経営分析は「訓練」だ!電卓叩いて、いい汗かこう!byたにけい
■はじめに&自己紹介
ハンドルネーム:たにけい
年代/性別:40代/男性
職種:国家公務員
受験歴:1次1回、2次1回
勉強時間:1次1000時間、2次150時間(2020年5月~1.5年計画)
勉強方法:受験校(通信)+独学
得意科目:1次/企業経営、運営管理、経済学・経済政策、財務会計、2次/事例Ⅱ
いつもタキプロブログをご覧くださりありがとうございます。「たにけい」と申します。私は、毎日更新されるタキプロブログの記事、口述試験セミナーに励まされつつ、2021年度の1次&2次試験に合格できました。今年はタキプロ13期ブログ班メンバーとして2022年度合格を目指す受験生の方へ「恩送り」をしていきます。今回は、事例Ⅳ対策の記事を担当します。どうぞよろしくお願いします。
さて、皆さんご存じとは思いますが、2021年度は1次試験の翌日から2次試験まで76日しかありませんでしたので、私は中小企業診断協会に当たって砕けるつもりで受験しました。試験当日は四十肩の痛みを思わず忘れるほど死力を尽くしたものの、事例Ⅳの出来として合格レベル(60点以上)の手応えはなく、むしろ足切りレベル(40点未満)と感じました。2次試験合格後に「得点開示請求」をしたところ、事例Ⅳは4科目中で最低の52点というなんとも微妙な点数でした。ちなみに1次試験の財務会計は80点で、得意科目だ~~と自惚れていたのですが、事例Ⅳは1次試験とはレベチ、私にとって紛れもなき「苦手科目」だったのでございます・・・。
そんな事例Ⅳにビビっていた私が、特に2022年度が初受験の方や、事例Ⅳが苦手という方をメインターゲットに「苦手でもこれだけはやったほうがイイ!」というポイントをお伝えします。これにより読者の方の合格可能性を1%でも高められれば幸いです。
■使用教材と使い方について
私はそうだったのですが、受験生は合格者が使っていた教材が気になるものですよね。私が事例Ⅳ対策として使用した教材は、診断士ゼミナールの通信講座のほか、市販本はポピュラーなものばかりですが、書き出しておきます。
メイン教材
・診断士ゼミナール 2次基本講義+7年分の過去問解説講義(R2~H26年度)→「診断士ゼミ」
・事例Ⅳ(財務・会計)の全知識&全ノウハウ(同友館)→「全ノウ」
サブ教材(全て同友館)→「ふぞろい」
・ふぞろいな合格答案14、13、10年データブック
・ふぞろいな答案分析5
メイン教材は、診断士ゼミの講義動画により事例Ⅳの出題レベルを把握してから、診断士ゼミの過去問と、全ノウを4回転しました。2021年版の全ノウにはH18年度までの過去問のうち頻出テーマに関するものが収録されていました。これをやるだけでも相当な演習量になりますので、本当に時間がない場合は、全ノウに絞って何回転もする方法がベストと思われます。
全ノウのメリットは、1)短期間で実力が付きやすいテーマ別編集、2)違う問題に対しても「標準的な解法」で解説していて一貫性がある点です。他方、テーマ別編集ゆえ、事例Ⅳの本試験を乗り切るために最重要と言える「タイムマネジメント」が身に付かないという大きなデメリットがあります。このメリデメは、「本書の使い方」として全ノウにも書かれています。
私が購入した2021年度版の全ノウは、2021年4月に出ていました。1次試験の合格発表後は売り切れることもありますので、2022年度版を購入予定の方は、ネットで予約購入するか、書店で見つけた時に即買いをおススメします。(「ふぞろい」も同様です)
サブ教材は「ふぞろい」です。こちらは過去問演習用ではなく、1)「再現答案」や「ベスト答案」と自分の答案と見比べて「これくらい書けていればいいかな」という目安として、2)診断士ゼミや全ノウのセカンド(サード?)オピニオンとして使いました。 正解が公表されない2次試験ですが、事例Ⅳに特有の注意点として、「前提条件のあいまいさなどから設問解釈が複数考えられる場合がある」ため、各社の過去問集を見比べると解答アプローチはもちろん、解答値が異なる場合すらあります。また、記述問題の書き方も当然違います。
これは診断士ゼミの教えで事例Ⅰ~Ⅳに共通することなのですが、「いろいろ見比べる」ことで設問解釈や記述問題への対応力が身に付きますので、受験校を使っている方も他社の問題集や「ふぞろい」のサブ使用をおススメします。
■事例Ⅳだけは1次試験の勉強と並行すると後がラク!
診断士ゼミの「2次基礎講座」は2021年5月18日に配信されました。この時期は8月21・22日の1次試験まで残り3か月でしたから、講師からは「1次試験対策が十分でないなら、まず1次に集中、2次の勉強は1次試験後に取り組むべし」との指導がありました。私の状況としては、勉強開始からちょうど1年が経過した時期でした。
タキプロブログの情報や、診断士ゼミの基礎講座を受講した感触から判断すると、私の能力では事例Ⅳ対策を1次試験後から開始したのでは2次試験に間に合わないなと思いました。そこで、「1次試験の勉強はある程度仕上がっている」という自己暗示をかけ、事例Ⅳ対策だけは1次試験の勉強と平行して7月から開始することにしました。
1次試験が終わるまでは週末限定としましたが、この作戦はアタリで、1次試験後に事例Ⅰ~Ⅲの過去問研究をする時間的・精神的余裕ができました。事例Ⅳ対策は、1次試験の財務会計のファイナンス分野対策としても有効ですので、私は並行をおススメします。
■何から始めればよいのか
事例Ⅳの出題には、経営分析、NPV、CVP、CFといった頻出テーマがありますが、まず始めたのは第1問の「経営分析」対策です。過去問を見ると25点も配点がありました(2021年度は何と30点でした!)。そして出題のパターンも決まっているため、やるべきことは「勉強」ではなく「訓練」だなと思いました。
飽きるほど訓練して解法を体で覚えることにより、試験当日の緊張さえ解きほぐす効果があります。経営分析は事例企業の財務指標のうち、優れているもの、劣っているものを探し出すことから始まります。 取組み方として、1)事例企業と他社について収益性、効率性、安全性の各指標を全て計算する、2)事例企業と他社の売上高比から大まかに指標を捉え、答案に採用する指標を決めてから個別に計算するという2パターンあると思います。診断士ゼミでは1が、全ノウでは2が推奨されていました。
私は、電卓と友達になった上で(←この後説明します)、1)の全て計算する方法で「訓練」することに決めました。どちらも一度やってみて自分がしっくりくると思う方でよいのですが、訓練期間が必要なので、1次試験くらいまでにどちらかに決めるとよいです。
そして、2020年度までは財務指標を「3つ」選ばせるのが定番だったところ、2021年度は「4つ」選ばせる問題に変わりました。受験生は、収益性、効率性、安全性の3つの切り口を勉強するのですが、「4コって、あと1コ何?どうしよ・・・」と動揺した方もいたのではと思います。私は全て計算してメモしていたので、与件文をよく読んだ上で最適な指標をチョイスし、答案を作成することができました。 設問毎の得点は開示されませんが、私は事例Ⅳの52点のうち30点は経営分析がもたらしてくれたものと思っています。
もちろんNPV、CVP、CFの勉強もしましたので、「過去問なら解ける」ようにはなりましたが、これが初見問題となると歯が立たない場合もあります。しかし、100点を取る必要も、NPVの難しい問題をスラスラ解答できるようなトップクラスの方と勝負する必要もありません。「自分ができる問題をいかに落とさないか」が本当に大事です。
2021年度の場合、経営分析が満点なら30点/60点(合格点)になりますので、合格点が一気に近づきます。事例Ⅳの「基礎得点」を得るべく、経営分析を大切に、飽きるほど「訓練」してください!
■電卓は友達!私、失敗しないので!
私の経営分析の解法ですが、診断士ゼミの教えにより収益性は売上高総利益率(%)など6指標、効率性は総資産回転率(回)など5指標、安全性は流動比率(%)など5指標を「与件文を読む前に全て計算する」ことにしていました。このようにあらかじめ計算するやり方は、「計算に時間を要する」という弱みがあります。
例えば、売上高営業利益率と売上高経常利益率は、分子となる各利益の値は異なりますが、分母の売上高は共通です。経営分析の勉強開始の頃は、分子、分母の数字を一つずつ電卓に打ち込んで計算していましたが、値の見間違いや打ち間違いによるやり直しが多発、売上高の値も何度も打ち込むことになり、計算とメモだけで15分以上かかってしまって心が折れそうになりました。そこで、弱み克服のため、これまでよく理解していなかった電卓の「メモリー機能」を正しく理解して、迅速かつ正確に計算できるようにしました。
電卓のメモリー機能は、値を打ち込んで「M+」を押すとその値を覚えてくれ、「MR」を押すと覚えた値を呼び出すことができます。売上高の金額を打ち込んでから「M+」を押して値を覚えさせれば、営業利益÷MR(売上高)、経常利益÷MR(売上高)というように売上高を何度も打ち込むこともなく、順次、正確に計算していくことができます。
私はこのメモリー機能を使う電卓操作に習熟し、2次試験直前には、5分くらいあれば16指標×2列(D社、同業他社の2社分)=32個の計算をノーミスでできるようになり、他の問題を「考える」時間を捻出できました。私のように指標を全て計算する派の方はもちろん、NPVやCVPの計算でもメモリー機能は大活躍しますので、ぜひ電卓と友達になってください!
■本試験のタイムマネジメント
私は、2次試験の模試は受けていません。しかし、本試験の2週間前の日曜日、令和2年度の過去問を本試験と同じ時間帯で解く、「セルフ模試」を行って当日のタイムマネジメントを最終決定しました。
具体的には、最初の1分で問題冊子の表紙を剥がしてメモ用紙を作り、問題文、設問、配点にひととおり目を通し、次の5分で財務指標を全て計算してメモ用紙に記載するという段取りにしました。試験当日は、いきなりバンバン電卓を叩くという受験生は私くらいしかおらず、少し恥ずかしかったのですが、日頃の訓練どおり無心で行うことにより落ち着くことができました。残りの問題は取組み易そうなものから埋め、「とにかく何か書いて爪跡を残す」ことを意識しました。
80分を振り返ると、第1問(経営分析)をまずカンペキに!→第4問(記述問題)→第3問(CVP)の設問1→第2問(NPV)の設問1→第3問、第2問の残りの問題(問題の意味が分からず悲しくなるが、空欄を作らず何かは書いた)→検算(2回)の順に取り組みました。
■おわりに
2次筆記試験直後の心境ですが・・・事例Ⅳがダメ過ぎて不合格だと思っていたため、試験後は2022年度の2次試験に向けた事例Ⅳの強化対策ばかり考えていました。12月には、うわさの「イケカコ」を購入して週末に問題演習を開始、リベンジを誓ったほどです。そんなこんなで、合格を知った時には本当に驚きました~。
自己紹介もあって記事が長くなってしまいましたが、いかがでしたでしょうか。タキプロの勉強会・セミナー・ブログを活用して、2022年度試験、ぜひ合格を勝ち取ってください!
次回はににさんの登場です。
お楽しみに!
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