【文具研】2次試験用文具の小ネタ3題 Byかものしか
読者のみなさん、こんにちは。
タキプロ14期のかものしかと申します。
今回は「タキプロ文具研」としてブログを書きました。
■はじめに
「タキプロ文具研」とは、「道具のアプローチから受験生の合格率を1%でも高めていく」というコンセプトで活動している、タキプロ14期内のユニットです。
過去3回の記事はこちらです。
第1回:タキプロ文具研#1 文具は受験生を救う? おすすめ文具3選。byあっさ
第2回:【文具研】2次試験は文具選びから始まる! byよんてん
第3回:【タキプロ文具研】#3 ”文具研的”中小企業診断士試験の傾向と対策
今回はタキプロ文具研の第4回として、私が昨年の2次筆記試験で使用していた文具の小ネタを3つご紹介します。
Ⅰ.シャープペンシルは0.5mmと0.3mmのどちらを使うべき?
Ⅱ.本格実務電卓のメリットとデメリット
Ⅲ.ホルダー式消しゴムのすすめ
Ⅰ.シャープペンシルは0.5mmと0.3mmのどちらを使うべき?
最初に結論から書くと、解答用紙への書き込みに関しては、0.5mmと0.3mmとに有意な差はありません。自分が日頃から使いやすい方を使えばOKです。
1.私が使用しているシャープペンシル
私は、昨年の2次筆記試験では、クルトガアドバンス アップグレードモデル(三菱鉛筆)の0.5mmを使用しました。
元々は、同じ三菱鉛筆のクルトガ0.5mmを長年使用していましたが、中小企業診断士2次試験では短時間に大量の文字を書く必要があるため、2次試験対策の勉強開始を機に、クルトガアドバンス アップグレードモデルの使用を開始しました。
ちなみに、最初は同じアップグレードモデルの0.3mmを購入したのですが、使用開始から一週間弱で芯詰まりが発生し、そのまま使用不能となったため再度0.5mmを買い直しました。
また、2次試験合格後の今年5月には、オレンズネロ(ぺんてる)の0.3mmを追加で購入しました。
オレンズネロは、0.3mmでも本当に芯が折れず、また使用開始から4カ月で芯詰まりが一度も発生していません。
現在は0.5mm(クルトガアドバンス アップグレードモデル)と0.3mm(オレンズネロ)の2本を用途によって使い分けています。
0.5mmの用途 | ・インタビューの速記など、素早くノートやメモを取りたい時用 ・シャープペンシル使用時の使用割合は多め(8~9割) |
0.3mmの用途 | ・丁寧にノートやメモを取りたい時用 ・シャープペンシル使用時の使用割合は少なめ(1~2割) |
2.検証 2次筆記試験における0.5mmと0.3mmの違い
(1)仮説の立案
今回、手持ちのシャープペンシル2本を使って検証を行うに際して、以下の2つの仮説を立ててみました。
●仮説1:マス目への解答の記述では、0.5mmの方が速く書ける
●仮説2:事例Ⅳでの計算過程の記述では、0.3mmの方が多くの量を書ける
(2)検証その1 マス目への解答の記述時間の比較
①測定内容
令和元年度~4年度の事例Ⅰ~Ⅲ、合計10事例を題材に、事例単位で交互に0.5mmと0.3mmのシャープペンシルでAASの解答用紙に解答を書いて、所要時間を比較してみました。
使用した芯の濃さは、0.5mm、0.3mmともにBです。
同じ事例を用いて比較しなかった理由は、全て私(同一人)が書いており、同じ事例を2回書いた場合は2回目の方が早く書けるバイアスが働くと考えたからです。
解答を書いた事例の順番と、使ったシャープペンシルの芯の太さ
順番 | 事例 | 芯の太さ |
1 | 令和4年度事例Ⅰ | 0.5mm |
2 | 令和4年度事例Ⅱ | 0.3mm |
3 | 令和4年度事例Ⅲ | 0.5mm |
4 | 令和3年度事例Ⅰ | 0.3mm |
5 | 令和3年度事例Ⅱ | 0.5mm |
6 | 令和3年度事例Ⅲ | 0.3mm |
7 | 令和2年度事例Ⅰ | 0.5mm |
8 | 令和2年度事例Ⅱ | 0.3mm |
9 | 令和2年度事例Ⅲ | 0.5mm |
10 | 令和元年度事例Ⅰ | 0.3mm |
②測定結果(マス目100字あたりの記述秒数)
令和4年度事例Ⅰだけ他の事例より時間がかかっていますが、これは、最初に書いた事例であり書き慣れずに時間がかかったためです。
●0.5mmでのマス目100字あたり記述秒数
令和4年度事例Ⅰ | 217.8秒 |
令和4年度事例Ⅲ | 189.8秒 |
令和3年度事例Ⅱ | 187.1秒 |
令和2年度事例Ⅰ | 185.8秒 |
令和2年度事例Ⅲ | 185.3秒 |
●0.3mmでのマス目100字あたり記述秒数
令和4年度事例Ⅱ | 182.2秒 |
令和3年度事例Ⅰ | 193.9秒 |
令和3年度事例Ⅲ | 199.4秒 |
令和2年度事例Ⅱ | 160.8秒 |
令和元年度事例Ⅰ | 180.7秒 |
③測定結果のt検定による評価
●帰無仮説H0:0.5mmと0.3mmでは書く時間に差が無い
●対立仮説H1:0.5mmと0.3mmでは書く時間に差がある
●有意水準α:0.05
●t検定の条件:両側確率、2つの母集団の分散が等しくない(ウェルチの検定)
※エクセルt.test関数での設定は、尾部:2、検定の種類:3、とします。
●p値(エクセルt.test関数での計算結果):0.31
p値(0.31)>有意水準α(0.05)なので、帰無仮説H0は棄却されず、0.5mmと0.3mmでは書く時間に差があるとはいえません。
④考察
日常のシャープペンシル使用時には0.5mmの方が速く書けているのですが、2次試験の解答では書く速さに有意差がないという結果になりました。
この理由として考えられるのは「日常の筆記ではノートの罫線などを気にせず殴り書きで速記しているが、2次試験の解答ではマス目の中に収めて書く必要があり、また採点者が読めるように書く必要があるので、日常の筆記よりも丁寧に書かざるを得ないため。」だと思います。
なお、解答メモへの下書きに関しては、殴り書きの速記でも自分が読めるのであれば、0.5mmの方が有利かもしれません。
(3)検証その2 事例Ⅳでの計算過程の記述の比較
①検証内容
令和2年度事例Ⅳの第2問を題材に、0.5mmと0.3mmのシャープペンシルでAASの解答用紙に解答を書いて、0.3mmの方が多くの量が書けるかを比較してみました。
使用した芯の濃さは、0.5mm、0.3mmともにBです。
※書いた解答の内容は、昨年の受験生時代に書いた解答の転記であり、模範解答ではありませんのでご注意ください。
②検証結果
こちらは定性的な評価になりますが、0.5mmと0.3mmとでは、解答用紙に書ける量自体に大きな差はありませんでした。
ただし、体感的には0.3mmの方が細かい漢字や数字が書きやすかったかもしれません。
●0.5mmでの解答
●0.3mmでの解答
(4)結論
最初に書いたとおり、解答用紙への書き込みに関しては、0.5mmと0.3mmとに有意な差はありませんでした。ご自分が日頃から使いやすいと思う方の使用をお勧めします。
Ⅱ.本格実務電卓のメリットとデメリット
元々私は技術職だったこともあり、電卓は20代の頃からカシオの関数電卓FX-991Hを愛用してきましたが、中小企業診断士2次筆記試験では関数電卓が使用できないため、試験用の電卓を購入しました。
●2次試験案内に記載されている電卓の条件
1)使用できる電卓はいわゆる携帯用電卓で、右の図に例示する機能のような四則計算(加減乗除)、√、%、数値メモリなどの単純な計算機能を持つものです(サイズはおおよそ縦180ミリ、横100ミリ、高さ30ミリ以内程度)。机上に1台だけ置くことができます。 2)次のような電卓の使用は禁止します。 a.関数電卓 b.プログラムの入力機能や記憶機能を持つもの c.電子手帳・携帯電話などに付属する電卓 d.記録紙の出るもの e.他の受験者の妨げになるような音の出るもの f.電源コードを使用するもの 3)上記基準に適合するかどうかは監督員が判定し、適合しないものは使用も机上に置くことも禁止されます。その場合でも、電卓を貸与しません。なお、a~dについては不正行為として対処します。 |
1.最初に買った電卓(カシオMW-12GT)
最初に買ったのは、インターネット上で診断士2次試験用として紹介されていた「カシオMW-12GT」です。買ったのは昨年の6月頃です。
●サイズ:145×103×30.7mm
●重量:110g
この電卓を、昨年8月の1次試験後から2次試験の勉強用に使い始めたところ、以下の理由から使いにくいと感じました。
①私の購入した個体は底面2箇所のゴム足の高さがふぞろいで、使っているとガタついたり動いたりすること。
②「MC」キーと「MR」キーが分離されずに「MRC」キーとなっていること。
2.後から買った本格実務電卓(カシオJS-20DC)
そこで、8月下旬頃に本格実務電卓「カシオJS-20DC」を新たに購入し、こちらをメイン機として使うことにしました。
●サイズ:174.7×107×24.2mm
●重量:210g
2次筆記試験本番でも「カシオJS-20DC」を使用しましたが、その時感じたメリットとデメリットは以下のとおりです。
(1)メリット(カシオMW-12GTと比較して)
①キーの押し心地が良く、財務指標の計算やNPVの計算など、キーを大量に早く押して計算するのに向いています。
②重さが210gありゴム足も安定しているので、キーを打つ際に安定していて使いやすいです。
(2)デメリット(カシオMW-12GTと比較して)
①値段が高く、実売価格でMW-12GTの約6倍です。
私は診断士試験合格後もこの電卓を実務で使っているのであまり気になりませんが、診断士試験以外で電卓を使わない人には少々オーバースペックかもしれません。
②液晶表示部の傾斜角度がMW-12GTと較べて小さく、手前に置いて使わないと小数点の表示が見にくいです。
電卓を手前に置いて使えば済む話ですが、2次試験の事例Ⅳでは問題用紙、解答用紙、解答メモを机上に広げていますので、表示が見える範囲が広いに越したことはありません。
③メリットの裏返しとして、重くてゴム足が安定しているため、試験中に置き場所を移動するのが少々面倒に感じました。
2次試験の事例Ⅳでは問題用紙、解答用紙、解答メモを机上に広げていますので、使わない時は端の方に置いておき、使う時だけ手前に移動することになると思います。
デメリットの②と③については、試験本番と同じ環境と用紙で事例Ⅳの問題を解いてみれば実感できると思います。特に、解答用紙はA3サイズなので結構場所を取ります。
(3)結論
結論としては、私にとってはメリットがデメリットを上回っており、カシオJS-20DCを買って良かったと思っています。
なお、カシオMW-12GT(実売価格1千円台前半)とカシオJS-20DC(実売価格8千円~9千円台)の間の価格帯にも多数の機種があります。他の人の紹介記事も参考にして、自分にとってベストの機種を見つけてください。
Ⅲ.ホルダー式消しゴムのすすめ
2次筆記試験でマス目に解答を書く際、書いた後で消しゴムを使いたいパターンとしては以下の2つがあると思います。
①解答全体を消したい
②解答の特定の文字だけを消したい
この中で、「②解答の特定の文字だけを消したい」では、一般的な直方体の消しゴムを使うと、間違えて消したくない文字まで部分的に消してしまい、書き直す範囲が拡大する恐れがあります。
特に、試験終了時間直前でこの事態に陥ると、書き直せないまま時間切れになるという大事故につながる恐れがあります。
そのため、特定の文字だけ消す用として、直方体の消しゴムとは別に、ホルダー式(スティック式)の消しゴムを使うことをおすすめします。
私は、MONOstick(トンボ鉛筆)を使用していました。
1文字だけ消す例として、令和2年度事例Ⅳの第1問設問2の解答で「効率性が高い」を「効率性が低い」と、わざと1文字間違えて書いてみました。
※書いた解答の内容は、昨年の受験生時代に書いた解答の転記であり、模範解答ではありませんのでご注意ください。
この間違い文字を、MONOstickを使って消してみます。
この動画のような感じで、ホルダー式消しゴムを使うとマス目の1文字だけを消しやすいと思います。
■おわりに
今年2次筆記試験を受験する皆さんにおかれましては、既に勉強の方はご自分のスタイルを確立されていると思いますが、文具についてはまだ新しいものを取り入れる余地があるのではないかと思います。
試験当日をシミュレーションすることで、少しでもご自分にとって使いやすい文具を見つけて、愛用の文具と共に合格を勝ち取ってください。
次回のタキプロ文具研はF田さんの登場です。
お楽しみに!
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