の支払い額 -XX←動いた現金
法人税等の支払額 -XX
------------------------------------
営業活動によるCF XX
私は、演習で、小計の下段にある「受取利及び受取配当金」および「支払利息」に、PL額を入れてしまい、CF数値で間違え、連鎖で記述まで失点しました。間接法の営業CFは、小計欄までで、一旦、P/L上営業外損益に対応する損益を取消し、小計欄以降で、実際の利息の現金受取額、配当金の現金受取額、支払い利息の現金支払額を戻す構造となっています。小計欄以降は、現金の動きのみを表示しますので、気をつけてください。
ちなみに、事例ⅣでCFが問われた際には、財務諸表の「受取利及び受取配当金」および「支払利息」に「2度目は、動いた現金」と書き入れ、再発を防止しました。
皆さん、そろそろ夏の疲れが体調に現れるころです。体調管理には気をつけてください。
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動いた現金って、財務諸表から、どうやって算出するのですか?
教えてくださいませ。
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>スギちゃんさん
ご質問ありがとうございます。
事例企業が未収利息や未払利息などの経過勘定を計上している場合には、PL額と現金の動きが違います。私は、現金を追うのに、T勘定を活用していました。
受取利息を説明します。
前提として、BSに未収利息が計上されているとします。そして、未収利息の前期末残高:50、当期末残高:180、PLの受取利息が400ということにしましょう。
ステップ①:未収利息をT勘定に書き込む。
ステップ②:PLの受取利息を書き込む
ステップ③:貸借差額から現金の増減がでます
---------------—-
① 50 |③(270)←貸借差額
|
② 400 |①180
貸借差額で出した270が現金の動きです。
CFの受取利息の受取額には270を書きます。
私は、PL額の400を書いて間違えました。
T勘定上の記載位置が違いますが、支払利息も同じステップです。平成18年度本試験の第6問が参考になりますので併せてご覧ください。
ショリ
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>スギちゃんさん
補足させてください。
先ほどご案内した本試験問題は
1次試験の問題です。
今日も暑いですが、がんばっていきましょう!
ショリ
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経過勘定項目を利用して、実際の現金の動きを算出するんですね!
同じ小計欄以下に在る法人税等の支払額も同じことですね。
よくわかりました。
ありがとうございました。