妬まず僻まず、正しく努力していますか?byヤマフリ

読者のみなさん、こんにちは。
早いもので4回目の登場、タキプロ13期のヤマフリと申します。

1回目:多年度受験生の方へ 大丈夫です!私のほうが長いです!!
2回目:ゴールデンウィークまでは第1章、ここから合格に向けて第2章が始まる
3回目:事例Ⅰは人と組織をカスタマイズ 大事故のおかげで学んだこと

上記タイトルをクリックすると過去記事ページにリンクします。

ブログも4回目になると読者のみなさんとも馴染んできたような気がします。(一方的に)
ということで少しフランクな話から入りますが、私はNiziUやPRIKILが好きです。
それは私自身がタキプロ内アイドルグループ(!)TKP43のメンバーであり、同業者(?)を意識してということではありません。
より詳しく言うと、デビューメンバーの数名枠に入るべくレッスンに取り組むドキュメンタリー風オーディション番組が好きなのです。

まだ10代(中学生から高校生くらい)の女の子が、デビューメンバーに入るべく歌やダンスはもちろん、魅力を高めるために特技を披露したり、人間性を高めるためリーダーを買って出たり、そのすべてを審査されます。
合宿生活なので、それこそ寝食忘れる勢いで練習漬けの毎日です。
しかし必死に練習しても毎回脱落する子が選ばれる。同じ目的に向かってともに励ましあい汗を流してきたから、仲間のリタイアを本気で悲しむ。
互いに誰かを蹴落としたり、妬んだり僻んだりといった負の感情はないので、去っていく子は残る子を本気で応援する。
すごいと思いませんか?10代の女の子ですよ!
彼女たちの真摯な姿に大いに感化されました。

アドバイスを受けて、自分の癖や足りないところを改善するために正しく努力する姿に、私も見習わなくちゃと机に向かったものでした。(見聞きするものに意味づけをして、自分のモチベーション向上に結び付けることも多年度受験生の特徴の一つです。)


本文に移る前に、合格確率が上がると巷で噂の下のハートをクリックすることをお忘れなく。

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■6年にわたる悪戦苦闘の歴史

合格するまでの事例Ⅳ得点開示の結果です。
平成25年 57点(B)
平成26年 52点(B)
平成27年 72点(A)
平成28年 59点(B)
令和2年   55点(B)
令和3年   64点(A) av.59.83点
実は、4事例の中で最も平均点が高かったのが事例Ⅳでした。
ですが、これまでのキャリアを文系として過ごしてきた私にとって事例Ⅳに対する苦手意識はなかなか拭えず、時間を決めて習慣化し、問題集やテキストを開いた状態にして、心を無にして席につかないとなかなか取り組むことができない科目でした。

■財務会計と事例Ⅳは似て非なるもの?

とはいえ、高校時代の数学についてはそれほど難しく感じていませんでした。文系クラスの数学ですから難易度は高くありませんでしたし、因数分解や数列、三角比など公式さえ覚えてしまえば使うべき数値の導出はそれほど厄介ではない。要はしっかりと公式が身についているかが試されていたような気がします。単純記憶で公式を詰め込むことで解けないことはないが、数字や記号を扱い覚えた公式に代入して解答を導く、そのある意味機械的な作業にストーリーや情感が見えてこないことが性に合わなかったのかもしれません。

財務会計も近いものがあると思います。
経営分析や損益分岐点売上高、税引き後CFやWACC、CAPMなど、より多くの公式を身に付けしかるべき設問で利用することが加点につながります。
最近では公式を知っているだけではなく、数値導出にひと捻り加えたり規則や理論問題も多くなっていますが、設問自体にストーリー性はそれほどないため、基本的には「読み解く」ことより「知っているか否か」の方が重要だと思います。
計算力もほぼ不問です。
難しくとも小数の加減乗除が計算機なしでできれば十分でしょう。

しかし、事例Ⅳは違います。
出題範囲は経営分析、CVP分析、意思決定会計、セグメント別会計、CF分析、その他記述問題と一気に狭まります。
(最近CF分析をあまり見なくなりましたね。油断したころにまた出してくるかも。)
その代わり、数値や諸表のような一見無機質に見えるデータを分析するにあたり、意味を持ったストーリーとして読み解く必要があります。
例えば、下の問題をご覧ください。

1+2

一桁の足し算を習い、理解していれば「3」という答えを導くことができます。
では、次の問題はどうでしょう。

D社は飲食店チェーンである。
X市に和食屋2件、Z市に3件の洋食屋を運営している。
ところが近年の原材料費の高騰を受け、D社全体の収益が低下している。
そこでD社は不採算店舗を閉店することにした。
各店舗の決算資料に基づき、売上高、変動費、個別固定費、共通固定費を集計し、採算性を検討した。
今後D社が残すべき店舗は、各市それぞれ何店舗で合計何店舗か求めよ。


若干強引な設定かもしれませんが💦お伝えしたいことはこういうことです。
前者の例題では単純に1+2という計算式が解けるか解けないかを試されています。
後者の例では、最終的に自ら1+2という計算式を立てて「3」という答えを導き出しています。
計算式を立てるまでに、いくつかの段階を踏む必要があります。

現状把握D社の現在の状況を理解します)→原材料高騰で収益悪化
あるべき姿D社が目標とする状況を理解します)→D社全体で収益が出る経営体制構築
経営課題①と②の間にある埋めるべきギャップを理解します)→不採算店舗の整理
施策策定と実行課題達成策を立てて、実行する)→各店舗の採算性を評価し、不採算店舗を閉める
※ 実際には、不採算店舗を閉めることで個別固定費を削減できるのかなどの疑問も残りますが、シンプルな設定で考えてください。

①から④まで進めるためには知っておくべき知識とその活用法(私はたびたび「道具」とその「使い方」と例えます)があります。
その一つとして、業績評価は限界利益ではなく貢献利益で行うということです。
利益概念として貢献利益を知らないと、真に採算が取れている店舗を把握することはできません。

つまり1次試験の財務会計は経営課題の達成に必要な道具をそろえたり、その使い方を身に付けたりする過程であり、2次試験の事例Ⅳは実践的段階として適切な道具を適切に使うことで、事例企業の課題や問題を財務面で克服、改善することができるかを試されていると言えます。(このことは事例ⅠからⅢまで同じことが言えますね)
これが財務会計と事例Ⅳの違いだと思います。

中小企業はすべからく成長を目指して中小企業診断士に相談します。
私たちは自ら持つ道具を駆使することで診断先企業のお手伝いをしなくてはいけません。
例えば、
経営分析で、収益性・効率性・安全性を評価します。
CVP分析で、費用-営業量-利益の関係性を評価し、売上目標や達成可能性を示してあげます。
意思決定会計で、設備投資やM&Aなど拡張戦略に対し、適切な判断をします。
セグメント別会計で、製品や部門、店舗ごとの業績評価をします。
CF分析で、貸借対照表や損益計算書を補って営業・投資・財務面の資金運用を分析・評価します。

知識をリアルの場で活かすためには、その作業パターンを叩き込むトレーニングが必要です。

■事例Ⅳのトレーニングに役立った問題集 私的ベスト3

道具をそろえ適切な場所での使いかたを知ることで、数字嫌いの私でも何とか事例Ⅳで合格点をとることができました。
勉強開始時のほぼ無知な状況から、戦えるところまでレベルアップするためには、世間で言われる反復トレーニングは必須です。
いくつか取り組んだ問題集の中でも、数回転することで大きな効果を実感できたものを私的ベスト3でご紹介します。

第3位 財務会計 完全正解精選問題集 日本マンパワー

10年にわたる受験生生活の比較的初期に取り組んだ問題集です。1次試験対策メインの構成ですが2次試験対策としても役立ちます。
これを数回転することで財務会計知識のベースができたと思っています。
難易度別章立てと解説の丁寧さが特長です。

第2位 意思決定会計講義ノート 税務経理協会

「中小企業診断士試験対策としては度が過ぎる」といった意見も散見されますが、私にとってはとても役に立ちました。
解説を読み解くのに大変苦労しましたが、同論点を診断士テキストとは違う角度から説明されるので、知識の幅が広がったように思います。
ただし、すべての章を学習する必要はありません。もし取り組むのなら以下をご参照ください。
【取り組むべき章】
Lecture2 CVP分析(基礎)、Lecture3 CVP分析(応用)、Lecture4 事業部の業績評価、Lecture6 業務的意思決定会計、Lecture8 戦略的意思決定会計(1)、Lecture9 戦略的意思決定会計(2)、Lecture10 戦略的意思決定会計(3)
その他の章については2次試験対策としては不要です。また取り組むべき章であってもすべての例題・問題を解く必要はありません。
「この問題、診断士試験とは関係ないな」と思ったら、飛ばしていただいて結構です。

第1位 事例Ⅳ(財務会計)の全知識&全ノウハウ 同友館

昨年本試験前の直前期に仕上げとして3回転しました。短期間で数回取り組むことで知識の定着と本試験のレベル感を再確認できたと思っています。
テーマごとの解き方についての説明が親切だし、そのあとにテーマを象徴する選ばれた過去問を解く流れなので、知識を自分のものにできます。(インプット講義のあとにすぐアウトプット実践という流れですね)

■おわりに

みなさんは、診断士資格取得に向けて正しく努力していますか?真摯な姿勢で歌やダンステキストや問題集に取り組んでいますか?
努力した人のすべてに良い結果が訪れるかと言えば、残念ながらそうとは言えない現実もありますが、良い結果をもたらすためには正しく努力する必要はありますよね。
その姿に家族や周囲の仲間たちはきっと何か手を貸してあげたいと思っているはずですし、タキメンたちもその苦労を知るからこそ共感をもって心から応援したいと思っています。

よろしければ、タキプロのセミナーや勉強会にもご参加ください。
お互いに刺激を与えあい、励ましあえる受験生仲間もたくさん集まっていますよ。
仲間と切磋琢磨しながら、デビューメンバーの座資格取得を勝ち取ってください!!

次回はつっこミンに突っこまれたい受験生殺到中!?
TKP43仲間のさっとさん登場です。
お楽しみに!

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