合格体験記 by しの
読者のみなさん、こんにちは。タキプロ14期しのと申します。TPKエイジレス会員6番です。今回で4回目の投稿になります。
■はじめに
今回は合格体験記です。早いもので、昨年の2次試験から1年近くが過ぎました。自分が本格的に診断士試験の試験勉強に取り掛かったのは、一昨年前の寒くなった時期でした。2次筆記試験の終了迄1年程。合わせて2年程です。さて何を書こうと2年前を思い返してみると、既に結構記憶があやふやになってきたことに改めて気づきました。勉強期間中は、とにかく集中して必死に勉強していました。合格後は一転。診断士の世界に片足を踏み入れ、生活が全く変わりました。変化が大きすぎて、たった2年程前のことがよく思い出せなくなっているのです。
自分は幸運にも1次2次ともに1回で合格することが出来ました。とにかく短期集中で必死になって勉強していました。必死であったが故に、あまりノウハウとして皆さんに語るようなものは確立してこなかったように思っています。1次試験はとにかく選んだ教材を信じてひたすら問題を解く・覚えるを繰り返す。いかに根気よく時間を掛けられるかが最重要ということぐらいは言えます。一転して、2次試験は何をすべきか。確信を持てることもなく、雲をつかむような状態のまま試験に突入。運にも助けられて合格した、というものでした。
そんな自分が合格体験記として足跡を記すとしたら、どんなことだろうと考えました。思い至ったのが、勉強を継続できた動機付けというか、心の持ちようについてです。多年度生も多い中小企業診断士試験勉強としては、比較的短期間かも知れません。しかし、1年近く、学校とも仕事とも別に、自発的に、これだけ本気で勉強に取り組むという機会は、半世紀に及ぶ自分の人生の中でとても革命的な出来事でした。過去の自分だったら出来なかったと思います。なぜ今回これが出来たのか。その動機付けについて書いてみようと思います。とても私的な内面の話です。そんなことは、全くひとそれぞれだと思います。少しでも共感していただける方がいらっしゃれば幸いですが、おじさんの内面など興味ない方は是非読み飛ばしてください。
■まずはあまり考えずに始めてみた
私が受験勉強を本格化したのは、50歳になった年です。大学卒業以来ずっと同じメーカ1社に勤務してきました。一見問題なく順調にサラリーマン人生を過ごしてきたように見えます。しかし、50歳という節目を迎え、ふっと振り返ったときに考えました。これでよかったのか。残りのビジネスマン人生をこのまま終えるのでよいのか。果たして自分で選択してきたキャリアだったのか、と。ふと見渡すと、コロナ禍で世の中も大きく変化しつつありました。出社も減り、宴席もなくなり、自宅で過ごすことが圧倒的に増えました。同時にいつの間にか、転職や独立も決して珍しい社会ではなくなっていました。ふと気づいたら同級生や友人達が様々な人生を歩んでいました。そんな景色の中で、中小企業診断士試験を受験することを決めたのです。
なぜ診断士なのか?動機は?①経営の知識を現職で役に立てたいので②セカンドキャリアを意識して。というのが私の公式回答です。しかし、本当にそんなに明確な理由を持っていたか?それだけだったのか?今思い出そうとしても、記憶は実は曖昧です。何か自分を変えてみたい。随分昔若いころにこの資格に興味を持って、ちょっと覗いてみたことがあった。そうだ、あれを今度は少し真面目に取り組んでみようか、という程度のノリでのスタートだったのが真実だったと思います。
■迷いは続く
まず手始めに、どういう勉強法がよいのか。書店やネット検索で調べた結果、比較的費用の安かったStudyingで勉強することを決め、申し込みをした時には既に12月上旬でした。申し込みのボタンを押すまで本当にやるのか?と迷いがありました。いや、いざ始めた後でも迷いは続いていたとも思います。
なぜ迷いが消えないのか。それは50年の人生の中で多くの小さい挫折を繰り返してきたからかと今になって思っています。簿記の教材を買ってみたけど、3日坊主でやめてしまったこと。学生時代にバイト代を貯めてせっかく買った英語の何とかマラソンという教材。若手社員の頃に買った中国語講座のセット。あれも、これも。。。思い出すと、色々あった、途中で投げ出した志の数々。そう言えば、大学受験も就職活動も早々に受かったところに流されるように入ってしまったことも、似た感覚のように思います。何か自分の意思を持って、最後まで目標を目指して頑張った、と言えるようなことは何一つなかったのでは?という感覚です。
すると、ちょっと眠いな、とか。飽きたなという感覚が襲ってきた瞬間。このまま勉強なんて再開できない。。。と、なんか踏ん張ることが出来なくなってしまいそうな感覚が幾度となく訪れるのです。
■乗り越える力とは
事の大小色々ありましたが、その都度忙しい、つらい、これでよい、など色々な言い訳ばかりをしてきたように思います。ダイエットが続かないことと精神構造は全く同じですね。私ももちろんダイエットは続きません。どんなに健康診断の結果が悪くても、間食は辞められません。考えてみると、無意識ながらも、何かを頑張ろうとしても、過去の自分の失敗を思い出して、どうせまたと思う癖があるのです。
子供の教育に親として関わっていくと、自ら学びに取り組む自主性を身に付けるには、成功体験を持たせるとか、自己肯定感が持たせることが重要と言われます。子供と向き合っている時は、正直よく意味を理解できていなかったなと今は思います。今回の自分の勉強のことで考えてみると、何かわかって来たような気がしています。自分も頑張ればなんとかなるという気持ちを自然に持つことが出来ていれば、きっと多少の波が来ようとも踏ん張れる、ということなのかも、と。
合格体験の話に戻ります。12月から勉強を始めた直後は、まずはとにかく生活のルーティンに勉強を入れることに苦心しました。通勤途中、家族が寝静まった後、早朝などなど。通勤中はこれを聴こう、と決めるのですけど、ちょっとすると飽きてしまうのですよね。じゃあどうすればよいのか。まさに四苦八苦していました。
昔の自分だったら同じような場面で早々に断念していたと思います。しかし、今回は、なんとか踏みとどまりました。過去の自分と決別したい。ここで出来なければ、もうチャンスはない。自分で決めたことをやり切る最後のチャンスだと、自分に何度も何度も言い聞かせていました。特に1次試験前は勉強する内容は明確です。とにかく教材をベースに勉強をひたすら続けました。途中挫折しそうになっても、とにかく繰り返して自分に言い聞かせて、何とか気力を維持していました。
しかし、50歳という年齢になって新しい知識を記憶することには非常に困難を伴いました。その為の工夫は色々と思考錯誤をしました。その話は以前こちらのブログに記載させていただきました。
https://www.takipro.com/strategy/study-method/106089/
■何が違った?
そんなこんなで、漸く1次試験までたどり着くことが出来ました。1次試験の結果は、Studyingの摸試でも、予想得点でも合格圏に達していたので、割と冷静に受け止めることが出来ました。
そこから2次筆記試験に向けての勉強は本当に困りました。1次試験に向けた勉強と大違い。全くふわふわして、自分がやっていることがこれでよいのか?が最後まで落ち着かない状態でした。Studyingの2次対策に加えて、ふそろい22年度版、事例Ⅳの全知識&全ノウハウを購入。これらを解きながら、Youtubeなどで各受験校や診断士先輩方の解説をよく見ていました。ご存じ通り、2次筆記対策は、千差万別。百花繚乱。乱れ飛ぶ情報を咀嚼して自分なりのノウハウを確立していくしかないのかな、と思いつつ。結局、それも確固たるノウハウを築くこともできず、今思えば中途半端な状態のまま筆記試験を迎えていました。
試験後も正直受かる気がしませんでした。特に事例Ⅳの手ごたえはゼロ。試験後10日後ぐらいに再現答案を作成して、2社程受け付けてくれたところで採点いただきましたが、どちらもD判定。絶対不合格だと思っていました。もう1年勉強することを覚悟して、発表迄の期間中は次の1年の勉強方法をどうするかを色々調べていました。そんな中で2次筆記試験結果発表で自分の番号を見つけた時には不思議な気分でした。何度も見直した記憶があります。
しかし、1次試験の勉強と2次試験の勉強で最も違ったことは、勉強を続けること自体には全く苦労しなくなっていたことです。1次試験終了まで2次試験の勉強には一切取り組まなかったので、短期決戦だったからか。また、もともと仕事では、複雑な事象を報告書で簡潔な文章にまとめることは長年やっていたので、それ程特別な取り組みに感じなかったからか。とにかく題意を正確に捉えて簡潔に過不足なく文章を書くこと。それはビジネスで普通に求められていることと同じだと感じていました。ただし、子供の頃から字がへたくそなので、とにかく丁寧に書くことには細心の注意を払って、四苦八苦していましたが。
でも本当に何が過去の自分と今回は違ったのか?何かすっきり説明できる理由は正直わかりません。よく考えてみると、単につらい・大変ということなら、仕事でいくらでも経験して乗り越えて来たではないか?と気づいたことにあったようにも思います。過去の経験もよくよく考えれば、色々ちゃんと乗り越えて来た経験も少しづつ思い出すことが出来てきたのです。例えば、たばこを辞めることが出来たとか、そんな些細なことでもです。仕事も勉強も些末な事でも、目の前の課題に組んで乗り越えていくということでは、同じではないか?自分も色々な困難を乗り越えて来たではないか?と。1次試験合格後に2次試験の勉強に取組むことが苦痛でなくなったことも、1次試験を乗り切ったという経験が効いて、気持ちの持ち様が大きく変化したのだと、今回改めて振り返って思いました。
■おわりに
皆さんの中には診断士になりたい、診断士になってxxxしたいという明確な目標を持って勉強に臨んでいらっしゃる方も多いと思います。ただ、そんな方ばかりではなく、小生のように今一つ目的が曖昧なまま勉強スタートする人もいらっしゃるかと思います。そんな方はモチベーションを維持するのがなかなか難しいかと思います。明確な目標を持とうというのがセオリーだと思います。でも、そうでなくては絶対ダメということではないと思います。同じように悩んでいる方は必ずいます。皆さんがそれぞれ自分なりに動機を維持する方法を見つけていただけるとよいなと思いながら、受験生の皆様を応援したいと思います
以上が私の合格体験記です。
■セミナー開催のお知らせ
読者の皆さんにお知らせです。
10月15日(日)20:00~21:00 「2次試験直前相談会」を開催します!!
今回は二次試験を初めて受験される受験生に向けたセミナーとなっており、
・試験の全体の流れのご説明
・合格者によるオススメの勉強法等が聞ける「科目別座談会」
・個別のお悩みにお答えする「よろず相談会」
の構成で実施いたします。
2次試験を直前に控えたこの時期、
「合格者は2次試験当日まで、どのように考え・過ごしたのか?」
「2次試験当日に気をつけておいた方がいいことを知りたい!」
・・・など、不安を抱える方が多くいらっしゃると思います。
今回のセミナーは、そんな皆様に向けて、「よろず相談会」を開催し、受験生の皆様の「直前期の」お悩みやご質問に全力でお答えするセミナーになります!
下記、セミナー情報となります。
・日時:2023年10月15日(日) 20:00-21:00
・場所:Zoomでの完全オンライン開催
・参加費:無料
・申込期間:2023年9月30日(土) 〜2023年10月8日(日)
参加をご希望の方は、上のバナー、または以下の「こくちーず」リンクより申し込みをお願いいたします。皆様のご参加をタキプロメンバー一同お待ちしております!
参加申し込み「こくちーず」リンク
https://www.kokuchpro.com/event/de05b74a0e81d77c4e2d373ec04ee9ae/
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次回はうじょんさんの登場です。
お楽しみに!
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