1番たいせつなこと(事例Ⅰ)by うじょん

事例Ⅰ

読者のみなさん、こんにちは。

タキプロ14期のうじょんです。

中小企業診断士の2次筆記試験 について

「最終的に大事なポイントは何なのでしょうか?」 

この記事では、私が作成した「ファイナルペーパー」に記載した最重要ポイントに、ブログ用に解説を付けてまとめた内容をお伝えします。事例Ⅰの全体像把握やご自身のファイナルペーパー作成にあたり参考になるところがありましたら、自由にカスタマイズして活用いただければと思います。

■ファイナルペーパーとは?

受験生

ファイナルペーパーってそもそも何でしょうか?

うじょん

ファイナルペーパーはその事例学習の総集編として情報を整理して作成したペーパーです。

事例Ⅰの会社の社長に助言・提案するための心構え、知識の中で自分が最も大切と考える内容をまとめたものです。私は2次試験の事例に挑むためのお守りと考えていました。

試験本番にもちこんで休憩時間の約20分程度(紙面3枚程度)※で見直せるものにしていましたよ。

※ 事例と事例間の休み時間は短くて40分。男性の場合、トイレの待ち時間が長くなることがあります。待ち時間もファイナルペーパーを見ながら待っている人を見かけますが、休み時間全体の半分の20分ほどで見直しができる量にしておくことが適量でしょう

■事例Ⅰに向けた心構えと解答手順

わたしのファイナルペーパーは「心構え」から記載しています。試験当日の開始時間前に緊張の中、心を落ち着けるための「ことば」を書きました。また、いつもの過去問練習の時と同じやり方を崩さないようにするため、解法手順も身体が覚えていますが念押しのために記載しています。

事例Ⅰ試験に向けた心構え

  • 絶対に受かる実力をもっているので大丈夫。自分を信じること。
  • 最初の試験。時間に注意して60点以上の解答を確実にしよう。
  • 変な迷いやこだわりはすてて思い切って書く
  • 難問は必ず来る!!自分のペースは乱さない。難問は最後に解く。

まずは試験会場での心構えについて心を落ち着かせるために書いています。
最後は自分を信じることが大事になります。

「絶対に受かる」と強い気持ちをもって試験に臨みましょう。

事例Ⅰは最初の試験になりますので緊張があるかもしれません。
初見問題ですのでどうしても過去問練習と比較すると、時間がかかります。
また、事例Ⅰは問題の趣旨がよく理解できない場合があり、解答用紙へなかなか解答を書けないことがあります。

時間に注意して思い切って書くという強い気持ちを持ちましょう

事例Ⅰは設問の解釈が難しく何を問われているのかが明確ではない難問が必ずでます。
難しい問題が出た場合、自分だけが難しいわけではないので、自分のペースを乱さず難問は最後に解くようにしましょう。

事例Ⅰの解答手順

中小企業診断士試験の2次試験は解答の型をしっかり作ることが大切です。

解答の型は人それぞれで自分にしっくりくるやり方があると思います。私も事例ごとにしっくりくるやり方ができるまで試行錯誤しました。2次試験を3回受験しましたが、最終的に事例Ⅰの型となったやり方を参考に記載します。みなさんもみなさんなりのやり方をぜひ見つけてください。

  1. 受験番号を記載しましょう(忘れずに!)
  2. 与件文に段落をふりましょう(~2分)
  3. 設問文を読みましょう(~累計10分)
    • その際、青色ペンで制約事項に☆印をつける
    • 問題のレイヤーを確認する
      1. 経営戦略レイヤ
      2. 組織構造レイヤ(組織形態・5原則)
      3. 組織活性化レイヤ(組織文化・高次学習)
      4. 人的資源管理レイヤ
    • 答えを想像して関連するキーワードやメリデメを設問文に記載する
    • 解答の型を記載する 例:A社の強みは①~、②~、③~である。
  4. 与件文を読みはじめましょう(~累計20分)
    • 赤色ペンで強み・機会などポジティブな表現をチェック
    • 特にキーワードとして引っかかる内容は緑色+☆マークを付ける
    • 青色ペンで弱み・脅威などネガティブな表現をチェック
    • 社長の想いなどは緑色二重線を引く
    • 事例Ⅰは各設問によって段落が分かれており、設問と段落を紐づけやすい
    • 設問に紐づく段落が出てきたら、設問文に段落番号を記載しましょう
  5. 解答を解く設問順の優先度をつけましょう(~累計25分)
    • 設問1と最終問題は同じ戦略問題かどうか確認しましょう。
    • 同じ戦略問題の場合、設問1を解いた後に最終問題を解くと、設問1で答えた強みや機会を活用した今後の戦略をセットで解答することができ、より統一感のある解答作成ができますので訓練してみてください。
  6. 設問を解いて解答を書きましょう(~累計75分)
    • 1問あたり約7分を目安にする 8分×5問+5分=40分+5分(予備時間)
      解答は合計40分~50分を目途に解答
  7. 記載した解答を読み直して一部修正しましょう(~累計80分)

最後にもし時間が余ったら解答の見直しをしましょう。

事例全体を80分で解けるように時間をかならず計って過去問練習をやりましょう。

■事例Ⅰの特徴と攻略法 10選

ファイナルペーパーに記載した事例Ⅰのとても大事な試験攻略ポイントを記載します。

①基本は差別化集中戦略

事例Ⅰの企業は中小企業です。経営資源が限られる中、差別化集中戦略でニッチ市場で他社と差別化を図り、高付加価値な商品やサービスを提供していくことが大きな戦略であることが多いです。これを忘れてはいけません。

②人事・組織の設問だけど戦略も大事

事例Ⅰは人事・組織に関する設問ですが、戦略系の設問が最近は多いです。

チャンドラーの「組織(人事)は戦略にしたがう」が基本だからです。組織(人事)の問題は戦略をどうしていくべきかにマッチした対策にしないといけません。与件文に記載されている事例Ⅰの企業の状況をどのように改善していきたいと社長は考えているのか?この戦略を無視した組織構造や人事施策を提案しても受け入れがたいので注意しましょう。

③与件文からの抜き出し問題は優先度”高”

与件に答えがあります。答えになりそうなキーワードがたくさんある場合もあります。その中から特に設問の答えとして適しているキーワードを抜き出しましょう。

④「強み」と「環境変化」が重要

設問1でよく問われるのが、「強み」と「外部環境の変化」です。

時系列で事例Ⅰの企業の歴史や現状に至るまで背景が記載されます。
これは、存続の危機や事業拡大の機会などの外部環境変化に対して内部環境がどのように追従できたのか、またはできていないのか?に注目して与件文を読みましょう。

そして、設問はどの時期の内部環境「強みや弱み」のことを聞いているのか?
または外部環境「機会や脅威」のことを聞いているのか?をきちんととらえて解答することが大切です。

⑤事例のテーマを決める

その年の事例Ⅰの問題全体のテーマを決めると、各設問の解答がぶれず全体的に統一した解答が書けます。ぜひ全体統一した解答を書くのが苦手な人は、全体的に何をテーマにしているのか?を意識してみてください。

例えば「人材の多様化と組織活性化」などのテーマの問題などがあげられます。
最近の事例では最も大きなテーマは「事業拡大」「事業存続」「事業承継」が多いですね。

⑥思いつきのキーワード禁止

答えは必ず与件文にあります。

思いつきでキーワードを追加しないでください。与件文に寄り添ってください。

これは出題者に「私は与件文にしっかり寄り添った解答をしていますよ」のアピールです。

与件文にあるキーワードを使う、これは基本ですのでぜひ練習しましょう。

⑦助言問題は必ず効果を書く

中小企業診断士として、助言を求める問題が必ず出題されます。

その場合、企業のアクションだけを提案するのではなく、そのアクションを実施したら
どのような効果があるのかをそっと最後に記載します。

⑧事例Ⅱになりすぎないよう注意

事例Ⅰはあくまで人事・組織の問題です。

事業環境について聞いてくるマーケティング的な要素を求める問題もあります。

ただ、事例Ⅱのマーケティングの解答のようになることを避けるために、どんな問題の解答でも人事的な要素、組織的な要素を与件文のキーワードを活用してつけてください。

⑨繰り返しやわざとらしいキーワードに注意

与件文の中で、わざわざ『』をつけているキーワードや、繰り返し使われるキーワード解答に使ってほしいと暗に示されています。どうしても使いづらいキーワードを無理に使う必要がありませんが、解答の中で使いたいキーワードとして『』や繰り返しキーワードがマッチしたらうまく取り入れて解答をつくりましょう。

⑩事例Ⅰのストーリー作りの方法

事例Ⅰで解答を作る際に参考になる基本的な考え方です。
この基本的な考え方に沿うように解答を作ることがとても重要です。

・強みは、活かす

・機会は、つかむ

・弱みは、克服する

・脅威は、避ける

・社長の想いは、叶える

・顧客の要望は、応える

・従業員は、士気づける

・組織は、活性化する

■メリット・デメリット集

事例Ⅰの問題を解くのによく使われる1次試験の知識をまとめています。
覚えやすいように箇条書きにしていますので、ぜひメリット・デメリットの双方を一度に覚えていきましょう。

メリットデメリット
多角化・関連多角化の場合、既存事業とのシナジーを獲得
・新たな事業分野に進出することで経営リスクを分散
組織スラックを活用できる
・既存事業とのシナジーが薄く強みを活かせないと経営資源が分散
事業ドメインの拡大・顧客ニーズへの対応、経営リスク分散、既存事業とのシナジー・経営資源の分散、競争激化
先発企業・後発企業に対して心理的な参入障壁を構築
イノベータ層を取り込める
経験曲線効果が得られる
技術開発費、広告宣伝費がかさむ
・市場に受け入れられるか不確実な点
後発企業・市場の不確実性を見極めて参入できる
・すでに市場が創出されているため、技術開発費や広告宣伝費を抑制
・先発企業に参入障壁を構築される恐れ
経験曲線効果が働かないためコスト的に不利
機能別組織専門性を発揮できる
役割分担が明確化
規模の経済が追及できる
組織の統制がとりやすい
・トップの負担が大きく意思決定に遅れが生じる
全社的管理ができる人材の育成が困難
事業部制組織トップが戦略に専念
現場の状況に即応
次世代の管理職を養成できる
短期的判断になりがち
機能重複しコストが高くなる
・事業部間のセクショナリズムが生じやすい
カンパニー制組織分権化により経営責任が明確化
迅速な意思決定ができる
トップの起業家精神を醸成できる点
・カンパニー間の連携がとりにくい
・発言力が強くなりすぎ、本社に逆らえなくなる
持株会社・事業リスクの影響を一定範囲に限定
部門に応じた労務条件とできる
・部門の業績を明確化
・被持株会社間で経営資源が重複
・持株会社は被持株会社の事業運営には関与できない
マトリックス組織・機能別組織と事業部制組織のいいとこどり
人的資源や情報が共有できる
範囲の経済が得られる
ワンマンツーボスの状態になる
管理者による権力争いが生じる恐れ
成果主義・比較的少ない費用で意欲向上が図れる・公平性、透明性の確保
・評価者と被評価者の十分な意思疎通
・基準や手続きなどの十分な説明

■よく使う事例Ⅰのフレームワーク3選

もう耳タコかもしれませんが、事例Ⅰのおなじみのフレームワークを3選。

ファイナルペーパーにはおまじないのように記載していました。

実際に試験問題に人事関連の設問が出た場合は、すぐに問題用紙に「さちのひも」、組織構造の設問があれば「けぶかいねこ」を記載しました。

①さちのひも(人事施策)

採用・配置の「さ」:経験者の中途採用、適材適所の配置、非正規社員の正規社員登用

賃金の「ち」:成果主義的な給与体系

能力開発の「の」:OJT、Off-JT、外部研修、CDP、訓練

評価の「ひ」:成果主義、公平性や透明性のある評価、目標管理制度

モチベーションの「も」:上記の結果、社員の士気、組織のモラールの向上を図る

②けぶかいねこ(組織構造施策)

権限移譲の「け」:~について権限移譲を図る

部門の「ぶ」:事業部制組織、機能別組織、専門部署の設置

階層の「かい」:フラット化(ただし、中小企業ではフラット化はほとんどしない)

ネットワークの「ね」:外部連携、産学官連携

コミュニケーションの「こ」:会議体の設置、意思疎通の向上

③SECIモデル(暗黙知の形式知化)

・共同化:経験を通して暗黙知を他者に受け継ぐ

・表出化:例えば職人の技術をマニュアル化するというように個人が所有する暗黙知を言語化したり図や表にすることでメンバーと技術を共有するプロセス

・連結化:マニュアルを他の部署の視点を加えて整理する
形式知に別の形式知を組み合わせる

・内面化:マニュアルに書かれていることを覚えてマニュアルなしでもできるようにするなど形式知を個人の行動に落として暗黙知化する

■おわりに

今回は私の事例Ⅰのファイナルペーパーを元に、事例Ⅰの最重要ポイントをまとめました。

ファイナルペーパーは試験当日のお守りとして、休憩時間20分に今までの勉強した内容を
さらっとおさらいして、緊張を解きほぐすのにも効果があります。
ぜひ自分なりのアレンジをして、ファイナルペーパーを作成することをおすすめします。

みなさんの事例Ⅰの学習にお役にたてられればと思います。

ここまで長い文章を読んでいただきましてありがとうございました。 うじょん


次回はうにさんの登場です。
お楽しみに!

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
みなさんの合格をお祈りしています! バナーをクリックしていただけると、とっても嬉しいです。
(診断士関連ブログの人気ランキングサイトが表示されます[クリックしても個人は特定されません])

にほんブログ村
皆様の応援がタキプロの原動力となります。
ぽちっと押して、応援お願いします♪

タキプロ中小企業診断士 WEB勉強会の参加申請はこちら↓

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です