ワンランク上の受験生は、選択と集中で事例Ⅳの経営分析を20分以内で仕上げるー! by ないち

読者の皆様、こんにちは! ないちです。

※以前のないち関連の記事はこちらです。
 2021/4/26:ワンランク上の受験生は、経営情報システムをさらりとこなすー! by ないち
 2021/3/1:【★タキプロ12期スタート★】自己紹介と”合格に必要な五箇条” by ないち
 2021/1/15:【祝!令和2年度合格】自身の勝ちパターン構築で掴んだ合格/ないちさん

さて今回は、2次試験「事例Ⅳ(財務会計)」について語っていきます。

実は私、苦手なわけではないのですが、本番で実力が発揮できなかった科目です(R1:53点、R2:47点)。やっぱりトレーニング不足があった点と、知識問題に翻弄されたため、だと自負しています。
それでもなんとか足切り回避できたのは、この事例Ⅳこそ「選択と集中」でいく、という戦略でした。

では、この「選択と集中」において、どの問題は絶対に外せないでしょうか?

正解は、「経営分析」いわゆる第1問です。
この問題は、外せない、だけでなく、いかに早く仕上げて他の問題にリソース割くか、がポイントです。今回は、直近の令和2年度の事例Ⅳの第1問をブログを通して再現解答します。
こちらを確認しながら、見ていきましょう。

1.与件文は良い点と悪い点の2つでわける

事例Ⅳの与件文は、試験を解くうえでは、SWOTまで細かい分析は不要です。
良いことを「M」(メリット)、悪いことを「D」(デメリット)として、2つに分けるくらい。あとは、気になるキーワードは二重線引いたくらいです。まずはこれで情報を整理します。

ないちの当日の振り分け
<M>
 顧客志向、多頻度・長期間のアフターケア、迅速に駆け付けたいという経営者の思い、顧客を大切にする、地域に根差した企業として評判が高い、高齢化の進行ととともに、バリアフリー化を主とするリフォームの依頼が増えている
<D>
 丁寧な顧客対応のため費用負担が高い、ステーキ店・ファミリー向けレストランは当期の営業利益マイナス、ステーキ店は2期連続でマイナス
<MよりはD>
 現時点では具体的な出店計画のない土地を駐車場として賃貸
<キーワード>
 連結対象となる子会社はない、商圏を本社のある県とその周辺の3県に限定、戸建住宅事業、飲食事業、リフォーム事業、ROIによって評価

2.計算は横軸割合でスマートに比較する

皆様、B/SやP/Lから、収益性、効率性、安全性を求める時に、どのように計算していますか?

「数字からなんとなく・・・」はまだしも、「手あたり次第」の方がいたら、次回からこの手法で行うと劇的に計算がスピードアップします。以下の写真を見てください(令和2年度第2次試験問題から財務諸表を抜粋)。

ポイントとなる項目は「D社÷同業他社」で求めて、枠外に記載しています。
この数値を元に、同業他社との比較を行います。

2ー1.P/Lの売上と利益の収益性の目立つところを探せ!

まずはP/Lから見ていきましょう。売上高と各利益項目それぞれに、「D社÷同業他社」を計算します。
各利益を、売上高(1.313)を軸に比較します。
売上高(1.313)<売上総利益(2.123)なので、売上高総利益率は良い。
売上高(1.313)>営業利益(0.715)なので、売上高営業利益率は悪い。

この①②は、解答候補です。

2ー2.B/Sの資産と負債で安全性の目立つところを探せ!

次に、B/Sを見ていきましょう。指標で使うような項目を、先ほどと同じように、「D社÷同業他社」を計算します。
総資産(1.099)>純資産(0.263)なので、自己資本比率は悪い。

2ー3.B/Sと売上高で効率性の目立つところを探せ!

最後に、回転率を見るために、B/Sと売上高を見ていきましょう。売上高より小さければ回転率が良く、逆であれば回転率が悪いです。
売上債権(0.297)<売上高(1.313)なので、売上債権回転率は良い
有形固定資産(3.372)>売上高(1.313)なので、有形固定資産回転率は悪い

3.与件文と財務諸表から特徴をまとめる

上記1と2を混ぜて、与件文のポイントと財務諸表の目立つ指標を紐づけます

戸建住宅事業は地域に根差した企業として評判が高い → 売上高営業利益率
ステーキ店・ファミリー向けレストランは当期の営業利益マイナス、現時点では具体的な出店計画のない土地 → 有形固定資産回転率、自己資本比率(借入でなんとか資金賄っている?)

あとは、指標を計算(D社と同業他社の両方計算して優劣を確認)します。


以上、終了です。
(実際に私は自己資本比率の代わりに当座比率を出して短期借入が高い、と書いたと思います。顧客対応の費用負担も気になりますが、ここを問題にすると顧客対応の強みが消えてしまうので、売上高営業利益率はチョイスしませんでした。)

4.問題1終了までの時間配分

問題1の経営分析終了までの時間配分は、20分以下を目標にしてください。15分まで縮まれば上出来です。

0分~2分:解答用紙に受験番号を書く、全問題、さっと内容を確認する
2分~7分:与件文は良い点と悪い点の2つでわける(上記1)
7分~12分:計算は横軸割合でスマートに比較する(上記2)
12~17分:与件文と財務諸表から特徴をまとめる(上記3)
17~20分:解答用紙に記載する

5.今日のおさらい

今回は、2次試験「事例Ⅳ(財務会計)」について、語らせていただきました。

私は、問題を以下の順番で解くことに決めていました。
1.経営分析(第1問)・・・満点ペース狙う
2.キャッシュフロー計算書・・・満点ペース狙う
3.知識系ですぐにわかるところ・・・自信あるところはまず埋める
4.CVP分析・・・時間を要する場合があるが満点ペースを狙う
5.知識系で時間を要するところ・・・わからなければ何かしら埋める
6.投資の意思決定問題(NPVなど)・・・部分点狙いで時間が許す限り総力戦

最近の過去問の傾向は、徐々に難しくなっていくなと感じています。特に、定番問題が少なく、知識系(説明問題)が増えたことですね。試験作成側も、手を変え品を変えで受験生に挑戦しているな・・・と感じています。知識系は、本番で初見だとむちゃくちゃ焦るので、過去問のみならず、一通り1次試験の内容は復習してください。(わたしは当日はそれでめちゃくちゃ焦って、40点台をたたき出しました・・・)

中小企業のトレンドとして、事業承継やM&Aがこれから軸になっていく、と私は思います。
連結会計とか、企業価値とかは特に要チェックです。
ちなみに連結会計は、簿記2級の内容を把握しておくと、からくりが理解できます。

最後に。
今日は第1問「経営分析」これを覚えて帰ってください。

1.与件文は良い点と悪い点の2つでわける
2.計算は横軸割合でスマートに比較する
3.与件文と財務諸表から特徴をまとめる


とくに2ですね。
電卓のたたく回数を減らせば、ミスが減る

以上!

次回はコウさんの登場です。
お楽しみに!

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