過去問題の解きなおし

こんばんは。次第に秋の気配が漂ってきましたが,皆様におかれましては益々お仕事と勉強に邁進されていることと思います。ごとりん@たきぷろ6期です。二次試験まで時間がないようでいて,実は6週間以上あります。二次試験の過去問題の検討とはいっても,「どこから手をつけていいのかわからない」という受験生の方々もいらっしゃると思いますが,最初は地道に過去問題を解いて,複数の模範解答と比較検討してみましょう。私は独学でしたので,T専門学校の二次模擬試験を受験した際,周囲の受験生がハサミやカッターとともにラインマーカーを使い始めたのをみて非常に焦り,事例1と事例2の間にコンビニエンスストアにラインマーカーを買いに行ったのを覚えています。

最初はそんなレベルからスタートしたのですが,一次試験で培った基礎知識に論述力を上乗せしていくのには6週間あればなんとか追いつけます。そのためにも過去問題を深く読み込み,最低2回は解答を実際に作成してみましょう「本試験に慣れる」という意味もありますが,二次試験であっても過去に出題された論理構造や知識が再び問われることがあるためです。

いくつか例示をあげてみましょう。たとえば平成21年度の事例Ⅳと平成26年度の事例Ⅳをみてみます。平成21年度の事例Ⅳでは以下のように出題されました。

「(設問2) 社では、オプションを用いて為替リスクをヘッジすることも検討している。1ドル100円で決済するためには、どのようなオプションを用いるべきか、50字以内で(a)欄に説明せよ。また、オプションを用いた場合の長所と短所を100字以内で(b)欄に説明せよ。」(平成21年度)

 一次試験が終わった時点でこうした問題を読むと,「闘争意欲」が萎縮してしまいますが,まずは自分なりの解答を書いて複数の模範解答と比較します。概ね大半の模範解答では,オプションはオプション料を支払わなければならないことがデメリットで,差金決済ができるのがメリットという趣旨で構成されていると思います。では,こうした平成21年度の過去問題を検討した私のような受験生は,平成26年度の本試験で以下のような本試験問題に接することになります。

「D 社では、再度、コーヒー豆を直接買い付ける可能性を探ることにした。しかし、以前のような為替差損を計上する恐れがあるため、この為替リスクを軽減する手段の検討に入った。為替リスクを軽減する手段を2つ挙げ(a) 、それぞれの手段を用いた際、円安になった場合と、円高になった場合の影響:メリット・デメリット(b)について述べよ。」(平成26年度)

 実はまるっきり同じ問題というわけではなく,平成26年度はコーヒー豆を仕入れる側の立場で論述し,平成21年度は売り上げる側の立場で論述することになります。しかし,過去問題の検討をしてきた受験生とそうでない受験生とでは,この問題に対する解答だけでも大きな差になることはおわかりいただけると思います。平成21年度の模範解答を想起して,その模範解答を問題文の与件に合わせて修正すればいいのですから。

 「論述問題だから同じような問題は出ない」ということはなく,「論述問題だからこそ過去問題と同じような論点が問われることがある」と考え方を変えてみましょう。これは中小企業診断士が国家試験で,一定の知的水準を求める以上,同じ論点が何度も問われるのは「必然」であるためです。

 なかなか同じ過去問題を何度も解くというのはシンドイ部分もあるのですが,何度も書き直しているうちに本試験直前には,「スペースがあいてしまう」という悩みが「たくさん書くことがあってどうしよう」という悩みに変化してくることでしょう。そこまでくれば,二次試験突破まではあともう少しだと思います。是非ともがんばってくださいね。

 

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