【口述試験対策】最後の切り札付き!まる分かりガイド byしばちん
読者のみなさん、こんにちは。
タキプロ14期のしばちんと申します。
今回はついに…、
それでは諸君らに最後の試練を与える!
…ということで、口述試験対策です。
このブログが公開された時点(令和5年12月4日)では、令和5年度の2次筆記試験の結果は発表されていません。
受験生の皆さんは、「いずれは口述試験対策をしなくてはいけないけど、結果もまだ不明なのに気持ちの切り替えが…」とか思っているはず。
この記事ではそういった揺れ動く受験生心(?)に寄り添いつつも、試験当日を迷いのないスッキリした気持ちで迎えるために知っておくべきこと、準備すべきことをこれでもかとばかりにフルカバーしてありますので、ぜひ最後までご一読ください。
ちなみに、もし貴方がこの記事を開いたのが2次筆記試験の合格発表後で、時間が無いからとりあえず解答テクニック的なことを早く知りたい!という場合は、目次を参照して「解答テクニック編」に先に目を通して頂くのも良いと思います。
目次
■プロフィール
◇ハンドルネーム:しばちん
◇年代・性別:50代・男性
◇職種:広告代理店勤務
◇受験歴:1次2回、2次4回
◇勉強に費やした時間:今となってはもう分かりません。
上記の通り、私はいわゆる多年度受験生です。
ゆえに昨年(令和4年度)の口述試験にあたって、長く苦しかった受験生生活を絶対にここで終わらせてみせる!という決意を持って臨みました。
今思えばその気持ちが強すぎた故に空回り、というか、やらなくて良い努力までしてしまった感がありますので、その辺の反省も踏まえた口述試験対策を解説していきたいと思います。
■基本方針/口述試験はちゃんと準備しとくべき!
最初にまず、この記事を読んで頂く為の前提を書いておきます。
前提その①
令和4年度の口述試験の合格率は約99.5%でした。
合格率100%の年度もあるので「落とすための試験」ではないと言って差し支えないと思います。
とはいえ、この合格率は筆記試験を突破した強者たちが、ここまでの努力を無駄にしてたまるか!という意気込みで準備してきた結果でもありますので、数字だけで楽勝と判断するのは早計というもの。
何より、ここで油断して取りこぼしたら元も子もないので、このブログでは原則「口述試験はぶっつけ本番ではなく、ちゃんと準備をしとくべき」という考えに沿って進めます。
前提その②
本来は筆記試験+口述試験のセットで「2次試験」ですが
ここでは、
・2次筆記試験は「筆記試験」
・2次口述試験は「口述試験」
簡略化して、以降このように記述します。
前提その③
口述試験の制度や、タキプロその他の受験生団体、資格予備校各校の動きについては令和4年度から大きな変更は無いという仮定で書いています。タキプロ自身の活動についても現在準備中ということもあり、最新の情報は受験生の皆様自身でのご確認をお願い致します。
そして最後に、絶対忘れてはいけない情報は下記の通りです。
「口述試験を受ける資格は、当該年度のみ有効であり、翌年度に持ち越しすることはできません。」
(中小企業診断士協会の公式サイトより)
■口述試験前後の流れはこんな感じ(令和5年度版)
令和6年1月11日(木)
「審判の日」(ジャッジメント・デイ)
ネット上で筆記試験合格者の受験番号が発表されます。
自分の番号を見つけることができたら、
とりあえず小おどりしときましょう。(約5分)
それから1~2日後に、
「あなたは、筆記試験の結果、口述試験を受ける資格を得ました」
という、有難いお知らせが届きます。
簡易書留で届くため、自宅に誰もいないと受け取ません。郵便局からの不在連絡票が届いていないか忘れず確認を。
画像は令和5年1月に私のところに届いたものです。
これには受験会場と試験の予定時刻が記載されており、予定時刻の30分前には受付を済ませる旨の指示があります。また両面圧着はがきの裏面には、その他の注意事項が記載されています。
なお令和5年度の口述試験は令和6年1月21日(日)です。
そして当日!
令和4年度に関してはコロナにかかった場合その他、救済措置が無い旨が告知されていました。また受付にて検温が行われており、そこで引っ掛かると受験不可となっていました。
この辺りが令和5年度どうなるかは、お手元に届く案内の注意事項をしっかり確認して頂くとして…
と・に・か・く!
体調管理、当日は早目に出発する、または前日入り等、できることは全部やって受付を乗り越え、その先にある控室まで無事に辿り着いてください。なお服装については、ここで個性をアピールしても意味が無いのでスーツ一択です。
ちなみに、試験当日の会場付近の喫茶店などでは、なにやらブツブツつぶやきながら勉強にふけるスーツ姿の人たちが多数目撃されるとのことです。
さて受付を済ませ、控室に着いたら、自分の順番を待っている間に復習をするのは自由です。ただし会場ではスマホ等の電源を切るようにアナウンスされるはずですので、ファイナルペーパー等はデータではなく紙で用意しておきましょう。(←忘れずに!)
で、自分の順番になったら呼ばれます。
ちなみに私が受験した、令和4年度の名古屋会場はこんな感じでした。おそらく他の会場も大差ないと思われます。
口述試験の性質上、予定時刻ぴったりに呼ばれるとは限りませんので「そろそろ時間だな」となったら机の上に広げたものは片づけるなど、呼ばれたらすぐに行ける準備をしておきましょう。試験後に控室に戻ることはありませんので、鞄など荷物を持った状態で試験会場に入り、終了後はそのまま会場から去る形になります。
案内されたら一般的なマナーとして、いちおうノックして「失礼致します」的なことを言いつつ入室。ドアを開けた先では複数の試験官が待っています。これ以降の全てのやり取りは口頭で行われます。
試験官は私の時は確か3人で、終始おだやかな雰囲気で進みました。他の合格者のブログ等を見ると威圧的な感じを受けたケースもあるようです。が、試験官を選べない以上、ここは気に病んでも仕方ありません。
いよいよ!口述試験スタート!!
なお「貴方が中小企業診断士を志望した理由は何ですか?」とか、そういう就職面接みたいな質問は聞かれません。
聞かれる内容は下記の通りです。
◇氏名、生年月日(和暦・西暦いずれかで答えるよう指定あり)
◇2次試験の事例Ⅰ~Ⅳのいずれか2つから各2題ずつ、
計4問の質問
(時間が余ると質問が増えることもあるようです)
私の場合は事例ⅡとⅣから2題ずつでした。解答にあたって筆記試験の問題その他、手元の資料を見ることは一切許されていません。
1つの質問ごとに口頭にて約2分程度の解答の時間が与えられます。
2分間は思っている以上に長く、しかも時間が余ると「他に何かありませんか?」といった追撃の質問をくらう可能性が有ります。このため、なるべく時間を余らせないようにゆっくり話すなど工夫が必要です。解答の仕方については、この後の解答テクニック編で解説します。
問われた全ての質問に対しての解答が済めば口述試験は終わりです。
(ここまで約10分程度)
退室を促され、晴れて自由の身になることができます。
お疲れ様でした!!
ここまで無事終われば貴方の合格はほぼ確定です。
最終合格発表を楽しみに、好きなように過ごしてください。
浮かれるあまりに交通事故など起こさないよう注意!!!
↑終わったら帰りはスキップで
■実録/こんな試験対策は絶対ダメ!
ここで、間違った口述試験対策の絶好の例として、私が受験生だった時にやった(やらかした)ことを書いておきます。
私が対策を始めたのは12月中旬からです。
もちろんその時点で筆記試験の合否は不明なので気は進みませんでしたが、最終的に受かるためにやっている以上は口述試験対策もやらないと意味ないだろう、と考えました。
とりあえず筆記試験の復習が必要と思ったので
①まずは事例Ⅰを再度解いてみる
↓
②筆記試験の本番時に書いた解答の抜け漏れに改めて気づく
↓
③「あ、これダメだ。落ちたわ」と落ち込む
↓
④数日後、気を取り直して今度は事例Ⅱに手を付ける
↓
⑤事例Ⅰの時と同様に落ち込む
↓
⑥数日後、今度は事例Ⅲを…以下、省略
こんな感じで「やってみる→落ち込む」を事例Ⅰ~Ⅳで2巡した結果、ついに年末になる頃には朝起きるのがしんどくなりました。
こんなことをやっていたらホントに(冗談ではなく)メンタルがおかしくなってしまうと思ったので、いったん口述対試験策は筆記試験の合格発表があるまで禁止、それまでは診断士のことなど一切考えん!と決意するに至りました。
その後に筆記試験を合格したこと受けて対策を再開した訳ですが、今から思い出してもあの時はメンタルがヤバかったと思います。(この年はここで落ちたら1次試験からやり直しというプレッシャーもありました)
私がこうなってしまったのは、
◇口述試験で何が問われるのか
◇どのタイミングで何をすればよいか
この辺のことが分かってないまま、やみくもにスタートしてしまったのが原因です。その反省を踏まえてまずは口述試験では何が問われるかを整理していきたいと思います。
■口述試験では一体、何が問われるのか
私が思うに口述試験で問われるのは、大きく分けて次の2つ。
①与件文に「関連付けた」1次試験的な知識
例:
事例Ⅰ :
A社は同族経営の企業ですが、同族経営のメリット・デメリットとは何ですか
事例Ⅱ:
B社はインターナルマーケティングに力を入れています。インターナルマーケティングについて説明してください
事例Ⅲ:
C社の既存事業は受注生産で、新事業は見込み生産となります。両者の違いを説明してください。
このように、
事例企業または与件文に関連付けてはいるものの、問われていること自体は1次試験で学んだ知識で、「一般論」と言い換えても良いかと思います。
②与件文に「沿った」2次(筆記)試験的な助言・分析
例(令和5年度問題に関連して):
事例Ⅲ:
X社が共同企画においてC社に期待しているものは何か
事例Ⅳ:
D社が販売低迷の中、人件費削減を行わない意図は何か
上記①が言わば1次試験の延長戦という趣きだったのに対し、②は2次(筆記)試験の延長戦と言うことができるかもしれません。こちらは一般論ではなく、事例企業の特徴や市場環境を踏まえた解答が必要となります。
ということで、どのような質問が問われるのか分かっていれば、準備として何をすべきかも見えてきます。
やるべきことは、つまり
◇R5年度 事例Ⅰ~Ⅳの与件文のおおよその内容を頭に入れておく
(主な登場人物、事例企業の特徴や変遷、競合など)
◇与件文に関連して問われそうな1次知識をピックアップし、口頭で答えられるように練習
◇筆記試験の設問には無かったが、問われてもおかしくなかった論点を想定、口頭で答えられるように練習
※3番目の想定問題については自分で考えるのは大変なので、資格予備校や受験生支援団体が作成する想定問答集を活用しましょう。(詳しくは後述)
こんな感じとなります。
なお、筆記試験の設問を解き直したりしなくていいの?
という疑問に対して私の結論は
そんなもん、
今さら解かんでも良し
です。(異論があるのは認めるがここでは聞かぬ)
何故なら、普通に考えて筆記試験と違って口述試験では文字数制限もなく、綺麗に解答をまとめる必要はありません。
SWOTや3Cに関する質問は形を変えて聞かれる可能性はありますが、皆さんは既に筆記試験に直後に予備校各社の解答例を見ているはずです。なので、今さら自力で解かなくても予備校の解答例で妥当性が高そうなものを見つけて、頭に入れておけば充分ではないでしょうか。
それでも、もしどうしても再度自分で解いてみないと気が済まないという頑固な方は、せめて筆記試験の合格発表後、気持ちに余裕ができてからにしてください。(でないと私のようにメンタルを削られます)
■いつ口述試験対策を始めるべき?
これには大きく分けて、筆記試験結果の…
・発表前に始める
・発表後から始める
この2つがあります。
結果発表前に始めるメリット・デメリット
メリット:
準備時間が取れる。
デメリット:
気持ちの切り替えが付かない状態でスタートすることになるので、精神的にしんどい。
結果発表後に始めるメリット・デメリット
メリット:
これはもう、気持ちの切り替えが完全に出来るので、やる気と集中力が高まることにつきます。
デメリット:
◇筆記試験結果:令和6年1月11日(木)
◇口述試験:同1月21日(日)
このようなタイトなスケジュールとなり、時間がありません。
このため、
・有給休暇が確実に取れる
・仕事が毎日ほぼ定時で終わる
など、短い期間内で勉強時間が確保できる環境にいる方でないと厳しい面があります。(その他、自分や家族のインフルエンザ感染などで予定が一気に変わってしまう可能性もあります。
おすすめは12月からぼちぼち始めるパターン
最初にも書きましたが、口述試験の合格率はほぼ100%とはいえ、一発勝負です。
落ちたら「振出しに戻る」というシャレにならない事態となってしまうため、特にスケジュールに不確定要素が多い方は早目に準備しておくことをおすすめします。
スタートが早めであれば、1日当たりの時間はそれほどかけなくても(あるいは必ずしも毎日机に向かわなくとも)余裕を持って試験当日までに準備は終わるはず。余裕で合格した後に「あそこまでやらなくても口述試験なんて楽勝だった」と、笑って話せるくらいで丁度良いです。
それではここから、比較的気持ちの上で負担が少ないと思われる勉強プランを紹介します。
■口述試験対策 おすすめプランはこれだ!
ということで、
・何をすべきか
・いつやるべきか
以上をを合体して整理した結果、以下のようなプランがおすすめです。
前半戦:インプット中心
スタート(12月の任意のタイミング)
~1月10日(筆記試験の結果発表前日まで)
この期間にやること
◇各事例の与件文を繰り返し音読、内容を整理して記憶に定着
◇与件文に関連しそうな1次知識をピックアップして復習
(余力が有れば口頭で答えられるように2分間を意識して練習)
ちなみに「任意のタイミング」とは書きましたが、このブログを開いたということは、つまり現時点で貴方は既に口述試験のことが気になっているはず。試験の間際になってからあわてふためなくてもいいように、この記事を最後まで読み終わったらところで与件文の音読から始めましょう。
あるいは、筆記試験の結果発表前に与件文を見直すのはどうしても気が進まないという場合は、1次のテキストの流し読みだけでも良いかと思います。せめて年末年始休暇や成人式の祝日をを有効に使っておかないと、試験間際がバタバタになってしまうので注意です。
それからついでにYouTubeのタキプロチャンネル内で ”口述試験” で検索すると、試験の概要を説明した動画や模擬口述試験の動画が出てきます。現在公開されているのは令和4年度の口述試験に対応したものですが、充分参考になるのでいくつか見ておくと良いです。
参考:タキプロ動画紹介 口述試験対策(令和4年度版)
①口述試験の概要説明はこちら
②模擬口述試験の動画はこちら
年明け~1月11日:情報収集&申込
上の「前半戦」と期間が若干被りますが、年が明けてから資格予備校や受験生支援団体の情報提供などが始まります。特に合格発表当日は飲みに行きたいところですが、各サイトのチェックを忘れずにしておきましょう。
◇資格予備校のWEBサイトから令和5年度版の想定問答集をダウンロードまたは送付申込み
◇受験生支援団体(タキプロ・ふぞろい・一発合格道場など)の口述試験対策セミナーの日程が発表されます。スケジュールを確認の上で、迷ってないでこちらもさっさと申込みしてしまいましょう。
タキプロのセミナーの場合、過去の勉強会に参加したことがある人限定などの条件はありません。昨年はZOOM開催のみでしたが、令和5年度はZOOMだけでなくリアルでの開催も予定しています。
(他の支援団体のセミナーについては各WEBサイトで確認してください)
なお予備校でも口述試験対策セミナーは開催されますが、各校の受講生であることが参加条件となることが多いので、独学の受験生にとっては利用が難しいようです。
後半戦:アウトプット中心
~口述試験本番まで
合格発表以降はアウトプット中心に切り替わります。
(とはいえ与件文の繰り返し音読は時間がある限り継続してください)
◇予備校の想定問答集を使って解答の練習
あくまで口述試験の練習なので解答は2分を目安に時間を測り、声を出して解答してください。想定問答集には先ほど例を挙げた、与件文に「かこつけた質問」「沿った質問」両方が入っているはずなので、ここまでにインプットし直した1次知識の復習にもなります。
◇口述試験対策動画チェック&練習
前述のタキプロチャンネルでも、令和5年度版が順次公開されていきますので活用しましょう。ちなみに私が受験生だった際は、令和4年度版の模擬口述試験の動画はコンプリートしました。もちろんこれも解答は声を出して、が前提です。
◇口述試験対策セミナーに参加
どうしてもスケジュール調整できない場合を除き、セミナーには参加しておきましょう。(できれば複数回)
参考までに令和4年度のタキプロセミナーの構成は
・口述試験の流れなど概要説明
・タキプロメンバーが試験官役となり順番に模擬口述試験を体験
・質疑応答その他フリートーク(合格後に必要なことなど質問できる)
となっていました。
なお参加後には、事前に登録しておいたメールアドレスに想定問答集が届きますので、これも活用しましょう。
補足①:セミナーに参加するメリットは?
正直、セミナーに参加しないと絶対受からないのかと言えばそんなことは無いですが、いきなり本番に挑むのと、セミナーで口頭でのやりとりを体験済みなのでは試験当日の緊張度合いがまるで違ってくるはずです。
言ってみれば、口述試験対策としてセミナーを体験することは、一般的な試験において模試を受けてみるのと同じような意味合いがあると思います。
私が昨年タキプロのセミナーに参加して良かったと思ったのは、口述試験の緊張感を疑似体験できることに加えて、他の受験生の応答を見ることができた点です。
ここで「スラスラと解答できないのは自分だけじゃない。自分なりのペースで話して、詰まったら言い直せばいいんだ」ということが分かったことで、本番に向けて大きな精神的なゆとりが生まれました。
特に、タキプロのセミナーの場合は受験生に本番に向けての自信を持ってもらうことにフォーカスしていますので、いきなりのダメ出しなどモチベーション低下につながるようなことはしません。独学でずっとやってきた方は参加に抵抗があるかもしれませんが、難しく考えずに気軽に活用することをおすすめします。
補足②:前半戦をインプットにあてる理由は?
まずは上に書いた通り、令和5年度対応の想定問答集やセミナー・動画を活用できるのは年明け以降となるため、ここからアウトプットの練習に専念するためには、インプット作業は先に済ませておきたいということがあります。
次に筆記試験合格発表前の受験生のメンタルにとって、単純な暗記作業の方がずっと気楽ということがあります。改めて与件文を読み解いて想定問題を考えたり、ましてや設問を解き直したりすれば筆記試験の合否を強く意識せざるを得ないので精神的にしんどいです。よっぽど合格している自信がある人以外はやめておきましょう。
最後にあまり考えたくない事態ですが、筆記試験に落ちた場合を想定すると、このタイミングで1次知識の復習を行うことは令和6年度のキックオフとして有意義だと思います。
それでは続いて口述試験で不合格となる典型的パターンと、やらかさない為の心得を紹介しておきます。
■こんな受験生は落ちる!4パターン
①来ない。
②態度が悪い。
③質問が分からないからといって、キレる。
④質問が分からないからといって、固まる。
■解答テクニック編
上の4パターンはネタではなく、伝え聞いたところでは態度が横暴な人、質問に答えられずにキレた人、固まって無言になった人は実際にいたそうです。なお、会場に現れなかった方については、身内の不幸や急病など本当にどうしようもない理由であれば仕方ないと思いますが。
それはさておき、本番で固まったりキレたりしなくて良いように事前の復習をしておくのは当然として、知っておいて損は無い解答テクニック的な事も2つ紹介しておきます。
①とにかく2分間を使い切る
質問のタイプ別に、2分間を使い切るための解答の流れをまとめてみました。
◇与件文に「関連付けた」1次試験的な知識を問う問題への答え方
(例:SWOT分析について説明せよ)
①最初に質問をオウム返し
「はい、それではSWOT分析についてお答え致します」
②説明本編(SWOT分析自体の説明)
③おまけ1
説明本編だけでは時間が余るので、事例企業にSWOT分析を当てはめるとどうなるか話す
④おまけ2
それでも時間が余ったら、知ってる企業の事例を挙げてみる
例:トヨタの強みは安定した品質で、弱みは高級ブランド感が希薄なことで(だからレクサスのブランドを作った)、など。
⑤おまけ3
このような分析をすることで企業戦略の明確化に役立ちます、みたいな意義を付け加えてみる。
◇与件文に「沿った」2次(筆記)試験的な助言・分析を問う問題への答え方
(例:A社をSWOT分析せよ)
①最初に質問をオウム返し
「はい、それではA社をSWOT分析した結果についてお答え致します」
②前置き
いきなり本編に入ると時間が余るので、SWOT分析自体や意義等について説明してみる
③本編(A社をSWOT分析)
④おまけ
分析結果を受けてA社が今後の事業をどのようにしていけば良いか付け加えてみる
例:強みである商品力を活かすために営業を強化、など。
最初に質問をオウム返しにするのは鉄板で、解答を考えるための時間稼ぎと、自分が題意を勘違いしていないかを確認するという2つの意味があります。
質問が難しく、すぐに解答が思い浮かばないようであれば「それでは〇〇〇についてお答えいたします。解答を整理しますので少しだけお待ちください」という”オウム返し+さらなる時間稼ぎ ”の返し方もあります。
また、問われていることだけを答えるのではなく、上に書いたおまけのような関連情報を加えることも有効です。例えるなら、筆記試験での施策についての助言問題で、施策の提案だけでなく留意点も書いとこう、みたいなものです。
おそらく時間を測っての解答の練習を一度もしていないと、何故ここまでしないといけないかピンとこないと思います。繰り返しますが、とにかく2分間は長いので練習は必須です。
②とにかく解答の大枠を外さない
筆記試験を突破した方なら説明は不要かと思いますが、
・SWOT分析について説明せよ
・A社をSWOT分析せよ
上記2つの質問は問われていることが違います。合格率がほぼ100%の試験とはいえ、問われていることの大枠を外してしまうのはかなり危険なので注意が必要です。集中して質問を聞き、答えるべきことが何なのか頭の中で確認しましょう。前述のオウム返しはそのための確認作業でもあります。
大枠を外してしまう例
・生産統制について聞かれているのに生産計画について解答
・SWOTについて聞かれているのに強みの説明しかしない
・現社長の施策を聞かれているのに先代社長のことを解答
など
大枠を外さず、きっちり2分間を使って解答しようとする姿勢を見せさえすれば、あとはもう解答自体には多少抜け漏れや間違いがあっても合格できるはずです。
■最後の切り札「診断士モード」とは?
あまり想定したくはないですが、マイナーな1次知識の論点や、筆記試験の与件文の細部を突かれて解答に窮してしまう可能性もゼロではありません。ということで、最後にそういった場合の対処法について考えてみます。
中小企業診断士として経営者にアドバイスするつもりで解答する
口述試験の究極の目的は、「目の前の受験生が中小企業診断士全体の評判を落とすような困った奴ではないか」を判定することではないかと思われます。
だとすると、質問に対して何を答えれば良いか全然思いつかない際の最善策は、
いったんこれが試験だという頭から離れ、中小企業診断士として企業経営者の相談を受けている想定で、可能な限り相手に対して誠実な対応する(勝手にこれを「診断士モード」と命名)ではないでしょうか。
例えば下記のような受け答えができるはずです。
「申し訳ございません。〇〇〇という用語の意味が思い出せません。現在の私にできる限りの解答をさせて頂きたいと思いますので、情報の補足をお願いできますでしょうか」
正直、これが正解かどうか私にも分かりません。ですが、訪問先の企業で黙り込んでしまったり、ブチ切れる(←論外)よりは、よっぽど誠実な対応ではないかと思います。
急な用事により準備が整わないまま本番を迎えてしまったり、予想外に質問が難しかったりして「何を応えたらいいか全然分からん、詰んだ」と思ったら、あきらめてしまう前に貴方にできる中小企業診断士としての目一杯の誠実な対応をすべきです。
■ということで、セミナー申込をお忘れなく!
最後に一応お断りしておくと…、
いくつかある口述試験対策セミナーの中で、私自身としてはもちろんタキプロ推しですが、
タキプロ > その他の支援団体
などという言うつもりは毛頭ありません。
他の受験生支援団体の方たちも受験生の力になるべく真摯に活動されていますので、どのセミナーにしようかと迷うよりも、自分のスケジュールに合う枠をさっさと押さえてしまうことをおすすめします。
私もタキプロの令和5年度 口述試験対策セミナーに何らかの形で参加させて頂く予定ですので、ご縁があればセミナーでお会いしましょう!
さあ、ゴールはもう目の前です!!
■読者の皆様へご案内
最後にお知らせです。電子書籍でタキプロの本が4冊出ます!
①4人合わせて43年!超多年度合格者が贈る受験生へのラプソディ: ~
→ こちら
②ストレート合格の裏側〜私たちの事情〜
→ こちら
③これでキミも合格できる!2次試験を突破するためのノウハウ
→ こちら
④合格者の数だけ合格ノウハウがある!「タキプロブログ」の活用法
→ こちら
ストレート合格者の考え方を参考にするのも良し、
または超多年度合格者の思いに共感(あるいは涙)するのも貴方次第。
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次回はそめさんの登場です。
お楽しみに!
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
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