【オイラ式】~勉強会からの気づき(平成27年・26年事例Ⅳ)~
皆さん、おはようございます。久しぶりの登場、リアル勉強会リーダーの細川泰志@タキプロ7期です。このブログでは、主に勉強会を通して得られた「気づき」について、不定期に投稿していきます。
今回は、先日行われた勉強会@東京(お題は平成27年・26年事例Ⅳ第1問)での気づきを述べさせていただきます。
あ、その前に1つ。9月25日(日)に、タキメンが皆さんの合格を祈願して東京の神田明神に参拝します。
http://www.kandamyoujin.or.jp/info/access.html
もし、受験生の方でご都合がつきましたら、一緒に参拝しませんか?
集合場所は隨神門、時間は12時15分集合です。 特に予約や申込み等は不要です。当日の午前中は勉強会も行われますので、そのついでにいかがでしょうか?飛込み参加大歓迎ですので、気分転換もかねて是非お越しください。
1.電卓は常に同じものを使う
電卓の選び方については、試験要項にある制限(大きさ、電子音が出ない、関数計算機能が無い等)を守るのは当然であることほか、過去のこちらの記事が参考になります。
受験生の皆さんは、ボタンの説明、使い方、電卓術なども参考にしながら、様々な機種を使用されていますが、最も重要なのは、常に同じ電卓を勉強でも仕事でも使うことです。なぜなら、メーカーや機種によってはボタンの配置や使える機能が微妙に異なるため、普段から電卓に慣れておき、混乱を避ける必要があるからです。
つまり、使い慣れた電卓を本番でも使えば、誤入力や入力速度の低下を防ぐことができ、結果、計算という作業にかける時間を節約できます。特に、計算が多く解答時間が慢性的に不足する事例Ⅳでは、時間の節約は重要な課題です。
これぞと決めた電卓は、診断士になってからも使い続ける覚悟で!浮気は禁止ですよ!
2.財務指標の計算と表記の工夫
財務指標を計算する場合、計算の順序や計算結果のメモの場所は人それぞれかもしれませんが、これも予め決めておいて計算の効率化や転記ミス防止を図りましょう。
例えば平成27年設問1の場合です。与件には貸借対照表と損益計算書がありますが、計算の順序としては、
①まず損益計算書を使って収益性
②次に損益計算書の売上高と貸借対照表を使い、効率性
③最後に貸借対照表を使って安全性
とします。
計算方法は、電卓の機能を活用しましょう。例えばD社の場合は(「」内は電卓に入力する情報)、
①収益性は、売上高総利益率:「380÷2150%」から、17.674…(%)
売上高営業利益率:(17.674…に続けて)「60%」から、2.790…(%)
売上高経常利益率:(2.790…に続けて)「49%」から、2.279…(%)
とします。次に一旦、「CA」でデータを消去した後、
②効率性は、総資本回転率:「2150M+=」(メモリープラス)で売上高を記録し、「÷1130=」から、1.902…(回)
有形固定資産回転率:「RM」または「MR」(メモリーリコール)で、先ほど記録した売上高を呼び出し、「÷430=」から、5(回)
棚卸資産回転率:「RM」または「MR」「÷110=」から、19.545…(回)
売上債権回転率:「RM」または「MR」「÷440=」から、4.886…(回)
とします。そして再び「CA」でデータを消去した後、
③安全性は、流動比率(⇒当座比率)⇒固定比率(⇒固定長期適合率)⇒負債比率⇒自己資本比率の順で計算します。
計算結果のメモの記入場所は、
D社の財務指標/同業他社の財務指標
をセット(スラッシュで区切った左側がD社、右側が同業他社)にして、
①収益性は、分子とした利益額の右側
②効率性は、分母とした勘定科目の左側
③安全性は、流動比率(と当座比率)は分子とした勘定科目(流動資産と現預金)の左側
固定比率は負債の部の上
固定長期適合率は固定負債の右側
負債比率は負債合計の右側 strong>
自己資本比率は純資産合計の右側
と、時計回りにメモする癖をつけておけば、転記ミスは防げます。
ちなみに端数処理をする場合の表記ですが、例えばD社の負債比率は「352(%)」と整数で割り切れるため、小数点以下は表記しないようにしましょう。
なぜなら設問は、「小数点第3位を四捨五入せよ」という端数処理の制約を課しているため、仮に「352.00%」と表記すると、「小数第3位に0超4以下の数値があり、四捨五入した=割り切れなかった=計算ミスを犯している」という、あらぬ疑いを採点者にかけられる可能性を排除できないからです。
ですから、きちんと割り切れるときは、小数点以下の「0」を記入しないようにしましょう。
3.記述の因果関係を丁寧に述べる
近年は、財務指標について記述させる場合、解答文字数を少なく制限する傾向が続いています。
もちろん、記述する際は、与件を活用し他の設問との関連性(長所は強化し短所は改善する)を考慮するのは当然ですが、記入できる文字数が少ないことで、因果関係があいまいになったり、一般論(D社でなくても当てはまるようなこと)に終始してしまったりすることがあります。
平成27年第1問設問2では、「同業他社と比較した場合の特徴」について求められています。
例えば、優れている指標として「売上高総利益率」を指摘した場合、与件からその根拠になり得る部分を拾ってみると、
「多様な金属加工技術を蓄積」「技術力は市場から一定の評価を受けている」「自社開発のz鋼板を使用した精密部品の受注が増加傾向」「X社向け以外の精密部品の受注が増加傾向」
等があります。これらの内容を記述したいのですが、そもそも「60字以内」という文字数制限内で、課題となる指標についても記述しなければならず、編集がかなり大変です。
そこで、手っ取り早く「上記の与件内の表現どれか1つ+収益性が高い」と書いてしまいがちですが、そうすると今度は因果関係がかなり雑になってしまいます。
では、原点に帰って「なぜ売上高総利益率が良い」のか考えてみましょう。1次知識を活用した仮説では、「売上高=(商品単価×購入点数)×(顧客数×購入頻度)」でしたよね。また、利益額を大きくするためには、「商品単位の利益率を高める」「コスト削減をする」等が考えられます。ここから、「売上高の割には利益額が大きい」という結論に持っていくために、知識想定に与件の内容を当てはめるという発想で、解答を組み立ててみましょう。
そうすると、例えば「定評のある金属加工技術を活用した高付加価値商品を販売し収益性が高い」と記述すれば、因果関係がうまくつながります。
但し、「コスト削減」について述べる場合は、「売上高総利益率が高い」という利益に着目した指標よりはむしろ、「売上高売上原価比率が低い」という費用に着目した指標の方が親和性が高くなります。このように、「自分で指摘した財務指標と記述内容の一貫性が保たれているか」という視点で、両者を常にチェックする癖を持ちましょう。
以上、私が勉強会で気づいた点について述べさせていただきました。参加者の方の解答内容や考え方は、春の頃と比べると格段に向上しており、勉強会で得られた「気づき」をしっかり反映させることが出来ている様です。
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細川でした。
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