診断士勉強開始から今までの振り返りbyくお

タキプロ14期の くお と申します。

普段は地方公務員として働いていますが、今は出向して別組織で中小企業支援業務に携わっています。

今回の記事のテーマはほぼ自由とのことなので、診断士試験に臨んだ理由とその後の活動について書いていきます。試験に対して役に立つことは何もないですが、ある1人の新米診断士のドキュメンタリー記事です。



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■資格取得を目指した理由

 地方公務員になる前、新卒で入社したメガバンクで法人営業をしていました。
 財務分析を勉強し、社長の話から事業内容と思いを学び、なんとか役に立とうと働いてきました。しかし既存先の資金需要の開拓もできず、投資商品キャンペーンでお願い営業ばかりし、商品が売れず詰められるばかりで自分に自信が持てなくなっていきました。離職率の高い銀行員あるあるです。

 「別の形で企業支援ができないか」

 別の道を探っていたところ、金融庁や財務省(財務局総合職)に魅力を感じ、公務員試験に専念するため退職。試験には合格したものの、官庁訪問で門前払い。経済産業局も落ちて最終的に拾ってくれた地元の自治体に就職しました。

 1年目で社内システム保守や経理を担当。ある日上司に相談しました。

 「希望部署の企業支援の部署に行くにはどうしたらいいですか。」
 「激務部署2,3回挟まないと異動希望はかなえてもらえないよ。しかも産業振興系は人気だから期待しない方がいいよ。今の仕事をしていくうちに他に興味も出てくるから頑張れ」

 1部署3年いるとして、9年後となると40歳も近い(当時27歳)。9年間も産業振興やりたいと言い続けるのは不毛すぎる。公務員になった理由は銀行とは違う形で企業支援をしたかったから。銀行で逃げた自分から変わりたかったから。その間に企業支援を諦めると公務員になった意味がない。

 さすがに今また辞めると就職先はないぞ。何か武器を持たなきゃ。社内で泊がつくような何か…。

 その時に新卒で銀行に入った時に買っただけで開きもしなかったスピードテキスト「企業経営理論」を思い出しました。人気部署に行きたいならそれなりの実績がいる。社内でこの資格を持っている人は少ない。

 「今できることをする」

 その後2年間かけて資格を取得しました。

■合格後から1年間の動き

 ちょうど合格発表の翌日、(先ほどとは別の)上司が人事課と人事面談をする機会がありそこで話してくれたようです。無事その年の異動で企業支援を行う組織へ出向することになりました。上司には頭が上がりません。

 出向先ではメインは融資判断(結局銀行と同じ業務)でした。ただそれ以外にも経営者や士業の集会にも参加し、この1年間で交換した名刺は100枚をゆうに超えました。中には「出向元に戻っても連絡してくれていいよ」と言ってくださる方もいらっしゃり、人間関係の輪が大きく広がりました。

 もちろんプライベートでは実務補習にも参加し、診断士仲間とも時折交流を行っています。実務補習は試作板金加工業と卸売業。残りの5日は実務で補いました。

 経営者との会話や工場現場の視察をとおして実感したのは、診断士の資格って踏み台に過ぎないということ。診断士自体には独占業務はほぼないし、経営全般について体系的な知識を身に着けただけ。
 実際に私も診断士取得後に50社以上の工場を見てきましたが、加工現場のCNC旋盤やプレスブレーキ、門型マシニングセンタ、ファイバーレーザー加工機、これらの機械を見て「何を作っているのか」「加工工程はどのようか」「強みは何か」を理解するのに非常に苦労しました
 とはいえ診断士試験は決して無駄ではありませんでした。事例Ⅲのような試験や1次試験の経験があるからこそ、そこを基礎としてさらに経験や知識を積みあげ、個社事の特徴を捉え、企業診断ができるようになると考えています。

今後の予定

 今年度で出向元に戻りますが、「30日の実務要件」は達成し、今月に「理論政策更新研修」を1回受ける予定です。その後の4年間であと4回受けたいところです。

 そして来年度からはとりあえず、しばらくは企業支援の部署で働けるはずなので入社当初の目標は達成です。

 下請企業の支援、BCP、経営計画支援、支援手段は幅広いので自分が何をやるかは分かりませんが今までの経験を活かしていきます。

 次の異動の時はその先の人生を見据えて、最善の選択をします。

■おわりに

 「なんか面白そうだから」「コロナ禍で暇だから」「給料加算されるから」という理由で取得した人も実務補習で会いました。もちろん受かった者勝ちなのが試験ですが、どう活かすかで資格が人生へに与える影響力は大きく変わります。せっかく勉強するのなら、どうやって活かすかを考えながら勉強してみてください。きっとモチベーションも維持できます。頑張ってください。

次回は、だちょー さんの登場です。 

お楽しみに! 

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