事例Ⅲの攻略法byぺさま
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■はじめに
1次試験を見事突破されたみなさんは、2次試験の勉強お疲れ様です!
2次試験対策の勉強は解き方を習得することから始まります。
解き方とは、80分間をどうやって時間配分するかです。
個々によって解き方は違うと思います。自分に合った時間配分があると思います。
私の場合は、
①与件文の冒頭から企業の概要を把握する(5分)
②設問を読み、何を問われているか書き出す(10分)
③与件文を読み、各設問に関連しそうな箇所を色分けしてマーカーする(15分)
④設問毎に解答のキーワードを書き出す(15分)※この段階が勝負の別れどころです
⑤頭の中で解答文をイメージする(10分)
⑥簡潔な言葉で解答文を書く(20分)
⑦誤字、脱字チェック(5分)
肝心な事は、解き方の練習で身に着けた時間配分は本番で難問が出て絶対に崩さずに実行することだと思います。
理由は1次試験と似てて難問に時間をかけるより、全員が応えられる設問を確実に得点するためです。
解答に苦慮する設問は必ず出ますので、時間配分を守ってバランスよく得点することが合格への近道だと思います。
■私の2次試験対策と心構え
私は1年目の1次試験科目合格後、12月頃から2次試験の解き方について習得していきました。
仮に1次試験を突破した時に、短時間で慌てて2次試験の準備をするのが怖かったのもあり自分なりに早い段階でのスタートだったと思います。
この記事がアップされる8月末は2次試験まであと2か月弱だと思います。
2次試験のポイントはいかに出題者の意図する解答に近づけるかが合否の分かれ目になります。
先ずは過去問をひたすら回し、解答の方向性を引き出すセンスや感覚を磨く事が重要になってくると思います。
私の場合は仕事の繁忙期と重なり、直前勉強の時間がなかなか取れませんでした。
最終的には過去問5年分を2回転させました。
心掛けたことは80分間でいかに精度の高い解答を書けるかを常に心掛けて取組みました。
あとは、設問に対する解答の方向性が瞬時に頭に思い描けるよう、設問のタイプに対する解答への重要キーワードをまとめて何度も復習しました。
そうした地道な努力で、運もあってか2次試験も1回で突破することができ、本当によかったと思っています。
今は27年間勤めてきた会社を今年2月に早期退職し、新米診断士としていろいろな案件を体験させてもらっています。
そこで強く感じるのが、中小企業診断士の実務で特に診断や助言は、課題を抱えた中小企業の社長に対し中途半端で無責任な事は決してできないということです。
当たり前な事ですが、社長が経営で必死にもがき苦しんでいる中で、いかに診断士は社長に寄り添って経営を楽にできる環境を共に作り出せるか、が重要だと思います。
2次試験はその実務に向けた最初の一部だ、と今思えば感じるところがあります。
2次試験を突破できれば、実際に診断士なった時に実務でも踏ん張れると思います。
診断士になった後も実務を経験する中では、ひたすらインプットの連続です。
今、1年目の活動をしながら先輩診断士の凄まじさを間近で見つつ、まだまだ力不足だなと感じるこの頃です。
2次試験に合格して診断士になることが目的でなく、診断士として実務で中小企業の役に立つ事を目標として頑張ってください。おのずと、事例問題に対する見方も変わってくると思います。
■事例Ⅲを得点源にする
ちょっと前置きが長かったですが、お伝えしたいのが事例Ⅲは得点源にできます。
私は流通小売業出身で製造業には縁遠かったのですが、他の事例に比べて事例Ⅲは好きでした。
理由はその課題であったり解決方法が事例ⅠやⅡに比べて明確なパターンが多く、解答しやすかったからです。
出題される事例企業には課題が必ずあります。
売上を挽回すること、利益を確保すること、強みを活かして成長戦略たてる、下請けから脱して独自商品で儲けること、など様々です。
言うまでもなく事例企業は作り話ではなく、リアルにモデル企業が存在し内容は実際に起きた事例がほとんどです。
中小企業診断士の実務で事業再生分野があります。
ものづくり大国日本だけあってほとんどが中小零細製造業の案件が多いです。
事例Ⅲはもろにその製造業の事業再生に直結する内容だと思います。
そうした中で事例Ⅲにおいては、解答の方向性がある程度決まっています。
課題に対する対応策が決まっているので、課題が見つけられればおのずと解答の方向性が書けるのです。
事例Ⅲの背景を以下の通り簡単に整理します。
前提は 「メーカーで強みが必ずあり、新たな需要に応えたい」
方向性は 「短納期化・高品質化・生産効率アップを図り他社と差別化し成長する」
問題点は 「作業に時間がかかる、技術や能力が属人化、部門で生産計画がバラバラ、
全体管理、修正する人がいない、収益管理が不十分で材料在庫やし仕掛品が多い」
大抵は上記のパターンに当てはまると思いますので参考にしてください。
■イメージ、想像力をつける
私は頭の中で事例を実際に現場で起きた事のようにシミュレーションをしていました。
メーカーでの架空のストーリーを想像しながら、解答のキーワードが瞬時に出てくるようイメージトレーニングを繰り返していました。
言葉を暗記しても自然と忘れてしまうので、イメトレ用に物語を作っていくと忘れにくいかと思います。
参考に私がイメトレしていたストーリーは以下の通りです。
プラスチック部品を作るメーカーで強みは高精度な技術力と生産力のある機械装置、熟練職人の存在です。
大手プラスチック製造メーカーの下請け企業で主に自動車関連部品を製造してます。
近年、車離れの影響か需要が徐々に低下し、取引先からも納入価格の値下げ圧力があり業績も悪化傾向です。
営業部門もなく社長1人が注文を受ける受身な受注体制のため、新たな顧客開拓と収益事業の確立が課題です。
NO2の専務がいますが製造部門を1人で仕切っていて、かなりオーバーワークです。
余裕がないので生産計画も柔軟に対応できず生産統制も不十分です。
材料在庫や金型なども散在し、職人だけが把握している状態で特に保管ルールもないです。
そんな問題点を抱えた状況で、成長市場の新たな顧客開拓を行い生き残りを図りたいと考えます。
先ずは成長市場に向けた製品開発を、と考えていた矢先に試作品の問い合わせが入ります。
それは強みの技術力を活かし、新たな市場開拓の足掛かりになる問い合わせです。
但し、資金もないので既存設備で生産量を維持しながら、要求された納期も厳守しなければなりません。
これはやるしかない!さあどうするか?・・・・・・・ みたいなストーリーです。
この先は皆さんで想像してみてください。
絶対に改善できる正解はないと思いますが、すぐに検討するべき点やできる事はあるはずです。
ふぞろいなどにある過去問の合格答案を暗記し、想像力をつけておくのもいいかもしれません。
■課題は同じ
どの企業も課題は同じです。
課題も上位からQCDに沿って整理していくと良いでしょう。
【課題①】 先ずは売上や利益を上げるために何が必要か?(=Q)
メーカーなので差別化された製品が必要で、その製品を作り出す最先端な技術=品質が求められます。
【課題②】 差別化された製品を生産する現場体制は適正か?(=C)
ここで言う適正とは収益の上げられる現場の体制になっているか?です。
無駄な労務費や材料費はないか、非効率な工程などがないか、が当てはまります。
【課題③】 部門間の情報共有、コミュニケーションは図れているか?(=D)
生産計画や生産工程において部門間で連携がとれているか?
それによって急な注文など柔軟な対応が可能になり顧客満足に繋がっているか?
その他、
・新規の問い合わせに対し迅速な対応が可能な営業部門がある
・品質管理や加工技術などの標準化がなされ人材に左右されない安定した体制が組めている
・主要取引先依存型でない取組先政策ができている
など、事例Ⅲの企業における課題は共通して同じ事が言えると思います。
参考にして頂ければと思います。
■おわりに
2次試験は得点合計235点から245点の間に大多数の受験生が入ると言われています。
私は合計245点で運よく合格できました。
(ちなみに事例Ⅰ 68点 事例Ⅱ 63点 事例Ⅲ 67点 事例Ⅳ 47点でした)
この10点の差は非常に大きいと思います。
とにかく、勉強してきた事をいかに本番で出し切れるか、最後まで諦めずに粘り強く解答を書ききれるかが大事だと思います。
泥臭いかもしれないですが、診断士になる!という情熱を解答にぶつけてみてください。
その熱を採点者が感じてくれれば、好印象を得られ点数が10点あがるかもしれません。
私も現在、様々な企業の事業計画書を拝見する機会がありますが、熱意のある計画書は、やはり印象も変わってきます。
ここで言う熱意とは冗長的に想いを書くのではなく、妥当性が高い計画を簡潔に、だれが読んでもわかるように明確に書くことです。
あくまでも書面上での判断になるので、試験でも何を言いたいのかはっきりと、わかりやすく書くことが審査員への印象の分かれ目だと思います。
最期まで楽しんで、頑張ってください!努力は報われるはずです。
次回はけいさんの登場です。
お楽しみに!
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