[1次][2次] グラフや数式に慣れるには
中小企業診断士を目指す皆様、がんちゃん/岩間 です。おはようございます。
診断士試験では、たくさんの数式やグラフがでてきます。特に、1次試験の「財務・会計」、「経済学・経済政策」、2次試験の「財務・会計」などでは、避けては通れません。
しかし、日常から数式やグラフを使っていない方や、学生の頃に数学が苦手だった方の中には、苦手意識をお持ちの方もいらっしゃると思います。
そこで今回と次回の2回に渡って「グラフや数式へ慣れるには」をお伝えします。
※本記事では、厳密性や一般性より、分かりやすさを優先している箇所があります。
目次
◆サマリ
- グラフや数式を読み解くには
- 何の量と何の量の関係かを意識し、
- 特徴を捉え、
- なぜその特徴になるかを、考えましょう
- 読むステップと、考えるステップを、明確に区別するのがポイントです。
◆グラフや数式は、2つの量(変数)の関係を表します
→何と何の関係を表すか意識しましょう
例を考えてみましょう。
- 例1:缶コーヒーを買う場面を想定します。1本120円で売られています。2本買うには240円必要で、10本買うには1,200円必要です。
- 例2:プレゼントを購入し、割り勘する場面を想定します。プレゼントは10,000円でした。これを4人で割り勘したら一人あたりの負担額は2,500円になり、10人で割り勘すれば一人あたり1,000円で済みます。
このように、
- ある場面には、
- いくつもの量があります。(変数といいます)
- そして、これらの変数は、互いに連動して変わります。
(例1では、変数は「缶コーヒーの本数」と「合計金額」です。例2では「割り勘する人数」と「一人あたりの負担額」です。)
2個の量(変数)がどのように変わるかは、グラフや数式を使って表します。
- 視覚的に表すには「グラフ」を用います。
2個の量(変数)を縦軸と横軸に割り当てて、関係性を直線や曲線で表します。 - 言語的に表すには「数式」を用います。
2個の量(変数)を1つの数式に含めて表します。
「数式」も「グラフ」も、表現のしかたが異なるだけで、意味は変わりません。りんごを表したいときに、「りんご」と書くか「」と表すかの違いしかありません。
⇒【取り組み方】
- グラフや数式を見たら、何の量と何の量が出てくるかを意識しましょう。(←縦軸と横軸に注目)
- そして、どのような場面かを意識しましょう。
- 必要に応じて、数式はグラフに、グラフは数式に、直しましょう。
◆グラフの特徴を捉えましょう
2つの量(変数)の関係性は無数にありますので、グラフや数式の種類も無数にあります。ですから、関係性を理解するには、グラフや数式の特徴を捉える必要があります。
グラフを読むときに注目すべきポイントをお伝えします。
(※数式については次回)
まずは、グラフの大まかな形を見ましょう。
- (1) 動く方向は?
→増えていく(右上がり)? 減っていく(右下がり)? - (2) 急激さは?
→増え方・減り方が激しくなる?
増え方・減り方が穏やかになる? - (3) 動く方向や急激さが、途中で変わるか?
→最初は増えていくが途中から減っていく? など…
そして、必要に応じて、細かい点にも着目します。
- (4) 軸とどこで交わるか?
- (5) どの点を通るか?
- (6) 複数のグラフがある場合には、どこで交わるか?
⇒【取り組み方】
- グラフが出てきたら、まずは大まかな形を確認しましょう。
(動く方向は? 急激さは? それらが途中で変わる?)
- 次は細かい点を確認しましょう。
(軸とどこで交わる? どの点を通る? など)
◆なぜそのような特徴になるかを考えましょう
ここまでの2点「何と何の関係か?」「特徴を捉える」は、グラフや数式を「読む」ステップでした。
次の「なぜそのような関係になるか?」は、その次の「考察する」ステップです。
簡単な例を考えてみます。
- 「太陽は東から出て西に沈む」
→これは、太陽の動きを見たままに表したものです。 - 「地球は反時計回りに自転するので、太陽が東から西に動くように見える」
→これは、なぜそうなるかを、専門的な知識をもとに考察したものです。
このように、グラフの特徴を捉えたあと、科目特有の知識を使って、なぜそうなるかを考察します。ここが、科目を学習する本質的なところです。
例1:
- 場面:財市場
- 量(変数):利子率、均衡国民所得
- 特徴:利子率が下がると、均衡国民所得が増加する
- なぜ?:財市場では、利子率が下がると投資が増えるので、需要が増加する。これに伴って供給が増加し、均衡国民所得が増加する。
例2:
- 場面:ドルのプット・オプションを購入する(権利行使価額100円/ドル、資産1ドル、オプション料2円)
- 量(変数):買い手の損益、為替レート
- 特徴:
- 為替レートが98円/ドル未満では利益になるが、
98円/ドルを超えると損失になる。 - 為替レートが100円/ドル未満では、為替レートが増えると損益は減る。それを超えても、損失は一定で2円。
- 為替レートが98円/ドル未満では利益になるが、
- なぜ?:
- 為替レートが100円/ドル未満の場合、対象資産を市場で購入し、それを権利行使価額で売却する行動を取る。売却額から、資産の購入額とオプション料を引いた残りが、損益になる。
- 為替レートが98円/ドル未満の場合、売却額が、資産の購入額とオプション料の和を上回り、利益になる。
- 為替レートが100円/ドルを超える場合、権利を放棄する行動を取る。このとき損失はオプション料になる。
⇒【取り組み方】
- グラフや数式が出てきたら、それがどのような現象を表しているのかを、文章で考えてみましょう(※)。
※これは、2次試験にも直結します。例えば平成25年度の事例Ⅳでは、「資産の償却方法に応じて5年間の営業CFが異なる理由」や「借入金の返済方法によって返済後の現金有高が異なる理由」を一定字数内で記述させる問題がありました。これは、「なぜ?」を端的に聞いている設問です。
◆グラフ・数式を「読むこと」と「考えること」を、明確に分けましょう
これらのことは、きわめて当たり前のことと感じるかもしれません。
しかし、学習しているときに「はて、何のグラフだっけ?」と思った経験のある方もいらっしゃると思います。私もそうで、その時に意識したのが、「単にグラフを読む」ことと「科目知識で考察する」ことを明確に区別することでした。難しいと思うだけではなく、その原因を切り分けるだけでも、前に進みやすくなったと感じます。
次回は、グラフと数式の連携についてノウハウをお伝えできればと思います。
年度末で仕事が忙しくなったり、懇親会の機会も多かったりすると思いますが、体調には気をつけてくださいね。
以上、がんちゃん/岩間 でした。
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