なにもないのに独立しちゃった中小企業診断士の仕事獲得方法 byうにこ
読者のみなさん、こんにちは。
タキプロ13期のうにこ@webライターと申します。
これまで何度か登場しています。
最初は合格体験記。→こちら
2回目は、1次試験の企業経営理論。→こちら
3回目は、2次試験全般。→こちら
4回目は、2次試験についてファイナルペーパー+α → こちら
また、絶賛掲載中のタキプロ+で、女性座談会(前編と後編)やらアナログ学習のコーナー(こちら)でもあれこれ書いてます。
今回は診断士活動ということで、私がどのような活動をしているかを紹介します。
私は中小企業診断士として独立している・・・というか、独立診断士しか道がないので、これに人生かけてます。
特別なスキルもコネもない、本当に真っ白な状態からスタートしている診断士の話をご覧ください。
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目次
■独立しかない中小企業診断士
合格体験記のところでも少し書きましたが、ここ3年ほどフリーランスとしてwebライターをしています。
そもそも独立するしか道がない、という状況で、この資格を取得しました。
しかし、元々は一介の塾講師。
メーカーも製造も卸も小売も知りません。
「人脈が活きる!」
とこれだけいわれている診断士業界。
本当に何もない状態からのスタートです。
ひとまずライターという強みを活かし、「書ける中小企業診断士」として活動していくつもりです。
■独立する目的と将来設計
こういうことをいうと叱られるかもしれませんが、私は別に年収1000万円などという大それたことは目指していません。
ライフワークバランスといえば聞こえはいいですが、ある程度の仕事はしつつも、自分の時間もしっかり取りながら生活したいと考えています。
なんというか、それが独立開業する大きな魅力だと思うからです。
結婚していますが、自分でも生活できるだけの収入を得ながら、自分の予定で仕事を入れたり、ちょっと休んだりしていく。
そういう生活が理想です。
ただ、私は仕事が嫌いではありません。
むしろ、大好きな人間です。
なので、忙しいのは意外と平気で、暇な時間が多いと困ってしまいます。
時間があるときは読書や映画、美術館、個人的な勉強などをしていますが、それだけでは収入は得られません。
ですから、思い切り仕事をするときはして、しっかり余暇も取れる生活スタイルを作りたいのです。
そしてそれが地域貢献だったり、社長の役に立ったり、人脈に繋がったりすれば最高。
人生100年時代といわれる現代において、長く細く収入を獲得しつつ、元気に生活を送っていきたいと考えています。
■コネや人脈がなくても始められる中小企業診断士としての仕事は補助金申請
いま、私がしている仕事は補助金申請です。
さきほどもお伝えしたように、私にはコネも人脈もありません。
もちろん、経営に困っている経営者の知り合いもいません(笑)
そのため、とりあえず始めたのが補助金申請です。
「まずは、補助金申請から始めるといいよ」
といわれていますが、実際に初めて見ると、確かにそうだなと感じるところが多いです。
メインでやっているのは事業再構築補助金です。
補助金申請の金額にもよりますが、書く書類はwordでA4で10~15ページほど。
文字数でいうと、10000~14000字ほどでしょうか。
結構多いのでは・・・?
と思われるかもしれませんが、意外と書けてしまいます。
その企業についてのSWOT分析や売上高減少の原因(たいていコロナ)、やっていきたい業界の市場分析(成長性があるか)、新規事業の採算性などをあれこれ書くのですが、
「これってまさに、実務補習で作った診断書やんな!」
という印象です。
教育業界しか知らない私にとって、サービス業や製造業などほとんどが未知の世界。
しかし、それでも社長とヒアリングしたり、市場調査をしたりすることで書き上げることはできます。
さらに、いろんな業種の申請書を書くことで、私自身もその業界についていろいろと調べて、勉強できるところもありがたい。
もちろん、初めて作った申請書は私の未熟さがあり採択されなかったのですが(もう本当にすみません)、回を重ねるうちにどんどんうまく書けるようになるのがわかります。
いまは9月末に締め切りのあった第7次公募の結果待ちです。
どうなるかわかりませんが、採択されていてほしいなあと思います。
■補助金申請の仕事はどこから獲得するのか
ところで、その仕事はどこから獲得するのか。
私はコンサルティング会社からもらっています。
では、そのコンサルティング会社はどうやって見つけてくるのか。
私は現在、数社と契約していますが、
①もともと通っていた予備校とつながりのある会社
②実務補習の先生がやっている会社
③クラウドソーシング経由で契約している会社
④友人に紹介してもらった会社
があります。
①は、予備校からの紹介のようなものです。
そのため、同じ予備校に通い、一緒に合格した友人も契約しています。
②は、実務補習で担当していただいた先生の会社です。
ちょうど、補助金申請の仕事をもらえるパートナー制度があったのです。
当初は考えていなかったのですが、タキプロメンバーでも登録している人がいることを知り、私も一緒に登録させてもらいました。
③は、webライターとして利用しているクラウドソーシング(主にクラウドワークスとランサーズ)を使って契約したところです。
私自身、クラウドソーシングを長く利用しているので、ある程度の実績があったため、契約できました。
手数料などを取られるので若干報酬は安いですが、継続してお仕事をもらえているので助かっています。
④は、実は実務補習のメンバーからの紹介です。
そのメンバーとつながりのある社労士事務所が、補助金申請ができる人を探している、というのを聞いて、メンバーが連絡をくれました。
こういう人脈からも仕事がもらえるんだ、というのが、診断士の面白いところなのでしょう。
ちなみに、これらはすべて補助金申請の下請けです。
そのため、自分で直接クライアントさんを持つよりは、圧倒的に報酬は少ないと思います。
「安い報酬でなんて、やってられないよ」
という声があるかもしれませんが、じっとしていてもどこからも仕事はやってきません。
いろいろな場に出て、人脈を作ることも大切ですが、私としては少しでも早く収入につなげたいという思いがあります。
加えて、私はこの仕事を「実績作り」と思って引き受けています。
何度もいっていますが、私は教育業界しか知りません。
そのため、強制的にほかの業界を知るチャンスが欲しいのです。
補助金申請というのは、さまざまな業界のことを学べるいい機会。
「実績は貯蓄です」
という友人の言葉を胸に、いくつかの業界について学びながら、
「経営者の人とヒアリングをした」
「自分の出したアイディアが、申請書を書くときに活かされた」
「申請書をしっかり書くことができた」
という、自分の中の「実績ポイント」を貯めている最中です。
■公的機関での経営相談員の仕事がしたい
こうやって実績を貯めているのには、理由があります。
私、公的機関での経営相談員の仕事がしたいのです。
まあ、これも人に言わせると、
「報酬が安い・・・」
らしいのですが(笑)
実は中小企業診断士に登録してすぐの頃、とある公的機関のコーディネーター採用に応募しました。
結果は、完全に撃沈。
見事に書類審査で落とされました。
しかし、思い返せばその頃の私は、診断士としての仕事はなにひとつやっていませんでした。
経歴といえば、塾の講師にあやしげなwebライター・・・。
ITに強いわけでもなく、なにかに特化したものがあるわけでもありません。
「そりゃ、落ちますよね・・・」
といまなら思います。
しかし、この数か月にわたって補助金申請をいくつかこなすことで、少しだけ自信がつきました。
少なくとも、履歴書や職務経歴書に、
「こういう業界に携わったことがある」
と書けるようになったのです。
これは大きい。
0と1は全然違います。
その甲斐あってか、10月末にあった某公的機関の応募では書類審査に通過しました。
診断士っぽい仕事の内容が書けるっていいですね(笑)
こういった公募は、私の所属している診断協会では競争倍率が20~30倍になることも珍しくないとのこと。
この記事がアップされる前に面接があるのですが、どうなることやら・・・。
「履歴書を20回くらい送るつもりでいなさい」
とは、実務補習のときにお世話になった先生の言葉。
そのくらい厳しいんだから、1回の応募を断られたくらいでめげずに頑張りなさい、ということらしいです。
なので、とりあえず頑張ってこようと思います。
■とにかく自分の強みをアピールする。アピールできる要素は絶対に誰もが持っている。
ほかの人たちがどうやって仕事を獲得しているのか。
ネットで調べても、なかなか明快な答えはありません。
多いのは、
「ちょっとした紹介で」
「運よく決まって」
そんな紹介、そんな運、いったいどこから来るんだろう。
私には不思議でなりません。
だからこそ、いろんなところに顔を出して覚えてもらい、自分ができることをアピールしていかないといけないのでしょう。
しかし、なにをアピールすればいいのかわからない。
はっきりいいましょう、私にもわかりません。
私からすれば製造業だったりメーカーだったり小売だったり、そういう業界で勤めていることこそがすでに強みです。
金型の実物も見たことのなかった私と比べたら、事前に装備されている知識は圧倒的なハズ。
ほかにも商品の企画をしたとか、いろんな業者さんと話をする機会があるとか、ITシステムを扱っているとか。
もう、強みでしかないんです。
うらやましくて仕方がありません。
しかし、私には書くという強みがあります。
また、塾講師として、生徒や保護者にさまざまなことを伝え、受験まで一緒に計画して、励まして、叱って、納得いく形で受験を成功させてきた経験もあります。
正直、これを強みといっていいのかどうかわかりませんが、私は塾講師としての経歴を象徴して、
【教育版:伴走型コンサルティング】
と名付けました。
物は言いようです。
しかし、これだけでなんだか自分の強みになった気がするから不思議です。
自分の中にある強み、これからもっと見つけていこうと思います。
■私、実はセミナーとかもやってみたい
なんでもやりたいことがある、というのはいいことです。
というわけでここでばらしますが、私もいつかはセミナーをやってみたいなあと思っています。
しかし、これもまたどういう縁で始められるのか・・・。
紹介や縁がない人は、直接、商工会議所などに提案書を送ってみてはどうでしょう。
A4サイズ1枚に収まる程度で、やりたい内容をまとめて送るのです。
商工会議所で働いている診断士の人から聞いた話では、だいたい半年後くらいからセミナーの予定は埋まっていくとのこと。
たとえば、9~10月に開催するセミナーは3~4月に募集・決定するらしいのです。
もちろん、HPで募集などされるわけではありません(される場合もあるかもしれませんが)。
こういったセミナーは、本人からの売り込みからも多いようです。
そこで、「これ、いいな」と担当の人が気になった提案書が採用されて、セミナーができるようになるのだとか。
セミナーはおよそ2時間程度なので、それだけの時間を話せる内容とPowerPointなどの作成能力が必要とされるのは大前提ですが。
人によっては、提案書を全国の商工会議所や商工会に一斉に送っているらしく、そうやって実績を獲得していく手段もあります。
まあ、私はまだそこまではやっていませんが・・・。
(喋る内容もないし)
そんなわけで、気合いと根性で仕事を勝ち取るということも、時には必要かもしれません。
まだしばらくはちょこちょこと実績を作りながら、邁進していきたいです。
■独立だろうが副業だろうが活動したい人がすべきこと
最後におまけです。
独立する人はもちろんですが、企業内診断士でも副業するつもりがあるのなら、用意しておいてほしいものがあります。
①診断士用のメアド
これはyahooやgmailといったフリーアドレスではなく、ドメインから取得するほうがいいでしょう。
月々数百円です。
自分だけのメアドがあるだけで、信用度は上がります。
いやな言い方かもしれませんが、月々数百円が払えないなら、副業や、まして独立なんて考えてはいけません。
②名刺
これも、ぜったいに必要です。
私は実務補習が終わってすぐに作りました。
そしてここに、①のメアドを乗せました。
いまは大手印刷会社なら、100枚数百円から作れるようです。
ただ、もし屋号のロゴなどをきっちり作りたいなら、プロのデザイナーさんに頼んだ方がいいです。
私も来年の開業にむけて屋号のロゴを作ってもらいましたが、こちらの希望の汲み取り能力がすごくて感動します。
③自分のHP
これは余裕があれば作っておくといいでしょう。
メアドのドメインを取得するときに、一緒にURLも取得できるので便利です。
私もwordpressでHPを鋭意作成中。
少なくとも表紙、事業内容、問い合わせ画面は用意しておくといいですよ。
④開業届の提出
私は諸事情により来年の開業になりますが、副業OKの人は出しておくといいかも。
独立する人はもちろん出しておきましょう。
人によっては、いきなり法人化、という人もいるかもしれません。
ちなみに、私は個人事業主の予定です。
■おわりに
独立する診断士の目線から書きましたが、いかがでしたでしょうか。
長々と書いた割には、大したことしていないやん、と思われた方もいるでしょう。
私は独立診断士ではありますが、夫の自営業を手伝っていることもあり、完全に自分だけのペースで仕事ができません。
そのため、自分の使える時間をうまく利用してできる業務しかやっていないのです。
ただ、来年からは時間ができるので、どこかに勤務できるようにがんばっています。
中小企業診断士は独占業務がないので、本当にみんなやっていることがバラバラです。
でもだからこそ、面白い。
「自分にはどんなことができるんだろう」
「どういう価値を提供できるのだろう」
ということを考えてみてください。
次回はつるさんの登場です。
お楽しみに!
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