【とどろき劇場第7章】 二次試験経験者の方へ
おはようございます。とどろき@9期です。
いよいよ、一次試験の発表も間近となり、二次試験本番まであと約50日となりました。
私が二次試験前に記事を書くのも今回を入れてあと2回になりました。今回は主に過去に二次試験の受験経験がある方に向けた内容となります。
1 得点確保に向けた意識と現場での対処
今回、二次試験に向けて準備している、ということは、当たり前ですが過去の失敗があるからということになるかと思います。自分自身の過程を振り返っても、痛いミスが発生し本来できたはずの問題を落としたのが合格点に達しなかった理由です。ただ、そのミスをカバーできる状態であれば、合格点には達していていたわけなので、そのミスだけが原因ではない、ということになります。
二次試験を3回受験した結果感じたことですが、各科目60点少々の点数を4科目揃える、ということは実は非常に難しい試験ではないかと。自分自身の成績でも、事例4は3回とも合格点を超えましたが、事例1-3はそれぞれ1回ずつしか合格点を超えていません。特に受験経験がある場合は尚更、それなりに高得点科目が出てこないと合格にたどり着きにくいと思います。実際周囲の合格者を見ても、1科目は70点以上で跳ねて失点をカバーしている科目があるような印象です。
そうするとやはり、
1 事例4では70-75点を目指す。
2 他の事例でも1つは70点を目指す。
という意識で準備をしていかないと、ミスを取り返すことが出来ず、周囲の勢いに呑み込まれる、ということになりかねないのではないでしょうか。
とはいえ、必要なのは、何も特別な答案を用意することではなく、基本的な公式、計算処理、キーワード等の整理といった事前準備に加えて、現場での対処方針を一層強固に固めることです。というのも、経験が有るがゆえに毎年の変化球に困惑してペースを乱され、落ち着いて処理できる時間を失い、取れるはずの問題を落とす、というのが経験者の敗因の多くを占めると思われるからです。
事例4であれば、経営分析は15分以内に終了する、個別問題は難易度と配点を見つつ時間を配分し、文章問題→CF計算→CVP→NPVのように労力の割に比較的点を確保しやすい問題順に対処する、他の事例であれば、明らかな知識や現状分析の問題を先行して処理し短時間で最低ラインを確保しつつ、ぱっと見分かりにくい助言、提案の問題については後回しにする、といったような、時間配分、着手の順番の判断を、普段の学習、答練、模試等で確認し、本番の想定をしていくことが重要だと思います。
2 答案構成(骨子)の重要性
毎日全ての時間を試験の準備に費やせるわけでなく、少ない時間を使ってどのように問題に当るか、これは二次試験に臨むにあたって難しい課題です。一方で、試験時間は1科目80分ですが、特に事例1-3では実際には前半40-50分の中での何をどう書くかを決める段階でほぼ9割近くは勝負がついているのが現実だと思います。
つまり、実際にどう書くかよりも、何を書くかを引き出すところ、つまり答案構成(診断士試験では解答骨子ともいいますか)の作成手順を強化し、安定させるのが普段の準備では重要なところです。設問を読み、与件の該当箇所を探り、回答を想定し、再度与件を読解し、キーワードを含め、因果関係を意識した解答のポイントをメモする、という手順で35-40分くらいで回転させます。それであれば、朝、昼休みなどの時間を利用して、見直しを含めても毎日1、2問は確実に出来るでしょうし、別途事例4の問題を解く時間も捻出できるはずです。
実際の答案作成は、キーワードの整理をした資料を見返して暗記するとともに、答練、模試等で調整をしていけばよいと思います。このように、答案構成を中心に普段は準備していくことは司法試験でも言われてきた準備のしかたです。
3 二次試験に向けての気持ちの持ちよう
各所のブログや体験記等を見ていると、昨年は特にストレートあるいは短期合格が多かったような印象なので、そのような記載を見ると、過去の傷口が傷むこともあるかもしれません。肩身の狭い思いをするかもしれません。そして、「自分も当時は死ぬ思いで準備した」「教材も完璧にやりこんだ」「受かれば何でも言える」として合格者と受験生の差によって生じる格差に苛まれ、診断士試験自体に対する気力が弱まることも有るかもしれません。実際私は同業者が書いた「弁護士であれば二次試験は楽勝」的な内容を目にしてやり場のない思いになる一方、なぜ自分が複数回受けてるのかという状況に自問自答をする時期も有りました。
このような思いは、失敗をしたことのある経験者であれば、誰しもが感じるものではないかと思います。それはいたし方ありません。痛いほど分かります。その思いを克服しようと、一層自分を追いつめて試験に臨んでしまう。そうして気合が入りすぎると、試験本番で与件に当ったとき常に全体を意識する姿勢が飛び、情報を吸いだせずあるいは処理に混乱し、かえって実力が出せない可能性があります。私が2回目の二次試験でかなりの合格の手ごたえを感じ有明から帰宅したにもかかわらず、まさかの失敗に終わった究極の原因はそれだったのかもしれません。
よく振り返ってみてください。こちらをご覧になる皆さんは、この試験に合格しなくとも、それぞれ立派な社会人としての地位がある方が大半だと思います。そして、あくまでこの試験は、自分の資質の向上を図るために自由な意思で受験しているわけで、失敗しても死ぬわけでも生活が成り立たなくなるわけでもありません。それくらいの気負いのない心境を意識した無心の状態で試験に臨むことがむしろ良い結果を生むかもしれません。(もちろん、淡々と試験に向けた準備をしていくことは前提です。)
昨年8月の時点を振り返ると、私は、リスタートの一次試験のあと休暇を取ったため、8月半ばに約10ヶ月振りに二次試験の学習を再開しました。事例4にしても、その他の事例にしても、前年度の詰め込みが残っていたのか、比較的早期にそれなりの感覚を取り戻すことが出来た一方、前年度からそれほど新たな上積みはなかったと思います。一番変わったのは、過去に2度失敗したことと、準備期間が前年度より短いことによる、開き直りの境地での対応だったかもしれません。
(気力については、試験とは全く関係ないことで9月、10月とかなり山あり谷ありいろいろ揺れ動きましたが、、、)
挫折を経験していることはその過程では辛い思いですが、結果的にはマイナスにはなりません。乗り越えたことによる精神的な強さを基に、色々な局面で弱い立場への共感力が上がるはずです。診断実務でも、厳しい状況の経営者に対して同様の目線で接することができるはずです。そして、今年度合格したら、前年度合格なら出会いがなかったであろう人たちとの出会いが生まれ、こう思うはずです。「今年合格でよかった」と。そのような思いを胸に、自分を信じ抜き、あと2ヶ月間頑張ってください。
明日は、WEB勉強会班よりFGさんです。
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