Tochiro的 正しい!?診断士の成り方 ②2次試験は『知識』か『国語力』か? そして、養成課程のすゝめ
0.はじめに
おはようございます!タキプロ10期関東のTochiro(トチロー)です。自己紹介などの前回記事はこちらです。今回のお題は2次試験についてですが、突っ込んだお話しは、次回以降の2次試験のお題の時にお伝えしたいと思いますので、まずは全体像の提示にガイドライン的な回とさせて下さい。後半は独学の是非や養成課程、各種予備校に関してTochiroの見解を記載しております。
1. 中小企業診断士になるためのスキルとは?
根本的なところですが、これについては、色々なご意見があるかと存じます。論理的思考力や計数力?読み書きそろばん?
診断という字を見ますと、診(しらべる。みる。)からは現状を分析する、断(決定する。きめる)からは、判断して助言するとも読み取れます。つまり、現状を分析し判断し、助言するです。
また、診断士の業界内で語られるのは①支援する力(課題把握と提言)②話す力(プレゼンテーション力を通した相手の動機付け)③書く力(文章表現力)などです。
一見、正解はない気もしますが、実は2次試験合格後の実務補習で頂けるテキストに、もっと詳細なスキルが記載してあります。(こちらでは開示できません。すみません)
また、実務補習と似た位置付けに養成課程がありますが、そちらにも診断士に必要な能力と意識が記載されておりますので、下記に載せておきます。詳しくご覧になると色々と試験への手掛かりの一助となるかもしれませんので、興味がある方はリンクをどうぞ。
https://www.chusho.meti.go.jp/shindanshi/2006/download/touroku2-1karikyuramu.pdf
2. 特に2次試験に必要なスキルとは?
さて、上記を加味した上で、より2次試験に即した能力と意識について、Tochiroなりの解答をしたいと思います。それは、下記8つの能力と意識(①~⑧)です。
今回は簡単なご紹介に留めますが、次回以降にそれぞれの詳細を記載したいと思います。
(1)能力として
① 体系的集約力(要約力・言い換え力)
ⅰ 1次テキストからの演繹法的知識の体系的まとめ
レイヤー(環境・ドメイン(戦略)・機能別)ごとの1次知識(メリ・デメなど)
分かりやすい様に下記にTochiroが作成して使用していた、体系図の抜粋を載せます。下記は事例Ⅰの機能別戦略のうち、7Sのシステム(人事)の一部になります。下記のように細かなレイヤー別(体系的)に知識を記憶することで、設問要求からどの1次知識を応用すればよいのかが、すぐに紐付けられ、時間短縮となります。
また、一問一答形式(Q&A)にすることで、設問要求とそれに対する解答を比較的答えやすく、スキマ時間での活用や記憶の定着も意識した形としております。
ⅱ 2次過去問から帰納法的事例の習得
ⅰのテキストからレイヤーごとに知識を記憶しただけでは、過去問による確認が抜けているので、8W1H(設問要求も含む)や制約条件を意識した過去問(設問と与件)の整理(時間が許すならば過去問演習時に単なる振返りではなく、Excelシートなどに、設問毎に上記レイヤーごとの知識と、8W1Hや特にWhyの部分にあたることの多い設問要求を重点的に整理)します。
※この場合の8W1H
Who誰が(研究開発部が)、toWhom誰に(新規顧客に)、withWhom誰と(大学と)、Whenいつ(未来)、Whereどこで(首都圏で)、What何を(新製品を)、Whyなぜ(設問要求=要因、メリット、特徴の整理・助言等)、Whichどっちを(高付加価値製品を)、Howどのように(機能別組織で注力することによって)
② 段取り力(チェックリスト)
漫然と過去問に取り組むのではなく、事前に試験時の手順を可視化しておき、可能な限り外段取り化します。初めは大雑把な手順で構いませんが、過去問演習を繰り返すうちにPDCAを廻し詳細化します。
下記はチェックリスト(手順書)の抜粋。
③ 情報処理能力(チェックリスト練習)
上記①のレイヤー毎の知識、設問・与件の整理、②チェックリストだけでは実践(過去問による演習)が抜けているので、毎回テーマ(骨子作成までのレイヤー仕訳だけしてみる、接続詞や指示後に気をつけるなど)を持って過去問演習のPDCAを廻します。
④ 論理思考(強みで機会対応、因果)
ロジックツリーやピラミッドストラクチャ的な考えを身につけるべきですが、時間がかかるので、過去問でパターンを理解しておきます。例えば、設問間の位置付け、既存事業の弱み(生産計画)を克服(全工程頻度高く作成)し強み(一貫生産体制や水平分業体制)で機会活用(国内回帰、需要増)など 。
⑤ 編集能力(100字力)
骨子からマス目を埋める作業、与件分からのコピペ編集能力を身につける。
春秋要約よりも、2次に関係あるワードのメリ・デメを100字にまとめる。
⑥ 国語力・テク(語彙力、すり替え、指示語こそあど、接続詞、、、)
指示語なら逆接に注意するなどの現国入試的テクニック。
(2)意識(マインド)として
① 素直さ・謙虚さ
② 意欲・折れない気持ち
継続的に学習するには?もし、落ちても(特に1次出戻り)再受験できるか?
3. 独学か予備校か養成か
(1) 独学のメリット・デメリット
① メリット
ⅰ能動的・主体的にインプット・アウトプットが出来る(授業だと知らずに受け身になっている、一人で問題を解いたり、テキストを読むのは能動的・主体的にならざる得ない)
ⅱマイペース(土日偏重・直前詰め込みでも対応可能)
ⅲ予備校色がでない(予備校の型は採点者に対策されて嫌われる傾向がある。例:H29Ⅰ最大の要因は、、、)
② デメリット
ⅰ客観的添削がない(自身だけで添削すると気付きが少ない)
ⅱモチベーション維持・スケジューリング(メンターがおらず、強制力が低い)
ⅲ質問できない・ググる時間(講師不在)
ⅳ体系的テキストの不在(テキスト不在、自身で作成するは勉強にはなるが、時間使ってします)
ⅴ試験のこと・その後の情報がない(余計な不安が増大)
ⅵネットワーク・人脈(モチベーション低下、情報弱者と成りやすい)
(2) 養成課程のすゝめ
養成過程、そして次善手としての予備校のすゝめ
私は2次試験の学習をしていたのですが、診断士としての能力を身に付けるには、養成過程に行くのが一番良いとの結論に達しました。と申しますのも、初めは試験に通るにはどうすれば良いかを調べたのですが、結局診断士としての一部能力が身に付いているかどうかを試験で審査していることが分かりました。当たり前ですね、すみませんm(__)m
ただ、その能力を身に付けるには、独学や予備校での試験学習を通じた”正規”ではない能力養成より、体系的に順序だって”正規”の指導を受けられる養成が良いとの結論です。
つまり、変な話しですが、試験に受かる(≒診断士になる)ためには養成に行くのが一番良いと言うことになります。
根拠として少し調べた処によると、(皆さんご存じかもしれませんが)中小企業政策審議会(経産省・中小企業庁主導の試験委員など含む有識者の集まり)は養成過程が正規ルートで、(そもそも初めは養成しか無かった)2次試験は養成に行くことが困難な人への代替措置としている様です。今後、養成課程に認められる機関が増加していることからも、この傾向は続きそうです。(当然試験自体は良く練られていて、合格者の能力も担保される様に作られていますが、採点の’あや’等もあるかと思います。もちろん、負けに不思議の負けなしです)
なので、養成課程、特に中小企業大学校のテキスト、授業が受けられれば、それが即ち2次試験の正解であり、診断士の能力獲得になると思います。
しかし、試験受験者にとって、現実的には予備校が養成課程に準じる存在だと思います。
なので、やはり予備校にはお世話になるべきと痛感します。予備校にはそもそも試験に受かるための①技術支援、②時間を買う、③計画性支援、④メンタル支援、⑤取得後の更新支援、⑥キャリア支援(独立・副業・出版)、⑦(診断士に)付随する能力の開発支援、⑧人脈構築等のメリットがあります。
そして、これら以上に大切と思うのは、しっかりした学校で体系的に学ばないと例え試験に受かったとしても、診断士としての能力自体を身に付けることが大変難しいのではないかと言うことです。
(合格後にはマスターコースという教育を受けられる機会もありますし、タキプロでも①〜⑧の支援をある程度受けられるので、活用してみて下さい)
では何処の予備校が良いのか?長くなったので、下記にします。
(3)では何処の予備校・教材が良いのか?
ズバリどこが良いのかの記載は致しませんが、参考になるであろう資料を載せておきます。
まず、実は養成コースを運営している予備校が1校だけあって、それは日本マンパワーさんです。ただ、養成コースを運営する様になってからは、あまり予備校活動を前面に打ち出してはいないのですが。おそらく、大人の事情が作用しているのでしょう。※ユーキャンも養成課程参入を検討されているようです。
また、診断士は更新も有りますが、そちらの知識補充要件を充たす機関に予備校のTBCと経営母体が同じ経営教育研究所(TBCの山口講師)が有りますので、TBCも有力なのかなと思っておりますが、詳細分かりません。
他に手元の各予備校の資料(ブログ、パンフレット、サンプル教材、体験授業、チラ見した内部テキストなど)と、出版物を見比べてみました。
※以下はTochiroの勝手な見解です。※
下図は縦軸に各予備校の価格(通信系は廉価)と横軸に指導スタイルがセオリー(初学者向け?)かユニーク・オリジナル色が強い(多年度もしくは上級者向け?)かでマトリクスとし、予備校の想定規模をバブルチャートの大きさとしています。
※価格は2次本科などのメインと思われるコースを参照していますが、あくまで参考にとどめて下さい!
EBA:非常に論理的、解法手法(メソッドがはっきりしており)初学者にも分かりやすい、指導はかなり厳しいらしい
TAC:最大手、ネットワーク凄い、1次教材知識豊富・体系的、一見部分点・ローリスク志向だが、メソッドは難しいので実は上級者向け?
LEC:SWOTベース?論理構造化、一貫性、一問一答的知識、初学者にも取り組みやすい
KEC:事例Ⅰ強い、一問一答的知識、文法テク、呼吸法、事例ⅣはオリジナルBOX図使用
MMC:高額印象だが、通信意外と安い、多面的解答、箇条書き書き易い、論理構造的、実は多年度向けでなく初学向け?
AAS:市販教材・白書対策充実、構造化、一貫性
TBC:具体→抽象→具体 身に付けるまで難しいがハイスコア狙える?試験作成者詳しい
クレアール:体系的知識、模範解答論理的、通信だがサポート充実、LEC似
診断ゼミナール:手法具体的、文法テク、手作り感
SLA:一問一答的知識、本試験無料添削、個人指導に近い
UCAN:模範解答非常に論理的だが平易、段階を踏んだ訓練、知識体系的
大原:模範解答 易問強い難問抽象的、簿記学校のためか事例Ⅳの経営分析などが特有
和泉塾:非常に個性的、添削早い、熱い
まとめシート→良書、試験テク、知識豊富、一問一答的知識、2次の基礎も身に付く、PDFで携帯性よし、非常にオススメなので次回ブログで取り上げます
ふぞろい→キーワード、過去問分析、模範解答納得・再現性高い、受験者生解答、開示付き、すぐ売り切れる
全知・全ノウ→試験テク、知識豊富
経士会・handys97・事例攻略マスター→手法比較的具体的、一問一答的知識、模範解答論理的
事例攻略のセオリー →更新されてない
世界一やさしい→更新されてない、試験テク重視、説与紐付けは平易で使えるノウハウ
岩崎邦彦さん→事例Ⅱ鉄板
岩崎尚人さん→入手難
事例Ⅳ↓
TACの計算問題集→計算良問多い、以前は部外生も入手化、現状は部内生のみ
TACの集中特訓財務→二次の問題は少ないが基礎力付く、厚い
全知全ノウ→分野別過去問トレーニング
30日間完成→良書、マスト、分野別ステップを踏んだトレーニング
意思決定会計講義(イケカコ)→レベル高い、プラスα
(4)勉強会・ブログの活用などについて
予備校や市販教材に加えて、補助的に下記勉強会を利用するのも客観的意見を聞けることはもとより、モチベーション維持や人脈作り?にもなり良いでしょう。
しかし、ファシリテーターやメンバー能力に左右される部分は大きいと思います。
やはり予備校の添削、指導のもとのディスカッションの方が質は担保されるかなとは思います。なので、補助的に利用するのが良いと思います。ただ、受験者同士の添削でも全く無いよりは良いと思います。自己採点では客観視するのがかなり困難だからです。
主な勉強会サークル:経士会(関西?)、タキプロ、SMECs、弱小診断士勉強会
また、一発合格道場、タキプロ、ふぞろい、200%抜け駆けスタイル等のブログやセミナーも、もちろんためになると思います。しかし、ブログなどは体系的では無いです。なので、一番最初に情報収集する場としては予備校の説明会に行くべきでしょう。
ですが、Tochiroは説明会に行ったことはありません(^^;生講義もKEC、和泉塾の体験授業しか受けたことはないです。→ココまで読んだ方すみませんm(__)m
それから、オークションで教材のみを入手することも避けるべきでしょう。やはり、添削(出来れば直接アドバイス)を受けないと進歩しないと思います。
最後に、診断士受験者(診断士も?)は積極的で個性的な方が多いので、能動的でないと、受け入れられない気がします。講義に途中参加だと集団凝集性が働くのか余計加わりにくくなります。
以上、あくまで、個人の見解です。
パンフレットや教材の判断で講義や添削、メンタルや計画性サポート等は分かりません。
(5)1次試験での予備校利用について
こちらは、1次試験に受かるだけなら、TACのスピード問題集だけやっとけば、独学でも十分可能性あると思われます。と言うか、たぶん何処の予備校でも、独学でも良いんだろうと思います。
ただ、2次試験のことを考えると、体系的に順序だって知識を身に付けることは後々重要だと思います。(簿記なら3級こそ予備校利用な感じ)なので、単なる問題集繰返しでなく、予備校利用した方が良いと思います。2次しかない予備校もあるので、1次と2次で異なる予備校でも、良いとは思いますが、なるべく同じところに通った方が良いのではないかと考えます。
ちなみに、TochiroはStudyPlusというアプリをやっているのですが、個人的にオススメの予備校等はそちらに載せておきます。興味のある方はそちらでどうぞ。
おわりに
タキプロでは毎週水曜又は日曜日に、2次試験の勉強会を開催しております。
私Tochiroも、基本的に参加しておりますので、お声がけいただければと思います。この日曜日は事例Ⅲのまとめをやります。また、ブログでのご質問やご意見、ご感想やお叱りなどのコメントも大歓迎です。
それでは、明日はタキプロ関西からの熱いブログをお送り致します。お楽しみに!!
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