【日曜日は名古屋の日】”うめもん流”独断による平成28年度2次試験の所感と解答<事例Ⅳ編>
うめもんです。
いよいよ最終の事例Ⅳです。
事例Ⅲまでで寝落ち^^してしまいましたので、事例Ⅳだけは日を改めて解答しています。なので、本番のヘロヘロ状態ではない点は割り引いて下さい。
その他、解答状況や条件はこちらを参照ください。
※今年受験されていない方へ 問題はこちらより入手してください。
平成28年度 第2次試験【事例Ⅳ】
【所感】難易度:中~低(例年通りか やや易化)
・設問数は例年通りの経営分析問題が1問に、計算問題が4問、論述問題が3問です。
・キャッシュフロー計算で多少ヒネリを加えていますが、難度の高い部分はあらかじめ数値が埋まっています。その点も含めて計算問題自体は平易な印象です。反面、計算の解答のボリュームは多いです。
以上より、“いってこい“で難易度自体はそう高くないと感じました。但し、難問だった事例Ⅲの後ですので、配点を参考に、捨て問も作りつつ、取れるところでは検算も慎重にして取りこぼしをしないといった例年とおりの王道の対応が求められると思います。
【解答のプロセス】
1.事例のテーマ
省略
2.各設問
(1)経営分析問題
与件と財務諸表から指摘できるD社の主要課題は以下の3点4項目だと考えます。
①収益性の向上① 業績不振対策
与件の「顧客の節約志向」ならびに「創作料理店の業績不振」から、収益性の向上が挙げられます。
②収益性の向上② 多額の特別損失の発生への対策
通例であれば、一過性の特別損益は経営課題とまでは考えにくいのですが、売上の6%、56百万円もの巨大な特別損失が出ているのであれば見過ごすわけにはいかないでしょう。
特別損失の発生箇所は、第2問設問1の営業キャッシュフロー計算書の所定値から棚卸資産などの流動資産ではなく、いずれにしても固定資産系になり、固定資産の中では、投資資産で損切りをした可能性も考えられますが、投資資産は数値が増えているので可能性は低く、それよりも建物系で除却か売却損が出た可能性が高い。発生要因として、開店・閉店があまりに頻繁で無計画とも思われる出店(閉店)戦略を指摘したいところですが、与件に確証なく断言はできません。。
③土地投資への資金手当て
320百万の土地を購入しています。なぜ短期なのかはともかくとして、ほとんどすべてを借入金で賄っている点は問題です。なかでも、投資で資金需要が見込まれるなかで、投資その他資産を増やしている点は、よほどの理由がない限り資金繰りとしては疑問を生じえません。
ここから、3指標は
① 営業面での収益低下と特別損失の双方を含む「売上高税引前当期純利益率」
② 有形固定資産だけでなく投資その他有価証券の増額を含む「固定資産回転率」
③ 借入金依存の「負債比率」
を選択、論述も上記のロジックをまとめた解答にしています。
(2)計算問題
計算問題の個々の解き方は省略します。
難易度と配点から考えた重要度、対応順は以下のとおりです。
① 第3問
配点は15点ですが、ごくごく基本的な問題です。計算も単純であり取りこぼしてはいけない問題です。
② 第4問 設問2
配点が25点と高いこともあるのでしょうか。設問の文章がやや回りくどく難解な印象を持ちます。
また、「3分の1に削減」「3分の2に低下」と間違えやすそうなトラップを表現上で仕掛けています。しかし、ここさえ乗り切れば、計算自体は大したことない。
計算が一番単純で後続にも影響する①は必ず取りたいところです。②③は、部分点狙いも含め落ち着いて条件を確認しながら対処すべき問題です。
③ 第2問 設問2
総合配点が35点と高い問題ですが、出題問題中計算は最もややこしい。設問1と設問2を比べるとボリュームは多いですが設問2のほうがやや取り組みやすいと思います。
投資、キャッシュフロー、残存簿価の発生年度を落ち着いて把握、割戻しに使う原価係数を採り間違えない点が肝心です。また、単純な足し算の問題、計算不要の問題もあります。部分点狙いも含め、そこは確実に取りましょう。
④第2問 設問1
出題予想が高かったキャッシュフロー計算の問題ですが、受取利息以外の営業外収益の存在など、どこに仕分ければよいか、一瞬悩みます。既に記入済みの数値から推察すれば解答は導出できます。
ただし、これは正確な営業活動キャッシュフローを求めるものではありません。
営業キャッシュフロー計算の問題では、計算ポイントの少ない下から計算(現預金差異-投資キャッシュフロー-財務キャッシュフロー)で検算することを薦めていますが、この問題は別。投資キャッシュフロー、財務キャッシュフローの計算が難解で、下から検算に着手すると死にます。
さらに、出題の営業キャッシュフロー計算表に不整合(イエローカードレベル)があるので、普通に計算しても合いません。
長くなるすので詳細は割愛します。興味のある方はこちらをご覧ください。
【独自解釈】平成28年度第2次試験 事例Ⅳ 第2問設問1の考察
単純計算で埋められるところは埋めて、検算で合わなければ深追いはせず放置が適切だと思います。
—-うめもんの解答————————————
平成28年度第2次試験 事例Ⅳ
(解答用紙が枠付き書式のため、PDFにて掲載します)
※第2問設問1ほか、符号の書き方は「△3」です。出題の書式に合わせるのが鉄則です。
—-解答ここまで ————————————
試験後に初めて迎える日曜の朝、事例Ⅰ、事例Ⅱ、事例Ⅲと膨大な投稿に最後までおつきかいただいてありがとうございました。
あくまでも独断によるものですので、これが正解だとか、こうじゃなきゃ点が取れないといったことではない点を、改めてお伝えしておきます。
以上、うめもんでした。
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うめもんさん、はじめまして。
いつもタキプロさんのブログを楽しく拝見し、大変参考になります。
有難うございます。
さて、今回の事例4第2問設問1のCFの問題ですが、
自分は、うめもんさんのお考えにもありましたとおり、
営業外収益−
営業外費用4
が正解だと思ってます(法人税等の支払額△35は意味不明)。
予備校の講師に聞くと、
「営業利益に戻すため営業外収益8、営業外費用20を
全額調整する!」、という不可解な回答ばかりです(泣
営業外損益に有価証券・有形固定資産の売却損益等の特殊な取引が
含まれてなさそうなので、営業外収益△8、営業外費用20は
調整し過ぎだと思ってます(売却等があれば、減損損失のように
明記されると思います)。
これまでの過去問は営業外損益の額=受取・支払利息の額が
明確でしたが、今回は異なるため違う対応が必要と感じてます。
採点上、別解はあるんですかね(むしろ、−、4が正解!?な〜んて)?
あると淡い期待をしながら悶々と発表を待ちたいと思います。
愚痴っぽくて申し訳ございませんでした。
おーたむ様
うめもんです。
別解は微妙なところで、そもそも科目の名前からして設定が適切ではなく、ブログに書いたように残念ですが「指示に従って表を埋めるだけ」と解釈、採点してくるのではと思っています。資料も科目名から変えているのはそのためです。(法人税の件もあるので、救済があるのであれば問題不成立かと)
ここまで配慮して出題側が問題を作成、あるいは受験機関が解説や模範解答を考えてくれているかは不明です。
得点開示が可能であることが広まった現在、おーたむさんのような受験生の方が、深く考えてしまったがためにこの問題が原因でもし1、2点の差で涙を呑むようなことがあっては、必死に頑張ってきた受験生の努力を蔑にするとの思いもあり、今回の記事はブログをとおして指摘、問題提起をしたかった、という意図もあります。
幸運をお祈りしています。
うめもんさんへ
早速のお返事、有難うございます!
別解は無さそうですか(>_<)
試験とはそういうものなのですね。。
実務でCF計算書を作成してるので、
余計な知識が、かえってアダになったようです(泣
色々ご教示有難うございました。
これからもブログを楽しみにしてます!