事例Ⅰのとらえ方 byたいポン

事例Ⅰ

 読者の皆さん、こんにちは。タキプロ14期の たいポン(50代の多年度合格者)です。
 今日は2次試験の事例Ⅰのお話ですが、まだ次の2次試験はだいぶ先のことなので、そのとらえ方についてお話します(事例Ⅱ、事例Ⅲにも共通する話ですが)。  

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■はじめに

 2次試験を受験された方、合格発表まであと9日ですね。

 自己採点はどうであれ、概ね上位18%が合格するこの試験。何点だったが重要ではなく、何番だったかが重要であり、開けてみるまで合否は分かりません。楽しみに待ちましょう。

 一方、令和6年度の合格を目指す方は、2次試験はまだちょっと先なので、あまり2次試験の実感はないかもしれませんが、この時期に難しい話はしませんので、ちょっとお付き合いください。

■作られた箱庭の世界、国語/説明文の問題として意識しよう

 2次試験はご存知の通り、与件文という企業の説明文が与えられ、その企業に対する設問に対して、100字程度で解答する形式です(事例Ⅰ~Ⅲで共通です)。

 与件文の企業は実在しているようですが、実在の企業の内容を試験用に加工して、その企業の時系列の変遷、その時どうしてそうなったのかが書かれています。

 言ってみれば、企業の歴史物語ですが、試験問題ですから、そこには解答のヒントが書かれているはずです。

 従って、与件文を一つの物語として読むのではなく(読んでしまいがちですが)、一つ一つのエピソードの説明の集合体として捉え、それぞれの説明をばらして理解することをお勧めします。そのばらした説明がその会社のその時のSWOTになっていたりします。

 特にSWOTは本文中にちりばめれています。そのSWOTを拾って、『強みの活用』、『機会の活用』、『弱みを克服』をする解答を作り上てげいくことになります。

 尚、時制には十分に注意して読んでくださいね。

 なぜなら、設問は時制を指定して解答を求めてきますので、SWOTを抽出する際に、いつのこと(例えば、先代の時のことなのか、今の経営者の時のことなのか)なのかは十分に意識して抽出しないと求められる解答は書けませんので。

■自分のビジネス経験から、勝手な想像(発展的な想像)はしない

 ベテランの方にありがちですが(私も最初はそうでした)、ある程度ビジネス経験があると、「この業界はそもそも離職率が高いからこんな対策はできない」とか、「10人程度の組織ではこれはできない」とか、自分のビジネス経験から与件文の組織を無意識に歪めてとらえたり、解答に現実味がないのではないかと、深読みしてしまうことがあるのではないでしょうか。

 10名程度の中小企業で、例えば『アルバイトの効率化のための業務のマニュアル化』や『新たな事業展開のため専任部署の設置』なんて実際にできないよ、なんて考えなくてもいいです。
 いいですか、これは試験です。与件文の事例企業は試験用に加工されています。あくまでも課題に対して教科書に書いてある理想的な解決策を書けばいいと思います(少なくとも合格時は私はそうしました)。

 もっと言えば、現実味がなくてもいいので、与件文の必要箇所を抽出し、それに対する当たり前の対応策を書けばいいと思います。

■模範解答は開示されないものの、答えは必ずある

 令和4年度だと、約9,000人の答案用紙が提出され、1,600人の合格者です。

 芥川賞や直木賞の選出であれば、数人の選考委員で『この文章は独創性があっていい』という理由で選んでもいいと思いますが、18%しか受からない国家試験で9,000通りの解答が出され、なんとなくこの解答がいいから合格ということはないと思います。

 更に言えば、試験範囲も示されている厳正な『国家試験』であり、それぞれの試験委員の主観で合格者を決めていることはなく、厳格な採点基準があると思います。

 逆を言えば、『ふぞろい』の解答のように、この要素が入っていれば何点、要素が3つ入っているので、合計何点と採点されているのではないかと思います(一方で減点要素もあるかもしれませんが)。
 そうであれば、要素となるものをしっかり解答に書く、つまりキーワードを使った教科書通りの無難な解答を書けるようにすることが重要だと思います。

 例えば、『今後の事業展開の方向性だったら、強みを活かした差別化集中戦略』とか、『社内の連携不足なら、定期的なミーティングの開催』とか、「こういう要因だから、こうした対策」と当たり前の論理展開をすべきだと思います。

 尚、論述問題ですから、くれぐれもキーワードの羅列にならないようにしましょうね。

■おわりに

 ちょっと先の2次試験のお話をしましたが、いかがでしたか?
 次の2次試験に向けて少しでも参考になったら幸いです。


次回は、ベグライト さんの登場です。 

お楽しみに! 

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