50代のIT弱者による経営情報システム直前期対策 by ミョンス
読者のみなさん、こんにちは。
タキプロ13期のミョンスと申します。
試験に向けてこの連休は大きなヤマ場だと思います。まだまだ伸びます。ここからが勝負です。
そんな皆様に向けて「パワポ作成で一日の業務が終わる」「エクセル集計をミョンスに頼まぬよう職場で気を遣ってもらってる」、典型的な50代IT弱者で、経営情報システムは自信をもって「苦手科目です!」と言い続けてきた私の直前期対策をシェアさせていただきたいと思います。
ちなみに経営情報システムは二回受験して、令和元年は48点、令和3年は60点でした。
令和3年の学習時間は30時間程度でした。
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目次
■経営情報システムという科目の特徴~「中小企業がITを経営資源として活用するために」
この科目は応用情報技術者試験などの合格者が科目免除制度を活かせますし、IT系資格がもとで中小企業診断士試験の受験開始されたIT系の方も多いです(合格同期と話してても案外多い)。
ただくれぐれも注意したい事は「応用情報技術者試験を合格していても、中小企業診断士試験の経営情報システムが解けるわけではない」ことです。傾向や問われ方が違うんですね。
特にこの時期「経営情報やばい→てっとり早く出るとこないか→基本情報や応用情報があるではないか!」というループに陥り、情報処理系の過去問等に手をつけてしまう方もいらっしゃるかもしれません(ハイ、私ですw)。情報処理系の資格学習は合格後にしましょう。
確かに情報処理の資格であるが故、経営情報システムの問題作問時に参考にされていることは否めません。ただ、経営情報システムの問題は、目的が「中小企業がITを経営資源として活用するために」という視点を特に重視して作問されています。
少々長いですが「令和4年度中小企業診断士 第1次試験案内・申込書」の科目設置の目的から抜粋します。
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情報通信技術の発展、普及により、経営のあらゆる場面において情報システムの活用が重要となっており、情報通信技術に関する知識を身につける必要がある。また、情報システムを経営戦略・企業革新と結びつけ、経営資源として効果的に活用できるよう適切な助言を行うとともに、必要に応じて、情報システムに関する専門家に橋渡しを行うことが想定される。
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この「科目設置の目的」からブレない形で問題作成がされています。それは出題文にもにじみ出ています。長くなってしまいますが、令和3年度の問題文から抜粋します。
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・中小企業でも検品・棚卸等の業務で商品の個体識別に RFID が用いられるようになってきた(第2問)
・中小企業診断士は、アプリケーションソフトウェアの動作に必要な他のソフトウェアの役割・機能についても理解しておく必要がある(第4問)
・ソフトウェアにはソースコードが無償で公開されているものがある。中小企業でもこのようなソフトウェアを用いることが少なくない(第5問)
・意思決定や計画立案のために、データを収集して加工・分析することがますます重要になってきている(第8問)
・情報システムの利用において、利用者を認証する仕組みの理解は重要である(第11問)
・コンピュータの意思決定や知識処理への利用がますます進みつつある(第13問)
・近年、情報システムの信頼性確保がますます重要になってきている(第20問)
・業務システムのクラウド化やテレワークの普及によって、企業組織の内部と外部の境界が曖昧となり、ゼロトラストと呼ばれる情報セキュリティの考え方が浸透してきている(第21問)
・コロナ禍の影響もありテレワークが一般化してきた。テレワークを行うには社内で行っていた作業環境をリモートで実現する必要がある(第25問)
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私自身「中小企業の限られた経営資源をどう活用するか」という視点で出題されていることを、令和3年受験の直前期に再認識しました。
「ここからぶれないこと」を念頭に直前期を乗り切りました。
■何をするべきか?~その1:出題分野の再確認で努力と時間のムダ撃ちを防ぐ
この時期、ほとんどの方は問題に一度は触れたことがあるのではないかと思います。ここでこの時期に意識していただきたい点は、「努力と時間のムダ撃ちを防ぐ」という点です。
例えば「経営情報が苦手→最初からやろう→フラッシュメモリにやたらくわしくなった」みたいな状況です(あるある)。
よって出題分野についてはひと通り目を通して満遍なく復習しておきましょう。
過去三年間の出題分野です。ご参考まで。
令和三年 | 令和二年 | 令和元年 | |
1 | インターフェイス | インターフェイス | タッチパネル |
2 | RFID | フラッシュメモリ | 外部記憶媒体 |
3 | クラウドコンピューティング | 開発アプローチ | インターネット技術 |
4 | ソフトウェアの役割 | クライアントサーバーシステム | 表計算ソフト |
5 | オープンソース | Cookie | マッシュアップ |
6 | プログラム言語 | 正規化 | システムの処理形態 |
7 | ネットワーク技術 | ACID特性 | システムの構成技術 |
8 | データ分析 | CSVファイル | URL |
9 | データ検索 | 無線LAN | データベースの種類 |
10 | SQL | セキュリティ対策 | データ形式 |
11 | ユーザ認証 | 機械学習 | インターネットの管理運用 |
12 | チャットボット | スマートフォンのセンサー | OSI基本参照モデル |
13 | 機械学習 | クラウドコンピューティング | RASIS |
14 | モデリング技法 | 測定指標 | ビジネスモデル特許 |
15 | System of systems | ITガバナンス | ERP |
16 | DX推進ガイドライン | システム移行 | データ分析 |
17 | SOA | モデリング技法 | 開発方法論 |
18 | XP | プロジェクト進捗管理 | テスト手法 |
19 | 共通フレーム2013 | ユーザビリティ | 暗号化 |
20 | 障害対策 | ブラックボックステスト | 情報セキュリティガイドライン |
21 | ゼロトラスト | リスクマネジメント | バランストスコアカード |
22 | 情報セキュリティ5ヶ条 | サブスクリプション | ITアウトソーシング |
23 | 顧客生涯価値 | 統計量の解釈 | クラウドコンピューティング |
24 | 仮説検定 | 多変量解析手法 | 統計の代表値 |
25 | テレワークセキュリティ | RPA | 標準化組織 |
満遍なくおさらいした上で、特定の苦手分野に深入りするのはこの時期効率的ではないです。苦手分野はあえてあきらめも一手です。
私は「正規化」「統計」はせいぜい出ても一問なので、努力と時間のムダ撃ちを防ぐためあきらめました。
一方、昨今のリモート化などを鑑みて「セキュリティ分野」は身近ですし重点的に復習を行いました。また「RPA」「機械学習」「Python」などもカレントな話題なので、ネット記事の拾い読みは行っておりました。これはいわゆる「ガイドラインを問われる設問対策」にもなります。
なお直前期に経済産業省などのHPから「IT関係のガイドライン」を探しにいくのはやめましょう。努力と時間のムダ撃ちです。
■何をするべきか?~その2:過去問完全マスター ABランク問題の高速回転
そして「努力と時間のムダ撃ち防止」には、結局のところ過去問です。私は7月にメルカリで2018年度版「過去問完全マスター」を購入して、解きはじめました。
ここで強調したいことは「時間をかけないこと」です。1ページ30秒の時間でとにかく繰り返し、間違ってもなんでも一気に100ページ程度やりきること、です。
経営情報システムの科目特性は「知ってるか知らないか」「瞬時にわかるか」です。正直深く考えたところで「正しい解答が天から降ってくる」ことはありません。「開眼する」ことも考えにくい科目です。「知ってるか知らないか」です。
落ち込むので「間違っているかあっているか」のチェックもいらないかもしれません。解答を憶えてもこの科目はOKと思います。網羅性や満遍なくという意味でTACのスピード問題集でもいいかもしれません。
私は一次試験直前に一週間の夏休みをとり、一日二時間これを繰り返しました(もっというと午前一時間、午後一時間で一日二回転させました)。これが最終的に「効いた」と思います。
とにかく高速で全体を何度も繰り返すこと。これで何とか40~60点水準に持っていけるのではないかと思います。割り切りが大切です。
■何をするべきか?~その3:試験10分前までファイナルペーパーを網膜に焼き付ける
過去問を繰り返しても、「知ってるか知らないか」の不安は最後の最後までぬぐえません。
でもみな同じです。
最後の最後までファイナルペーパーを観ておくようにしましょう。ファイナルペーパーも、野網 美帆子先生の「一発合格 まとめシート(後編)」を購入し、PDFのまとめシートを前日とにかく何度も見直しました。それこそ穴が開くくらい。
余談ですが、二日目はいわゆる暗記科目です。経営法務も思考が問われる問題もあるにはありますが「知ってるか知らないか」です。なので一日目終わっても安心せず、二日目に向けてギリギリまで詰め込みましょう。
ちなみに私は一次試験は「パシフィコ横浜」で、家から遠くはないものの、妻に必要以上に気を遣わせたり、体力と神経のムダ撃ちは避けたかったので、中華街近くのビジネスホテルに宿泊しました。場所が場所だけに緊張感そっちのけで中華街をはしごしたことはいい思い出です。ありがとう横浜。
また、経営法務試験が終わったらすぐにPDFのまとめシートに目を泳がせました。そして網膜に焼き付けました。網膜に焼き付けることはカンニングとはいいません。不正行為でもありません。
最後の最後まで粘りましょう。
■おわりに
中小企業診断士にはやはりIT知識はそこそこないとお恥ずかしいものです。50代のIT弱者ですが、努力は続けております。6月も「情報セキュリティマネジメント試験」を受験し、見事に6点足らずで落ちました。。
ITにより中小企業の経営資源を補完する提案が求められているので普段の学習が必要です。
でも、今の皆さまは、一次試験クリアだけを考えて、試験範囲に絞り込んだ学習を行ってください。
努力と時間のムダ撃ちしないよう、強烈に意識してください。
まだまだ伸びます。暑い日が続きますが、頑張ってください!
次回はけーさんの登場です。
お楽しみに!
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