【事例Ⅰ】モラール向上ってめっちゃ大事やでby hide_kingdom

読者のみなさん、こんにちは。
タキプロ13期・TKP43のhide_kingdomと申します。残暑厳しい今日この頃。いかがお過ごしでしょうか。2次試験へのカウントダウン始まっていますね。本日も2次試験に向けたブログをお届けします。また、私の紹介はこちらの合格体験記を参考にしてください。さらにタキプロ多年度受験生プロジェクトTKP43の神4メンバーでもあります。以下の座談会ブログも参考までご紹介します。
【タキブロ+】多年度生座談会(前編)
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■はじめに

本日は2次試験の事例Ⅰをテーマにブログをご紹介します。
タキプロブログでは、試験ノウハウや合格体験記など様々な内容の素晴らしいブログが毎日紹介されています。ここでhide_kingdomはこう思いました。

hide_kingdom

もうすでに参考になる事例Ⅰの解き方ノウハウはブログでたくさん公開されている。。あれ以上の内容は私には書けない・・・

何故かと言いますと、私は中小企業診断士合格まで苦節10年。完全独学の我流で、体で覚える過去問の千本ノックみたいな学習方法で乗り切ったので、ぶっちゃけ、大したノウハウは持っていないのです。。

・・・ということで、今日のブログはナシです!

つっこミン

キミ、何しに登場したんや~(笑)

・・・・ウソです💦


そこでこう考えました。
「事例Ⅰに関係するテーマを取り上げそれを掘り下げてみよう!」
ということで今日のブログでは事例Ⅰでよく登場する「モラール向上」についてお話をします。

つっこミン

あ~よかった。「今日のブログありません」は前代未聞やで~

■事例Ⅰの戦績

テーマに入っていく前に私自身の事例Ⅰの戦績をご紹介します。多年度受験生のhide_kingdomは合格まで合計10年。2次試験は合計4回受験しています。以下に4回分の受験結果をご紹介します。
1回目:A判定(点数不明)
2回目:A判定(点数不明)
3回目:B判定(50点)
4回目:A判定(60点)
まぁ~悪くもないけど特段得意でもない感じでしたね💦1回目と2回目の点数が不明なのは受験したのが前過ぎて得点開示請求があまり一般的でなかった為に、得点開示請求を行っておらず点数を知らないままなのです(多年度あるある)。
ところで今年から2次試験の得点が最初から開示されるようになったそうですね。得点開示請求という面倒な手間が1つ減るので良かったと思います。

■モラールとモラルとモチベーション

ここで改めて似たワードの違いを確認していきましょう。モラールと混同しやすい「モラル」と「モチベーション」です。

事例Ⅰの解答する上では、「モラール」の対象と意味をきちんと理解して用語を使い解答することが大事です。

■モラール向上を考える

なぜ、モラール向上のテーマを取り扱おうと思ったのかをご説明します。よく試験の解答としてはこんな事を書いたりしますよね。
業績連動ボーナスを設定し、成果に見合った給与を支給することでモラール向上を図る
従業員に権限移譲を図り個々人の裁量を増やすことでモラール向上を図る
・モラール向上のために、自己啓発支援や外部セミナー受講など教育支援を行う

このような模範解答に対して、多年度受験生はこのようにひねくれたことを思うわけです。

「これってホントにモラール向上につながるの?」

つっこミン

それって、自分で言うとるだけで、従業員のモラール向上につながるかどうかは相手の受け取り方次第やで!

つっこミンにも言われてしまいましたが(笑)、そんな単純なことではないのではないかと考えます。

また自分の経験談ですが、モラール向上はとても重要なことなのに軽く見られていると感じることが多々あります。以下はとある中小企業の経営者達が発したコメントです。(出所は伏せます)

「モチベーション上がらへん?モチベーション=給料や!給料もらってるんやからやる気出せぃ!」

「従業員はなんぼで代わりがおる。辞めたきゃやめりゃあええ!縁がなかったってことで、ほなサイナラ~」

「みんなには会社のためになることだけを考えて仕事をしてほしい」

ブ●ック企業のようなコメントですが・・、実際にこのような発言をしてしまう経営者はいます。モラール向上どころか、モラール低下を後押しをしてしまうマズいパターンです。これでは、会社の業績も上がりませんよね。
従業員の生産性は以下の計算式で説明ができます。

やる気マン

やる気~元気~イワキ!

つっこミン

おまえ、誰やねん!

またモラールの低下は、生産性の低下のみならず、「従業員の離職」「マイナスイメージの定着」とさらなるマイナスな事象を引き起こします。ただでさえ人材獲得が困難と言われている中小企業。人に辞められたら困りますし、ネット社会の現代ではモラールが低い職場という情報はすぐに広まります。そうするとさらに採用が困難になるという負のループに陥ります。モラール次第で会社の業績はプラスにもマイナスにもなります。それだけ重要な要素なのです。

■モラール向上を説明した理論

モラール向上を説明した理論がいくつかあります。ここで1次試験で学んだ知識を復習します。


ホーソン実験
ホーソン実験とは、メイヨーが1924年~32年にかけておこなったアメリカ・シカゴ郊外のウェスタン・エレクトロニック社のホーソン工場で行った労働生産性を上げるために行った実験です。ホーソン実験では以下の4点を確認しました。
①照明実験・・・職場環境の影響
②組み立て実験・・・労働環境・待遇の影響
③面談実験・・・個人の感情の影響
④配線作業実験・・・人間関係の影響
実際には、労働生産性は作業環境よりも、人間関係性に強い影響があることを導き出しました。

ハーズバーグの二要因理論
ハーズバークは職場環境におけるプラスの影響を動機づけ要因、マイナスの影響を衛生要因と定義付けしました。これら両方の要因をきちんとケアすることが重要だと説明しています。
①動機づけ要因・・・達成、承認、など仕事に前向きに取り組ませる要因。
②衛生要因・・・給与、人間関係、福利厚生、経営方針・管理体制など不満につながる要因。
つまり、①を増やして②は極力排除させることがポイントですね。

マクレガーのX理論Y理論
人間観・動機づけにかかわる2つの対立的な理論のことで、マズローの欲求段階説をベースにしています。「人間は生来怠け者で、強制されたり命令されなければ仕事をしない」とするX理論と、「人間は生まれながらに仕事が嫌いということはなく、条件次第で責任を受け入れ、自ら進んで責任を取ろうとする」Y理論の2つの理論で構成されています。
①X理論・・・マズローの低次欲求(生理的欲求、安全の欲求)をベースとした行動モデル。命令や強制で管理してアメとムチによるマネジメント手法。
②Y理論・・・マズローの高次欲求(自己実現)をベースとした行動モデル。企業目標と個人目標が一致すれば、従業員は常にスキル・知識向上を通して能力向上に努め企業の業績向上につながる。
現在社会の職業人において、ほぼ低次欲求は満たされていると考えられるため、Y理論に基づく管理手法の方がよいとマクレガーは主張しています。

そこで、3つの理論の因果関係をこじつけまして「企業の業績向上につなげるポイント」として図にまとめてみました。

筆者作成

モチベーション理論でも、人間の関係性によるモチベーションやモラール向上は重要だと捉えられており、現在の職業人に適した管理を行っていくことが重要だと言えます。

さて、先ほどのとある経営者の発言をモチベーション理論に当てはめてみましょう。

「モチベーション上がらへん?モチベーション=給料や!給料もらってるんやからやる気出せぃ!」

筆者作成
つっこミン

あちゃ~。こりゃアカンやん・・・アウトやで・・

「従業員はなんぼで代わりがおる。辞めたきゃやめりゃあええ!縁がなかったってことで、ほなサイナラ~」

筆者作成
つっこミン

これもアカン!2アウトや~

「みんなには会社のためになることだけを考えて仕事をしてほしい」

筆者作成
つっこミン

これも喝や~!3アウト~チェンジ!!

・・・残念ながら3者凡退となってしまいましたね。
という感じで、何ら企業にとって生産性向上につながっていない(むしろマイナス)な発言であると考えられます。生産性向上と業績向上を図りたかったら従業員に対する発言は考え直した方が良いですね。。

■正しいモラール向上で生産性の向上を

今日のテーマは1次試験の企業経営理論の知識紹介ではなくて、2次試験の事例Ⅰについてでしたよね。ここからは2次試験の解答に使える生きたモラール向上施策を考えていきます。一例として平成30年事例Ⅰの第4問を取り上げてみます。

・A社が、社員のチャレンジ精神や独創性を維持していくために、金銭的・物理的インセンティブの提供以外に、どのようなことに取り組むべきか。中小企業診断士として、100字以内で助言せよ。

この問題を読んで最初に考えることはこんな感じでしょうか。

つっこ美

金銭的・物理的インセンティブということは、外的な要因だがね~。だもんで、もう1つの要因は内的要因だなも。何があるかって?モラール向上に決まっとるがね!

つっこミン

いきなり出てきて、ツッコミもせずにマジメに問題解こうとしてどないすんねん!

次に与件文から、モラール向上に関連しそうなキーワードを拾ってみます。大まかに以下のような3つのセンテンスを確認することができました。
①時流を先読みし先進的な事業展開を進める
②社員持株制度や社員全員による海外旅行などの福利厚生施策を充実
③電子回路技術、精密機械技術、ソフトウェア技術などの専門知識を有する技術者をほぼ同数配置した混成チームとした

①については、「先進的な」という部分に受け身ではない能動的な取り組みであることがうかがえます。能動的な取り組みはまさにマクレガーの提唱するY理論ですね。
②については、福利厚生施策についてですが、これがどのようにモラール向上につながるかと言いますと、安心して働ける職場環境の提供であったり、ご褒美的な意味合いでモラール向上を引き出すことができると考えられます。ここで出てくる社員持株制度や海外旅行は会社に所属していることで得られる社員の個人利益にもつながると考えられます。
③については、組織の話ですが組織改編によりメンバー間で、新たな発想を得たり、よい意味で刺激を受けるケースがあります。組織改編の主な狙いは市場にマッチした製品提供を考えていると思いますが、もう一方でモラール向上の効果もあると考えます。

このようにモラール向上のことばかりを考えていると、ちょっとしたワードやセンテンスのヒントに気づいたり、連想してモラール向上施策につなげることができるはずです。
できるんじゃないかな。
たぶんできると思う。
ま、ちょっと覚悟はしておけ・・💦

つっこミン

最後のオチが、さ〇まさしってどうなん??

■おわりに

今日のブログは、将来皆様が中小企業診断士として活動していく上で、お客様にとって役に立つ提案をできるようになるために大局的な試験対策ではなく、局所的な項目に絞り掘り下げた内容をお伝えしました。
試験に合格するための対策として「急がば回れ」も大事です。モラール向上の意味をしっかりと腹落ちして理解し、適切に提案することができるようになれば、この先中小企業診断士になった時に必ず役に立ちます
2次試験を通過することはもちろん目標ではありますが、「ゴール」ではなく「スタート」なのです。皆様もこの「スタート地点」に立って今後中小企業診断士として活躍されることを祈念しています。(タキプロへの参加もお待ちしています~)


次回はきむにぃさんの登場です。
お楽しみに!

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