独学者向け勉強方法【16回目】 やすたか@タキプロ7期
こんにちは、16回目投稿の隔週火曜日担当 独学者向け『やすたか』です。
2次試験の合格率は20%前後です。これは落とすための試験とも言えるでしょう。
参考書や過去問解説を読んで、まわりと同じ解答を書こうと考えている方は、80%のほうに入る確率が高いのではないでしょうか。
どうやれば20%のほうに入れるか?
私がこの時期に考えていたことを紹介しますので、少しでもヒントになればと思います。
2次試験まで残り20日。ストレート合格を目指している方はここから大きく伸びます。
私もこの時期に手ごたえを掴み、ぶつかっていた壁を超えられる確信を持ち始めていました。
今まで試行錯誤していた思考プロセス(解答作成までのロジック)を80分間で100%出し切る練習を繰り返していたので、詳しくは、12回目ブログ、14回目ブログもご覧ください。
さて、今回は、2次試験までの残り時間も少ないため、今まで書けなかったことを箇条書きで紹介します。
【設問を解く順番】
どうしても設問の題意が分からない。1つに絞り切れない場合の対応。
パズルのように分かるところから埋めていく。
第1問から順番に解くのではなく、与件と設問を結び付けて間違いなく解答できる設問から記入する。
その設問の解答と別な設問や与件を関連付けて、次に間違いなく解答できる設問を解く。
このように「パズルを解く感覚」で順番に解いていくと全体として整合性のある解答を作りやすくなります。
【必要な国語力】
小学校高学年の国語力。
小学校低学年の国語は、設問で問われている段落の中だけで答えを探したり、文章の前後だけ読めば答えが分かるようになっています。
小学校高学年の国語は、設問で問われている段落ではなく他の段落に答えがあったり、文章全体を読まないと答えが分からないようになっています。
【ミスをなくす】
ハインリッヒの法則では、1件の重大事故の背景に29件の軽微な事故があり、300件のヒヤリハットがあると言われています。(1:29:300の法則)
1つのミスだけではなくいくつかのミスが重なることで、大事故につながることがあるため、ヒヤリハットが発生した時点で、発生頻度と影響度のマトリクスを使って対策を考えます。
よく使われるのは、相互確認とチェックリストです。
相互確認は、勉強会などで他の人の意見を聞くことで、思考プロセスの確認ができるでしょう。
チェックリストは、naoさんのブログ「事例Ⅰ、Ⅲの対策~nao」のようなリストを活用することで思考プロセスの漏れを減らせると思います。
前回のブログに続き、解答の一貫性の説明を追加します。
今回は、事例Ⅳです。
8回目ブログでも紹介しましたが、私は、2次試験の事例Ⅳは単純に設問の計算をするだけの試験ではないと考えて受験しました。
事例Ⅰ~Ⅲと同じように与件と設問を関連付けて、事例企業の問題や課題を戦略的に解決する手段として、財務分析と改善提案をするようにしていました。
【一貫性を考える際のありがちなミス】
事例Ⅳの第1問は、財務分析でSWOT分析の強み(S)弱み(W)を問う問題が定番です。
では、私がよく使っていたSWOT分析の切り口を使って説明します。
SW:内部環境《バリューチェーン、PPM、PLC》
OT:外部環境《マクロ分析:PEST分析、ミクロ分析:5フォース分析(5F分析)》
解答を考える際、与件を分析せずに財務分析の指標を計算して、「収益性」、「効率性」、「安全性」から数値に特徴があるものを単純に1つずつ選んでしまうと下記に挙げる例のように一貫性の無い解答になります。
【例1 2014年度事例Ⅳ】
強みで、「売上高総利益率」を挙げて、弱みで「自己資本比率」を挙げた場合。
自己資本比率が低い理由を「内部留保が行われていない」と書いてしまうと、強みで挙げた売上高総利益率と矛盾する。
整合性を考えて、借入金が多く「売上高営業外費用比率」が高いことを挙げると経常利益が低くなる説明がつく。
借入金が多い理由は、過剰投資や無駄な販売費が考えられる。
別の設問で、店舗改装の「正味現在価値」の計算や商品の「限界利益率」、「貢献利益」を計算させていることから、借入金をこれ以上増加させない提案につなげられて、整合性のある解答になる。
【例2 2015年度事例Ⅳ】
弱みで、「売上債権回転率」を指摘した場合、これは売上高全体の7割を占める販売先が原因と考えられる。
これは外部環境であり、5F分析で考えると契約上の問題で、簡単に変更できないと考えられる。(同業他社と比べて売上債権回転率が悪いから、契約条件を見直してほしいと交渉しても聞いてもらえないでしょう)
改善できない事を「課題」に挙げてしまうと以降の設問で一貫性のある提案が出来なくなります。
【一貫性を考えるヒント】
・外部環境は、中小企業が簡単に変えられるものではない。外部環境を変える提案は間違いの可能性が高い。
・課題は、内部環境であり、内部で改善出来ることを考える。5F分析の外部環境を変えるためには、それに見合う力が必要になる。
・内部環境は、バリューチェーンで改善個所を考えるとわかりやすい。
・SWOT分析では、外部環境(OT)、内部環境(SW)を考えて分析し、解決する問題や課題も外部環境、内部環境に合わせて、同じレベルの解答を考える。
・事例問題は、与件企業に対して、すべての設問が一貫性のある改善提案になっている。知識を問う設問も一貫性で考えると出題された意図が分かる。(※知識問題が解ける訳ではない。解けなくても知識問題の配点は低い。)
・「収益性」、「効率性」、「安全性」を数値だけで判断しない。数値を計算して、優先順位を考えて解答する。
・問題をひっくり返しただけの以下のような解答を書かない。
問題:売上債権回転率が悪い → 解答:売上債権回転率を改善する。
問題:自己資本比率が低い → 解答:自己資本比率を高める。
問題:売上高利益率が低い → 解答:売上高利益率を高める。
※問題の原因を突き止めて、内部環境としての改善方法を考えると実現性が高まり、具体的な解答を作成出来るようになります。
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