診断士試験は俯瞰・戦略・計画性 byあやや
読者のみなさん、こんにちは。
タキプロ15期あややです。
あっという間に桜の季節も過ぎ去り、次はGWが待ち遠しいところ。
私は花粉症持ちなので、飛散が下火になるという意味でもGWが待ち遠しいです。
今日は、私の診断士試験チャレンジを振り返りたいと思います。
「こうしておけば良かった」の反省点も含めて書いてみましたので、どうぞお付き合いください。
■はじめに ~きっかけ~
私が中小企業診断士試験にチャレンジしようと考えたのは2021年の秋。
以前から診断士資格のことを知ってはいましたが、
「(何となく)難しそうだし自分には絶対ムリ!」と長年思っていたのです。
しかし、診断士試験の内容を具体的に知る機会があり
「経営に関わる様々な知識を体系的に学ぶことができそう」
と感じたことがきっかけで、チャレンジすることに。
その当時の私は、メーカー(工場)の人事総務担当、かつ管理職になって数年という時期でした。
学生時代も社会人になってからも勉強はサボり気味だったため、社会人として持っておくべき経営やビジネスの知識も薄い状態。
役割として色々な判断を求められることが増える中、軸となるような知識や考え方があった方がいいのでは?
…というか、このままではマズいのでは??
と悩んでいたところだったので、「これだ!」とチャレンジを決意しました。
その年の社労士試験に合格し、将来的には社労士資格とダブルで活かせるのでは?という思惑もあり。
そんなわけで、2021年の11月頃から少しずつ勉強を開始し、2023年度に受験。
結果的に、1次試験・2次試験ともに1回で合格することができました。
■診断士試験の特徴と My戦略
診断士試験の特徴は、何といっても範囲の広さ。
1次試験では、分野の違う7科目を攻略する必要があります。
そして、1次試験の科目合格制度と、2次試験受験資格が2年まで、という特有の試験制度。
この制度のために(おかげで?)、色々な受験戦略を取り得る試験だと思います。
1次試験の一発合格を目指すのか?科目合格を狙っていくのか?
それぞれのバックボーンや状況に応じて、戦略を立てることが可能です。
ちなみに、私が当初描いていた戦略は、科目合格制度を活用するものでした。
①1年目は2次試験に関係の薄い暗記4科目(経済学、システム、経営法務、中小企業政策)+苦手な財務会計を受験
②2年目は2次試験に関係の深い3科目(企業経営、運営管理、財務会計)+2次試験を受験
理由は、
①経済学が全くの初学+財務会計がネックになりそう。特にこの2科目をじっくり学習したい
②1回目の2次試験も、ある程度準備をして受験したい
また、2022年7月頃まで、他の勉強と並行して行う必要があったためです。
ただ、学習していく中で、全科目合格を狙った方がいいのでは?と心が揺れてきました。
得意だった企業経営理論や運営管理で他の科目を補うなら、一発合格を目指す方が良いように思われたのです。
(経営情報システムが予想以上に難敵でした…)
というわけで、2023年4月に1次試験の一発合格を狙う作戦にチェンジ。
当初の計画からは180度転換となりました。
■1次試験対策について
私の1次試験勉強期間は約1年半、時間にして約1,200時間かけています。
その中でも、経済学と財務会計に重点的に取り組みました。
経済学は、昨日のしゅうすけさんのブログでも紹介されていた、石川秀樹先生の
「速習!ミクロ経済学」「速習!マクロ経済学」
の、テキスト&YouTube動画を元に学習。
けっこうな時間は掛かりましたが、かみ砕いて丁寧に説明されているので、初学の私にはとても良かったです。
理解が不十分だな、と感じた時にはこちらのテキストや動画を見返すようにしていました。
また、数字が苦手な私は財務会計に苦手意識がありました。
財務会計では、一定数簿記関連の問題が出題されます。
簿記3級を15年くらい前に取得したもののほとんど忘れてしまっているし…
ということで、3級の復習を中心に、2級の商業簿記にも少し手を出し、1か月程度簿記の学習をしました。
遠回りではありますが、1次試験で出題される部分を大体理解できたので、良かったと思っています。
それ以外の科目では、経営情報システムに苦労しました(7月の模試では40点台)。
何せ、診断士用テキストに掲載されている以外の内容(直近のトレンド)が問われることが多い!
本番でも「テキストのどこに載ってました??」と言いたくなる問題がありました。
ので、最新のITパスポートのテキストにも目を通して、今のトレンドにちょっとでも触れておこうとしていました。
そうはいっても、全ての選択肢の正誤を知識で判断できる問題ばかりではありません。
なので、絞り込めない問題は、自分の全知識と日本語力を総動員して総合的に絞り込んでいくように心がけていました。
全科目、一通りテキストや講義での学習を終えたら、問題集や過去問を使ったアウトプットに切り替え。
アウトプット中心に理解度を確認し、必要に応じてテキストに戻る…という流れで進めていました。
が、何といっても7科目。
1科目ごとに学習を進めていくと、もう一度その科目に戻ってくるまでに2~3か月経過、というのもザラ。
学習した内容が頭から抜けてしまうこともしばしばでした。
ただ、そこは割り切って、少しずつ知識と理解を重ねていくことを意識。
そして理解度も見ながら2科目を並行して学習することで、学習の間隔を開けすぎないことを意識していました。
また、ギリギリ合格ではなく、想定外の何かがあっても合格レベルを目指そう、という目標設定だったこと、
5月頃には手応えを感じていたものの、7月の模試で思ったように点が取れなかったことで、ギリギリまで1次試験の勉強に集中。
(事例Ⅳだけは並行して学習していましたが)
本試験では経営情報システムに苦戦しながらも、全科目合格点を取ることができました。
■2次試験対策について
1次試験対策にはじっくりと時間を掛けた(掛けられた)のですが、2次試験対策は慌ただしくなってしまいました。
事例Ⅳは5月のGW前後から学習を開始したものの、事例Ⅰ~Ⅲは1次試験終了後にスタート。
勉強時間では180時間程度です。
目の前の1次試験ばかりを意識しており、1次試験終了時点では、過去問にすらまともに目を通したことがありませんでした。
そのため、自己採点でどうやら1次試験がクリアできたと分かってから、限られた時間内で何をどうすればいいのか、非常に焦ったものです。
(ちょうどその時期に開催されたタキプロのセミナーで、先輩合格者の方からお話を伺えてとても参考になりました!)
1次試験は選択肢が与えられているため、「なんとなく」の理解でも正解にたどり着くことは可能です。
しかし、2次試験は与件文という材料は与えられながらも、自分の言葉で説明することが求められます。
(しかも、字数指定されて!)
そのためには、1次試験知識を自分なりに言葉で説明できることが必要となります。
初めて過去問を解いてみた時、知識の曖昧さもあってほとんど記述することができませんでした。
私は、予備校のWEB通信を受講+「ふぞろい」で過去問学習するスタイルでしたが、記述力の補強として「EBA 100字訓練」に取り組みました。
お題に対し、あまり時間を掛けずに自分で記述 ⇒ 模範解答でスタイルを学ぶ
という流れで、知識整理+書き方を学んで「1次知識を求められた形式で端的に表現する力」をつけていきました。
8月半ばから試験までの3か月半、ほぼ毎日取り組んだことで、基礎力アップに繋げられたのかな、と思います。
また、2次試験でよく使われる「フレームワーク」の理解も大きかったです。
事例Ⅰの「幸の日も毛深い猫」、事例Ⅱの「だなどこ」といったものですね。
最初は「言葉だけ知っているけどうまく活用できない」状態でした。
フレームワークの使い方については、ブログ等色々なところで先輩方が書かれてくださっています。
私もそんなブログを読み漁りながら使い方を模索していきました。
そして、フレームワークに当てはめて考えることを意識して解くうちに、解答のレベルが安定してきたように思います。
全てがフレームワークに当てはめられるわけではありませんが、短期間で解答力を上げるには重要ポイントだと思います。
そして、2次試験は正解が公表されていません。
「ふぞろい」で分析されている、得点につながったと思われるキーワード等を元に自分の解答を採点するしかありません。
が、キーワードが入っていても全体の文脈がちょっと違うな?と感じる時は、文脈も重視するようにしていました。
また、自分の書いた答案が第三者の目から見てどうなのか?というのは自分ではよく分かりません。
なので、予備校の課題で第三者の採点を受けるのはいい気付きとなりました。
予備校に限らず、第三者目線の気付きやアドバイスは有効だと思います。
2次試験の勉強をいつからスタートするべきか?は人によって意見が分かれるところだと思います。
自分の経験を通じて今思うことは、
「1次試験勉強の段階で、2次試験で問われることを把握&意識しながら1次試験の学習を進める。
1次試験突破の目途が立ってきたら、2次試験の学習も並行して進める」
知識が自分なりに説明できるレベルで頭に入っていて、記述式にも慣れていれば、早い段階で次のレベルに進めます。
準備期間が限られている2次試験においては、それって大きなことだよな、と感じました。
私の場合は1次試験終了までをざっくりした感覚で進めてしまったため、2次試験までにやるべきことが全て積み残しになっていました。
結果的に2次試験準備が非常にタイトになり、(本業が忙しい時期と重なったこともあって)精神的にもきつかったです。
そうならないためにも、最初に(或いははどこかで立ち止まって)「全体を俯瞰して把握」しておくべきでしたし、
大まかであっても全体を通した勉強計画を立てるべきだったな、と反省しています。
■おわりに ~診断士試験を通して得たもの~
色々と書いてきましたが、2次筆記試験では手ごたえもなく、落ちたと考えていました。
そのため、再現答案だけは作ったものの、合格発表まで問題には触れず、模範解答も見ず、採点サービスも利用せず…でした。
けれど、思いがけず筆記試験に合格し、口述試験を受け、合格。
後から得点を見ると、比較的得意な事例Ⅰで得点を稼いでいたものの、安定していたはずの事例Ⅱを大外し。
思ってもみないことを積み重ねての合格だったな、と思います。
また、「自分には絶対ムリ」なんてことは、ゼロではないけどあまりないんじゃないか、と思えるようにもなりました。
合格して、2月には実務補習にも参加しました。
実務補習では、診断士のお仕事のほんのさわりの部分ではありますが、診断業務に携わることができ、これまで、出会わなかったような色々なバックボーンを持つ人たちと出会いました。
世界が広がった気持ちになりましたし、これから更に広げていけそうな可能性を感じています。
知り合いの診断士の方のお話を伺っていても、本当に色々なことができる可能性がある資格だと感じます。
もちろん、自分から動かなければ何も実現しません。
「変えてみよう」「動いてみよう」と思えるようになったことが、一番大きな変化かもしれません。
将来的なことはまだ模索段階ですが、まずは色々なことに関わっていきながら、中小企業の方たちのサポートをするための力を磨いていきたいと考えています。
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次回はTAKUさんの登場です。
お楽しみに!
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
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