ラスボス「事例Ⅳ」を攻略せよ by ライズ
読者の皆様、いつもブログを読んでくださりありがとうございます。
タキプロ13期のライズです。今回で3回目の登場となります。
1次試験まであと1か月程度に迫っているなか、2次試験の事例Ⅳの話題で申し訳ない部分もありますが、予習も兼ねて是非最後まで読んでくださると嬉しいです。
私は金融機関に勤務していることもあり、事例Ⅳは得意分野ではあったのですが、最初の1・2回目は「B」評価でした。これが合格した年の事例Ⅳは「A」評価になったのですが、そのコツについて伝えていきます。まだ事例Ⅳを受験したことない方も、既に受験したけどもなかなか「A」評価が取れない人も是非最後まで読んでくださると嬉しく思います。
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■「経営分析」を極めることが「A」評価への近道
読者のみなさまのなかには、事例Ⅳの過去問等を解いてみて、こう思っている方はいませんでしょうか。
「1問目の経営分析はまだ何とかなるんだけど、2問目以降は全然自信ない。」
実は、これが落とし穴である可能性が高いです。事例Ⅳは兎にも角にも1問目の「経営分析」が重要です。この問題で着実に満点近い点数を稼げないと「A評価」どころか足切りの可能性まであります。私も、最初はこの1問目の経営分析がそこまで難しくないと思い、甘く考えていました。それが、「B評価」となってしまった原因だと今では思っています。
「経営分析」を解くポイントは以下の4つです。
① 「収益性」「効率性」「安全性」の財務指標から1つずつ使うべし。
② 与件文から読み取れる会社の強み・弱みから指標を選択せよ。
③ 「売上高総利益率」「売上高営業利益率」「売上高経常利益率」の違いにこだわれ。
④ 時間をなるべく使わない。困ったら安全性の指標は「自己資本比率」に頼れ!
では、1つずつ見ていきましょう。まず、①ですがどの予備校や教科書にも「収益性」「効率性」「安全性」から1つずつ指標を選ぶと良いというアドバイスをしているかと思います。知らない読者の方がいたら絶対に覚えておいてください。ただし、問題はここからです。よく、予備校の解答例などを見ると、ほぼ全部の指標の分析が書いてあって「改善されている」とか「悪化している」等と載っていませんでしょうか。間違いなくこんな様々な指標を試験本番で計算している余裕はありません。
そうなると、どの指標を解答として選択するのかがポイントになりますが、その際に重要となるのが②のポイントである、与件文から読み取れる会社の強み・弱みです。「A評価」をもらえている受験生の大半は「与件文を読みながら使う指標を決めています」。これは非常に重要なポイントです。例えば、与件文に、『ブランド価値がある商品』と書いてあれば、「=売上高総利益率が高い」ことが予想できます。同じく『在庫が余っている』と書いてあれば、「=棚卸資産回転率が低い」のではないかと目星がつくのです。他にも『借入金が多い』と書いてあれば「=自己資本比率が低い」などがあります。与件分で予測した指標をピンポイントで計算すれば、効率よく高得点に近い解答が得られるでしょう。
一見、間違っていなければどの指標を使ってもよいと思いがちですが、与件文にあった指標を選択しないと部分点に収まってしまうケースが多いです。得点源にしたい1問目を部分点だけに留めてしまってはもったいないですよね。
次に③のポイントですが、例えば収益性の指標である、「売上高総利益率」「売上高営業利益率」「売上高経常利益率」が全て改善されている場合等にどの指標を解答にすればよいのか迷うケースがあります。この場合も大切なのは与件文です。効率化を図り人件費を抑えられているなら「売上高営業利益率」を使うべきですし、原価を抑えているのであれば「売上高総利益率」を解答にしたほうがよいでしょう。収益性の指標1つとってもどれを使うかまでしっかりとこだわってください。
④は蛇足ですが、もし安全性の指標でどの指標を使ったらいいか迷った場合は、「自己資本比率」を計算してください。その理由は、流動比率、当座比率、固定比率等は当日のテストで緊張しているなか、場合によっては使う項目を間違えてしまう可能性があります。その分、自己資本比率は計算がシンプルなのと、結構な確率で解答として成立するケースが多いので、困った時に是非使ってください。もちろん、問いと計算結果が整合している場合のみですけどね。
■ 2問目以降は解く順番を意識しない
さて、1問目以外は何が出題されるのか想像できないので、タキプロの他のかたのブログ等も参考にしながら、幅広く対策してほしいとしか言いようがありません。アドバイスできるとしたら、解答の順番にこだわらないことです。事例Ⅳは2問目が超難問で、3問目の方が取組みやすいケースも多々あります。また、最終問題は、短い文章で解答するケースも多く、先に解いて最低でも部分点をもらいにいくことも検討しましょう。
私は、令和3年度の試験で2問目を飛ばしたことが勝因だったと思っています。実は30分程度残して後は2問目だけという完全な勝ちパターンだったのですが、残りの時間全てかけても2問目は全然解けませんでした。ギリギリ「A」評価は取れましたが、順番に問題を解いていたら結果は違ったものになったかもしれません。
■部分点をもらう意識が大切
最後のアドバイスですが、「1点でも多く部分点をもらう意識」が大切です。もちろん、途中の式をしっかり書くことも大切ですし、難問でも意外に「①と②どちらの施策をとるべきでしょうか」といった聞かれ方の問題もあります。さっぱり答えが分からない場合でも、「①」か「②」は必ず書きましょう。これをしていない受験生が結構多いと聞きます。答えだけ当たってた場合に何点もらえるのかはわかりませんが、その点数が合否を分けるかもしれません。
■おわりに
事例Ⅳは長い中小企業診断士の最後の科目です。1次試験から数えれば3日目の最後。受験生は、ほとんどHPが残っていない状態なのに対して、頭をフル活用しなくてはいけない事例Ⅳはまさにラスボスにふさわしい存在といえるでしょう。
繰り返しますが、リズムに確実に乗るためにも1問目の経営分析は確実に点数をとっていきましょう。何年かに1度、1問目に経営分析がこない年もありますが、その時は自分だけでなく、全受験生が真っ白になっていると考え、冷静に問題を読んでいけば大丈夫です。みなさまの合格を心から願っています。
次回は、ぱくちーさんの登場です。お楽しみに!
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