【2次試験】過去10年の出題傾向分析(事例Ⅲ)

皆さん、こんにちは!
月曜担当の、はっしー@タキプロです

では、事例Ⅲの出題傾向分析を始めましょう(クリックすると最大化)

事例Ⅲ

1.事例テーマ
一見多様に見えますが、C社が取引先の要望や外部環境の変化に応じて

①  新規事業や新製品を、これまで経験のない新たな生産方法で取り組む(見込⇒受注生産、組立工程の内製化等)
②  既存事業・製品の生産管理上の課題を解決し、より柔軟な(=小ロット、短納期、低コスト)生産体制を構築する

という点では共通しています。やはり事例Ⅲでも「テーマは繰り返す」です。また事例Ⅰ、Ⅱに比べて目指す方向性がはっきりしているように思います。

 

2.設問内容
生産管理の設問も、

  • クレーム対応(Q)
  • 受注・見込生産におけるコスト削減(C)
  • 受注生産における納期管理(D)
  • 外注先管理(主に納期)
  • 見込生産における在庫管理

等が繰り返し出題されています。ただ、1次知識としては生産管理の基本的な内容をしっかりと理解しておけば対処できるはず。

事例Ⅲではむしろ、限られた時間の中で、与件の入り組んだ情報を読み取って整理し、受注⇒設計・開発⇒仕入・購買⇒生産⇒外注⇒在庫管理⇒配送に至る一連の流れの中で、どこにC社の根源的な問題があるのか把握する力を試されていると感じます。ですから逆に問題点を掴んでしまえば、1次知識を活用して解決策を提示していけば、確実に得点を稼げるということです。焦らず落ち着いて、図を書きながら与件文を読み、問題点を特定することに集中しましょう。

IT分野の設問は毎年出ています。よくあるのは、営業部門と開発・製造部門間や、外注先等との情報連携に問題がある事例ですが、「情報をデータベース化して一元管理し、ネットワークを通じて社内(営業、開発、製造)、社外(取引先、外注先)と、リアルタイムに共有するという原則に立って改善策を提示すれば大きく外さないはずです。またPC利用(H16)やCAD/CAM化(H23)のような設問に対しては、発注・設計データのDB化、流用⇒コスト削減・効率化、標準化の切り口も頭に入れておくと役に立ちます。

またSWOT、特に強みを問う問題も常連。C社の目指す方向性に活かせるものであることを意識し、営業取引、生産技術の両面からまとめればよいパターンが多いです。

次に経営戦略分野の設問。事例Ⅱでも書きましたが、戦略レイヤーを間違えないこと! 設問文に「C社経営への影響」「今後採るべき方策」「方向性、あり方」といった言葉が出て来たら注意しましょう。この場合は生産管理のQ・C・Dの改善レベルではなく、事業領域の決定、成長戦略、経営資源配分、事業間シナジー活用、競合との差別化といった会社全体の経営目標、課題を意識した解答にする必要があります。

 

事例Ⅲに苦手意識を持つ人もいらっしゃると思いますが(私もそうです)、「2次合格者の頭の中にあった全知識」など2次試験向けの1次知識テキストを読み、基本を理解しておけば、事例Ⅰ、Ⅱと比べて取り組みやすいと思います。Q・C・Dの改善に対し、生産計画・生産統制などの切り口から、与件の情報を使えば何か答えられる。

繰り返しになりますがポイントは、込み入った与件情報の中から、図式化等によって、何が本質的な問題かを把握するスピードだと思います。

追い込み頑張って下さい!
それではまた来週!

タキプロ勉強会のお知らせ


【今後の予定(東京)】

・9/26(木)19時~21時半 八丁堀区民館 題材:H23事例1
・10/6(日)9時半~12時 京橋プラザ区民館 題材:H23事例2
・10/10(木)19時~21時半 京橋区民館 題材:H23事例3
・10/14(月)9時半~12時 堀留町区民館 題材:H23事例4&相談会

*経験者の方は題材の過去問を解いて、解答のコピーを8部 ご用意ください。
*時間の都合上、全部の設問を扱うことはできません。あらかじめご了承願います。

お申込みはこちらから


【タキプロ絶対合格勉強会in大阪】

タキプロでは、今後経士会と共同で、大阪で2次試験対策の勉強会を開催することになりました。タキプロと経士会の診断士メンバーが、皆さんの合格を全力でサポートします!

◆日 時:

・9/25(水)19:00~21:00 題材:H23事例Ⅲ
・9/27(金)19:00~21:00 題材:H23事例Ⅳ

◆場 所:

グランフロント ナレッジキャピタル7階(大阪市北区大深町3番1号)
※ナレッジキャピタルへは、北館北3のエレベーターで7階までお越しください。また、7階の受付では森藤啓治郎(もりどうけいじろう)の名前を言っていただき、来館受付書に記入し、ゲストのバッチを受け取ってください。

◆定 員:
各回10名  ◆参加費:500円

◆持ち物:
事例(問題文とご自身の解答)、筆記用具、電卓(事例Ⅳの場合)

◆内 容:
グループディスカッション(事前に事例を解いてきていただけると進行がスムーズです)

お申込みはこちらから

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【2次試験】過去10年の出題傾向分析(事例Ⅲ)” に対して3件のコメントがあります。

  1. yamarin より:

    初めまして。そうか、そうなんだよなあとつぶやきながら、愛読してます。以前のブログに関する質問になります。問題用紙の余白に設問要点をメモされて、本文とリンクさせて回答骨子を作られていましたが、これをもとに本書きされたのでしょうか?さらに、骨子のメモを作られたのでしょうか?また、ページをまたいでる場合はどうされたのでしょうか?
    細かい質問ですいません与件と設問のリンクに、どうしても時間がかかってしまい悩んでおりまして。コメント書く場所が不適切だったらさらにごめんなさい。

  2. タキプロ より:

    Yamarinさま

    与件と設問をひも付けて解答骨子を作るスピードを上げるのは、私にとっても大きな課題だったので、お悩みはよく分かります。

    結論から言うと、設問の属性に応じで併用していました。つまり、
    ①与件抜き書きで対応できる「分析系」の問題は、与件の対応箇所を矢印等で結べば、大体解答の骨子が出来るので、そこから本書きする
    ②与件情報を元に、1次知識の活用と類推が必要な「提案・助言系」な問題は、使う与件の箇所をマークしてから設問の余白に戻り、解答骨子を書いて本書きする
    という形です。

    もちろん①の方が速いのですが、②は該当する与件情報を自分の頭で考えてまとめるプロセスが入るので、このような使い分けをしていました。逆にいうと、それが分析系に比べた時の、提案・助言系問題の難しさだと思います。

    与件文の該当箇所がページを跨いでいるときのやりにくさは確かにあるのかもしれませんが、私は余り意識しませんでした。

    ブログにも書きましたが、設問のパターンに応じた解答の文書構成をある程度決めておき、入れるべき情報を与件に取りに行くという意識で与件文を読めば、ひも付けのスピードは速まるように思います。例えば「理由は何か」という設問に対しては、まず「理由は、①~、②~」という解答のイメージを持ち、切り口の違う理由になりうる箇所を与件文に拾いに行く、という形です。

    ご参考になれば幸いです。あと一息、頑張って下さい。
    はっしーより

  3. yamarin より:

    大変良く分かりました。ありがとうございました。

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