事例Ⅳは時間が足りない?実際にぼくが乗り切った方法を伝授 by matsu
読者のみなさん、こんにちは。
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目次
■はじめに
まずは自己紹介をさせてください。
年代/性別:33歳/男性
職種:マーケティング
受験歴:[1次]2回 [2次]1回
試験結果(2次試験):[事例Ⅰ]63点、[事例Ⅱ]70点、[事例Ⅲ]66点、[事例Ⅳ]64点
勉強方法:[1次]スタディング [2次]TAC(DVD)
得意科目:[1次]企業経営理論・運営管理 [2次]事例Ⅱ・Ⅲ
■事例Ⅳは時間が足りない?
多くの受験生の方がお困りなのではないでしょうか?1次試験の財務・会計と同様、事例Ⅳを制限時間内に全て解き切ることはハードルが高いです。
実際、ぼくも過去問や問題演習では何とか80分以内に解き切ることができていましたが、本番では解き切ることはできませんでした。
しかし、上で記載した通り本番の事例Ⅳの得点は64点であり、全て解答する事はできずとも合格点を取ることができました。
■どうすれば良いのか?
ぼくがどのように事例Ⅳに臨んでいたのかを皆さんにお伝えしたいと思います。
先に結論を申し上げると、「取捨選択すること」です。
まずは事例Ⅳの出題内容を見てみます。
- 経営分析
- CVP
- 意思決定会計(NPV)
- セグメント別会計
- キャッシュフロー分析
- その他
次に2021年(令和3年)事例Ⅳの問題構成です。
[問題構成(2021年)]
問題 | 出題内容 | 設問数 | 配点 | 難易度(個人的感想) |
第1問 | 経営分析 | 2 | 30点 | 低-中 |
第2問 | NPV | 3 | 30点 | 高 |
第3問 | CVP | 2 | 20点 | 中-高 |
第4問 | 企業価値 | 2 | 20点 | 低-中 |
上記は2021年の内容ですが、毎年出題内容は大きく変わらず、第1問目に経営分析が出題され、その後にNPV/CVP等が出題されていることが多いです。
ぼくは確実に得点が見込める第1問(経営分析)と第4問(企業価値)から解き始め、その後余った時間で第2問・第3問を部分点狙いで解きました。
ポイントは、①経営分析は確実に得点する、②記述問題は必ず解き切るの2つです。
※NPVやCVPの勉強はする必要がないということを言いたいのではありません。
■経営分析は確実に得点する
これは皆さんも聞かれたことがあるでしょうし、意識して取り組まれているのではないしょうか。
受験予備校の先生、合格者、その他ほぼ全員が口を揃えていうことかと思います。それだけ大事ということです。
問題構成で見ていただいた通り、第1問で出題された経営分析の配点は30点であり、配点は高いと言えます。
「確実に得点すると言っても、それができないんだよ…」という方もいらっしゃるかもしれません。
ここは今からでも得点源にすることができるので安心してください。ぼく自身特別な対策はしていないですが、以下の基本的な事項を守って解答をすることで安定的に得点を取ることができました。
- とりあえずで計算しない。ヒントは全て与件文に書かれている。
- 効率性・収益性・安全性の3つの観点で構成する。
- 記述解答は簡潔に「原因と結果」を記載する。
それぞれ見ていきましょう。
1に関しては、与件文から推察する癖をつけることが大事です。しっかりと与件文の中にヒントが書かれています。
例えば、
(令和3年 第1問 与件文)
ところが 2000 年代に入ってからは地元住民の高齢化や人口減少に加え、コンビ ニエンスストアの増加、郊外型ショッピングセンターの進出のほか、大手資本と提携 した同業他社による低価格・大量販売の影響によって顧客獲得競争に苦戦を強いられ、徐々に収益性も圧迫されてきている。
→このように書かれているのであれば、優れている点として収益性を示す指標を選択することに違和感が出るため、課題として挙げるべき。収益性は①売上高総利益率や②売上高営業利益率が候補として考えられるが、①は計算すると課題感があるわけではなく、②は課題感があるので②を選択する。
2に関しては、ご存知の方も多くいらっしゃるかと思いますが念のため整理しておきましょう。
分類 | 指標 | 単位 | 式 |
効率性 | 総資本回転率 | 回 | 売上高÷総資本 |
棚卸資産回転率 | 回 | 売上高÷棚卸資産 | |
固定資産回転率 | 回 | 売上高÷固定資産 | |
有形固定資産回転率 | 回 | 売上高÷有形固定資産 | |
売上債権回転率 | 回 | 売上高÷売上債権 | |
収益性 | 売上高総利益率 | % | 売上総利益÷売上高×100 |
売上高営業利益率 | % | 営業利益÷売上高×100 | |
売上高経常利益率 | % | 経常利益÷売上高×100 | |
売上高売上原価比率 | % | 売上原価÷売上高×100 | |
売上高販管費率 | % | 販管費÷売上高×100 | |
安全性 | 流動比率 | % | 流動資産÷流動負債×100 |
当座比率 | % | 当座資産÷流動負債×100 | |
固定比率 | % | 固定資産÷自己資本×100 | |
固定長期適合率 | % | 固定資産÷(固定負債+自己資本)×100 | |
自己資本比率 | % | 自己資本÷総資本×100 | |
負債比率 | % | (流動負債+固定負債)÷自己資本×100 |
3に関しては、解答の「型」を身につけましょう。「原因と結果」で締めると纏まりが良くなります。
例)顧客対応の費用負担が大きいため収益性が低い、借入金が多いため安全性が低い
■記述問題は必ず解き切る
2つ目のポイントです。必ず解き切りましょう。令和3年に実際に出題された内容を見てます。
[第4問]
(設問1)移動販売事業をネット通販事業に一本化することによる短期的なメリットについて、財務指標をあげながら40字以内で述べよ。
(設問2)D社の経営者は移動販売事業を継続することが必ずしも企業価値を低下させるとは考えていない。その理由を推測して40字以内で述べよ。
何だか深く与件文を見ずとも解けそうな気がしませんか?
ぼくの実際の解答はこちら↓です。
[再現答案]
(設問1)
トラックの売却で長期負債が減少する為、負債比率が減少すること。
(設問2)
地域貢献の姿勢を示すことで、顧客評価が向上し、顧客の離反を抑制できるため。
確かに、いきなり第4問から解き始めたらちょっと難しいかもしれません。が、第1問で大枠の経営状況を掴み、第2/3問の与件文を斜め読みするだけでも何となく解答の方向性が想像できちゃいます。
■時間が足りない問題を解決することよりも、足りない時間の中でいかに得点を取るかを考える
ここまでご紹介してきた通り、ぼくは第1問の経営分析と記述問題を優先的に解き、NPVやCVPでは始めから部分点狙いで解くことで合格点を取ることができました。
2次試験までの限られた日数の中で、計算の速度を速くして問題を解き切るトレーニングをする事は効率的ではないと思います。
足りない時間の中でいかに得点を取るかを考えて戦略を練っていきましょう!
■おわりに
次回は一陽人さんの登場です。
お楽しみに!
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