令和元年「事例1」を再現する by 風太(ふうた)
皆さんこんにちは、風太(ふうた)です。
⇒5年かかった合格体験記はこちら、前回の2次試験に関するブログはこちら
今回は、令和元年「事例1」の、風太の受験本番時の心持ちと答案を、再現してみます。
⇒問題用紙はこちら
試験開始直後
答案用紙は、100字×5と、ごくオーソドックス。
与件の最初の段落だけを見る。農業などの機械製造メーカー。良く出たパターン。同族会社か・・。
去年みたいにオーソドックスな事例だといいな・・
設問分析
第1問 A 社長がトップに就任する以前の A 社は、苦境を打破するために、自社製品のメンテナンスの事業化に取り組んできた。それが結果的にビジネスとして成功しなかった最大の理由は何か。100 字以内で答えよ。
「最大の」か。過去あったパターン。包括的な理由を1つを書き、その補足を3点ほど入れよう。
型:最大の理由は~だから。具体的には①、②、③である。
第2問 A 社長を中心とした新経営陣が改革に取り組むことになった高コスト体質の要因は、古い営業体質にあった。その背景にある A 社の企業風土とは、どのようなものであるか。100 字以内で答えよ。
古い営業体質。背景の企業風土。簡単に行けそうだ。
型:企業風土は①~、②~、③~、である。
過去の成功体験にしがみつき変革を拒む組織慣性、あたりだろう。
高コスト、はよくわからない・・与件を探そう。
第3問 A 社は、新規事業のアイデアを収集する目的で HP を立ち上げ、試験乾燥のサービスを展開することによって市場開拓に成功した。自社製品やサービスの宣伝効果などHP に期待する目的・機能とは異なる点に焦点を当てたと考えられる。その成功の背景にどのような要因があったか。100 字以内で答えよ。
また「背景」。セオリーはわからないが、「異なる点」に注意。普通のHPの効果とは違うものを与件から探そう。見つけやすそうだ。
型:要因は、①~、②~、③~、である。
第4問 新経営陣が事業領域を明確にした結果、古い営業体質を引きずっていた A 社の営業社員が、新規事業の拡大に積極的に取り組むようになった。その要因として、どのようなことが考えられるか。100 字以内で答えよ。
ポジティブ系。「事業領域を明確にした」ことによるモラール、モチベーション上昇効果。
型:要因は、①~、②~、③~、である。
ドメインは苦手、また「考えられるか」だから与件にストレートには書いてないかも。少し手こずるか。
第5問 A 社長は、今回、組織再編を経営コンサルタントの助言を熟考した上で見送ることとした。その最大の理由として、どのようなことが考えられるか。100 字以内で答えよ。
また「最大の理由」。見送った理由、って珍しい。再編を「しない」理由。組織と戦略。
型:最大の理由は、~である。具体的には①、②、③である。
再編を「しない」方がA社にとっていいことがあるから。それを書けばいい。
総じて、去年なみにオーソドックスそう。第4問が少し気になるが、ラッキー。
与件読み
ふむ、ふむ、やっぱりオーソドックス。読んでわからないところは無い。答えやすそうだ。
対応付け、解答
第1問
「ビジネスとして成り立たず」がキモ。なぜか?売上減少と費用増大、それぞれの理由を書くか?
「市場が縮小しているから」は最大の理由になる。でもこれは事例1。もっと本質的な問題を書くべきでは。
よし、最大の理由は「A社の強みが活かせなかったから」にしよう。第5問とも呼応できる。
そして「具体的には」で①売上減少と②費用増大の理由。③はどうする?勢いで何か書こう。
■答案
最大の理由は、A社の強みを活かせる事業で
なかった事。具体的には①葉たばこ乾燥機は
需要が減少しメンテナンス収入は低く②部品
在庫で高い費用がかさみ、事業として成立せ
ず③A社の乾燥技術の強みを活かせなかった。
第2問
「同族企業」「参入障壁の高さ」「古き良き時代を知っている古参社員」「(新しい事業を)そう簡単に受け入れるはずもない」
あたりがキーワード。これでまとめよう。
■答案
企業風土は、①同族企業であり排他性が高く
②参入障壁の高さに守られた過去の成功にし
がみつき③保守的で、外部の知見や新手法を
受け入れたがらない。以上から、変革を起こ
しにくい組織風土である。
第3問
「営業部隊のプレゼンテーションが功を奏した」は当確。でもその手前の要因が難しい。
「1990 年代後半のインターネット黎明期では考えられなかったほど多く」ってなんだ?なぜ突然90年代が出てくる?
わからない!時間かかるのにまとまらない、やばいパターン!
よし、第1問の流れで「(乾燥技術という)強みを活かす」を軸にして書き逃げで行こう。
■答案
要因は、①農作物の乾燥技術に経営資源を集
中し技術を高めた事、②乾燥技術に潜在的な
顧客ニーズがあり市場が存在した事、③営業
部隊が乾燥技術というコアテクノロジーをプ
レゼンテーションした事、である。
第4問
①②③は、事業ドメインから1つ、あと2つはわからない・・
営業のモラールアップにつながる与件内の根拠は?
「新規事業を必要とする市場の開拓はもちろん、販売チャネルの構築も不可欠である。」で行くか。
■答案
要因は、①事業ドメインの明確化によりA社
競争領域が明確になり②機器やソフトウェア
の新商品が開発され③営業には、新市場開拓
や販売チャネル構築という、挑戦的な課題が
提示される事で、モラールが高まったから。
第5問
今回は、中小企業診断士でなく「経営コンサルタント」を使っている。珍しい。意味はあるのかわからない、気が散る。
A社にとっての「機能別組織のメリット」を書けばいい。最大の理由は、第1問と呼応させ「強みの維持強化」で行こう。
あれ、事業部制組織のメリットは何度も書いたことがあるけど、機能別組織のメリットって、文章で書いた記憶が無い・・。
まあ、箇条書きは覚えているから、書けるけどね。ゴールは「経営改革を成功させるため」で全体を締めてフィニッシュ。
■答案
最大の理由は、A社の強みを維持強化する為。
具体的には①機能別組織を維持し専門化を高
め、乾燥技術を高度化し②社長の統制のもと
組織的一体感を醸成し③部署ごとのシナジー
を活かし、経営改革を成功させる為。
結果
開示請求の結果、60点ジャスト。
はい、このくらい肩の力を抜いていいんです。全体を「強みを活かす」で貫き、あとは与件から拾っただけです。わからない問題(今回は第3問)は決して深入りせず、書き逃げ。これで60点になります。
第4問で「成果に応じて支払う賞与に回すことが可能になった」(=成果主義)に触れられれば、64点くらいになったかも?
ぜひ皆さんも、肩の力を抜いて本番を迎えて下さい。
当日やることは、過去の合格者が書いてきたことと、当日配布される与件文の文章を組み合わせるだけの、簡単な作業だと思ってちょうどよいです(実際そうなんですが・・)。
そして余力は事例4に取っておきましょう!これ大事です!
明日はフッキさんです。乞うご期待!
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