事例Ⅲ(令和6年度)の分析と解答例 by かずや
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はじめに
中小企業診断士試験の事例Ⅲ(生産・技術)では、生産管理や工程改善、新規事業展開といったテーマが中心になります。
2024年度(令和6年度)の試験問題を基に、分析内容と解答例を共有します。解答の一例として参考にしていただき、批判的に確認いただければと思います!
■第1問:C社の強み
問題概要 C社の強みを80字以内で述べる。
解答例
強みは①特注品対応可能な高い技術力、②工場レイアウト設計を含めた生産性向上の提案、②X社を含む安定した顧客基盤、③設計から製造まで柔軟に対応できる一貫生産体制。(80/80)
解答の根拠
• C社は特注品の受託生産を得意としており、設計部による製作図面作成や部品構成表の作成が可能です。
• 社長は、工作機械メーカーX社で搬送機器を含む工場設備レイアウト設計を担当し、工場の生産性を高める提案を行ってきました
• 顧客基盤は、X社を中心に複数の工作機械メーカーや物流機器メーカーから成り立っており、安定しています。
• 製造部はフレームの内製化を含む一貫生産体制を持ち、品質管理と効率的な生産が可能です。
■第2問:工程改善の進め方
問題概要 コロナ禍以降の受注増加に対応するため、C社製造部の生産能力向上を図る工程改善の方法を100字以内で助言する。
解答例
製缶課のボトルネック解消を最優先に、作業標準化と自動化を進めることで生産効率を向上させる。また、データを活用して週次計画を精緻化し、製造部全体の負荷平準化を図ることで生産性を高める。(91/100)
解答の根拠
• 製缶課は残業や休日出勤が多く、生産能力の制約要因(ボトルネック)となっています。
• 週次日程計画表の各作業の工数見積は、製造部各課長の経験を基に作成されています。
• 作業標準化や自動化を行うことで、作業効率を向上させ、計画変更にも柔軟に対応可能な体制を構築します。
■第3問:工程管理業務の改善
問題概要 受注量増加や納期短縮要請で混乱している工程管理業務をどのように改善すべきか、進め方を100字以内で助言する。
解答例
ITを活用し、工程全体の進捗を見える化する仕組みを導入する。リアルタイムで進捗を共有可能にし、週次会議での調整を迅速化することで計画変更への対応力を強化し混乱を防止する。(84/100)
解答の根拠
• 工程管理の混乱は大日程計画や週次計画の変更が常態化していることが原因です。
• 生産会議には必要に応じて設計担当者が参加し、変更内容を周知しています。
• ITを活用してリアルタイムの進捗管理を行い、工程の見える化を実現することで計画変更への対応力を向上させます。
■第4問:価格交渉の事前対策
問題概要 材料費や人件費の高騰に対応するため、顧客企業と価格交渉を円滑に進めるための社内事前対策を120字以内で助言する。
解答例
最新の材料費や人件費を基に原価計算を精緻化し、コスト増加要因を具体的に数値化する。価格交渉資料を整備し、営業部員には交渉スキル向上研修を実施して説得力を強化。生産性向上の提案を含め、高い付加価値を訴求しで契約交渉を進める体制を構築する。(118/120)
解答の根拠
• 現状の見積もりは過去の契約金額に基づいており、コスト増加を反映しきれていません。
• 営業部員が交渉スキルを磨くことで、コスト増加の妥当性を顧客に納得させる交渉が可能になります。
■第5問:新規事業展開の推進方法
問題概要 小規模施設向けの新規事業展開を成功させるための方法を120字以内で助言する。
解答例
ターゲット市場を詳細に調査し、顧客ニーズを満たす製品を設計・企画する。営業部と設計部が連携してプロトタイプを開発し、展示会出展やデジタルマーケティングを活用して新規顧客の獲得を目指す体制を構築することで、事業を拡大する。(110/120)
解答の根拠
• 小規模施設向けの製品展開には、顧客ニーズを的確に把握し、それに基づいた製品企画が不可欠です。
• 営業部と設計部の連携によりプロトタイプを作成し、展示会やオンラインでの認知向上を図ることで新規顧客の開拓を可能としていきます。
おわりに
事例Ⅲでは、生産工程やコスト管理、新規事業展開といったテーマが中心となります。特に本年度は、生産現場での課題解決や新たな市場へのアプローチ方法が問われる内容でした。
解答例を参考に、ぜひブラッシュアップいただき、実践力を高めていきましょう!
次回は、ふっきー さんの登場です。
お楽しみに!
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