実務補習の世界 byサトシ

タキプロ15期の   サトシ と申します。 

 今回は私も7月に受けました、実務補習についてお話していこうと思います。
それでは今回もよろしくお願いします。



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■実務補習って?

実務補習は受験生のみなさんも聞いたことがあると思います。合格してから受けることになる、アレです。
診断士協会が用意してくれたもので、こちらを15ポイント分受ける(実務従事で代替もできます)ことで診断士登録をすることができます。

実務補習は主に2月と、7〜9月に行われています。例年だと、2月の実務補習はあっという間に枠が埋まります。しかし、7~9月の実務補習は3ヶ月に分散していることと、実務従事という代替手段のことを理解してきている(2月だと実務従事のことを把握されていない方も多いです)ことから、比較的申し込みやすいものになっています。

代替手段である実務従事でポイントを獲得する手もありますが、とりあえず1回は実務補習を受けたほうがいいとされています。コンサルティングのやり方をテキストや指導員から教えてもらえますので、ほとんどの方が最低でも1回は実務補習を経験されています

■令和7年度から実務補習が変わります

今までは、実務補習は1社を5日間で扱って5ポイントを獲得し、それを3回行うことで診断士登録に必要な15ポイントを獲得していました。
しかし、令和7年度からはそれが変わります(令和6年度は移行期で一部地区で先行して実施されています)。
つまり、今までの5日間コースは令和6年度で廃止され、 これからは①15日間コース(8日+7日で2社)、②8日間コースを2回(2社)のどちらかになります。

これは診断士合格者を増やすための変更です。実務補習を3社より2社にしたほうが指導員を効率的に使うことができ、合格者を受け入れる人数を増やせます。ECRSの法則で言う「C」ですね。
また、5日間コースは日程的にタイトすぎるし、大したこともできないため、現場の指導員からも見直しの要請がありました(実際、私が実務補習をしているときも指導員の方がそのように言ってました)。
タイトすぎる例はこの後の5日間コースの内容で紹介します。

■実務補習はガチャ的要素が強い

実務補習がうまくいくかどうかの鍵を握るのが、①指導員、②チームの他のメンバー、③実務補習先の企業、の3つです

多くの診断士から聞いた情報をまとめると、①〜③それぞれに「当たり」と「ハズレ」があります。そして、それぞれ1/3ずつハズレを引く可能性があると言われています(私の実感だとそれぞれ1/5くらいの気もしますが)。

3つすべて「当たり」なら、天国のようにラクな実務補習になります(確率は8/27ですね)。
逆に3つすべて「ハズレ」なら、地獄のような実務補習になり、心や身体を壊すほどの苦行になります(確率は1/27ですね)。

正直、これは時の運に任せるしかありません。ハズレが1つだけなら、そこまで負担にはなりません。多くの方がハズレを引いたとしても1つまでになっています。

■実務補習の流れ

私が実務補習を受けたのは令和6年度なので、ちょうど移行期間になります。そのため、令和6年度に廃止される5日間コースを受講しました。
詳しい流れは以下の通りです。

なお、各日の時間は原則として9時〜17時ですが、その日にやるべきことが終わらなければ「残業」です。逆に早く終われば「早退き」もできます(指導員の許可が必要です)。

一方、令和7年度(一部地域は先行して令和6年度)から実施の8日間コースは、以下のような流れになっています。5日間コースで詰め詰めにしてやっていたものを、8日間でゆとりをもってやるというイメージです。

■実務補習の初日の前にやること

これは5日間コースも8日間コースも同様になります。

実務補習は申し込んだ後、1日目の約1週間前頃(遅くても4〜5日前)に担当の指導員と一緒にやるチームのメンバー、実務補習先の企業が書かれた資料がメールで送られてきます
指導員によっては企業の概要、財務諸表や課題まで書かれた資料を提供してくれることもあり、私のところはそうでした。

そして、その1週間(短くても4〜5日間)は実務補習先の予習になります。SWOTや課題、ヒアリングでの質問事項を考えてきます

■実務補習の各日で行うこと

【5日間コースの1日目】
オリエンテーション、グループ別打合せ、企業等の訪問・調査、資料分析など
私がやったときは、午前中が打合せで質問事項の確認と整理、午後が実務補習先企業への移動と経営者へのヒアリング、という形でした。

オリエンテーションのときに班長と副班長を決めます。班長は誰も立候補しなかったので、「じゃあ私が」ということで班長になりました。

【8日間コースの1日目】
オリエンテーション、経営診断・ヒアリングの進め方、企業情報収集、役割分担など
事前の予習でしていた企業の情報収集が1日目に入り、ヒアリングは2日目になっています。


【5日間コースの2日目】
企業等の訪問・調査、資料分析など
「訪問・調査」となっていますが、訪問は初日に行うところが多いです。稀に初日は実務補習先の企業の経営者がスケジュールNGで、ヒアリングを2日目に行うことがあります。

なので、ほとんどのチームが2日目は初日にヒアリングしたことの整理と、そこから戦略を練る作業になります。5日間コースだとこれを1日で終わらせます。そのためこの日はかなり遅くまでかかります。実際、私のチームも19時頃までやっていましたし、他のチームは21時までやっていたところもありました。

そして、各メンバーの担当(マーケティング、営業、生産、財務など)を決めていきます。なお、班長は基本的には全体戦略(経営理念〜SWOT〜企業・事業戦略)担当になります。私は班長だったので、全体戦略の担当でした。

5日間コースは、この日が終わると自主学習期間に入り、3日目は約1週間後になります。

【8日間コースの2〜4日目】
企業等の訪問・調査、資料分析、現状分析、経営課題の抽出、診断方針設定
先ほどの5日間コースの2日目に1日でやったことを、8日間コースだと3日かけて終わらせます。なので、かなり余裕をもってできます。

8日間コースは、2日目から4日目の3日かけて終わらせたら自主学習期間に入り、5日目は約5〜6日後になります。


【5日目コースの自主学習期間】
受講者・指導員間でメールにて経営課題の抽出や診断報告書の作成準備
具体的には、自分が担当するパートの報告書(1人15ページが目安)を書いていきます。

期間中にzoomでの打ち合わせ(指導員も含めて)を1回やりました。全くやらなかったチームもありますし、2回やったチームもあったみたいです。

私のグループでは初日に連絡用のグループLINEを作りましたが、自主学習期間中もメンバー間で認識や意見のズレがないように確認のLINEを頻繁にしていました。

※8日間コースの説明には自主学習期間のことが載っていませんが、おそらく5日間コースと同じようなことをすると思います


【5日間コースの3日目】
全体調整、診断報告書の作成
午前中は各自で作成してきた報告書の内容の説明をし、全体戦略と各パート、パート間で内容の矛盾がないか、内容が妥当かどうかについて他のメンバーや指導員から意見をもらいます。午後はその意見をもとに報告書を修正します。このようなイメージです。私のチームはそうでしたが、他のチームもほぼ同じでした。

内容が酷い人はここで報告書を書き直しになります。そうなるとほぼ徹夜確定です(そのまま4日目に突入します)。これが実務補習の受講生の間で恐れられている「ちゃぶ台返し」です。

【8日間コースの5・6日目】
全体調整、診断報告書の作成
5日目が全体調整(全体と各パート、パート間での矛盾がないか、内容が妥当かどうかの検討)、6日目が報告書の修正の作業になります。ここも5日間コースの3日目でやることを2日かけてできるので、かなり余裕をもってできます。


【5日間コースの4日目、8日間コースの7日目】
診断報告書の完成、マージ作業、印刷(+余裕があればプレゼンの練習)
午前中は修正した各自の報告書をもとに全体調整をし、午後はマージ作業、夕方に印刷をするイメージです。余裕があれば最後に最終日のプレゼンの練習をします。

マージ作業(統合作業)が厄介です。フォントや文字の大きさ、番号の付け方など、人によってバラバラだとかなりの重労働になります。私のチームでは指導員がフォントや文字の大きさなどを細かく指定していたので、マージ作業はそこまで大変なものではありませんでした。


【5日間コースの5日目、8日間コースの8日目】
企業等への報告会(プレゼン)、実務補習修了証の受け渡し
報告会(プレゼン)は実務補習先の企業の都合で時間が変わります。午前中の場合もあれば午後の場合もあります(私のチームは午後でした)。

午前中の場合は、当日にプレゼンの練習をやれる時間がないので、必ず前日にプレゼンの練習をやることになります。その代わり、最終日は午後イチくらいで終わってしまい、診断士協会に行って実務補習の修了証をもらい、打ち上げも14時頃から開始できます。

午後の場合は、当日にプレゼンの練習をする時間があります。なので前日にプレゼンの練習までできなくても何とかなります。私のチームは、前日の夕方と最終日の午前中にプレゼンの練習をし、午後がプレゼン本番でした。その代わり終わる時間が遅く、診断士協会に行って実務補習の修了証をもらって打ち上げを開始する時間は17時頃になります。

オマケ(実務補習後)

実務補習の後にお誘いや紹介を受けることがあります

指導員や他のメンバーから仕事や診断士向けのイベントの紹介をしてくれることがあります。指導員から仕事が来る場合は、指導員との相性の良さやその人の得意分野・仕事内容が影響してきます。

また、実務補習先企業から仕事の依頼が来ることもあります。すでに独立開業をしている人や、企業内勤務だけど実務補習先企業の社長と相性が良くて気に入られた人に依頼が来る傾向があります。

■おわりに

いかがでしたか?合格後に行う実務補習の流れと、各日で行うことのイメージはつきましたでしょうか?
長々と書いてしまいましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。

次回は、みつひで さんの登場です。 

お楽しみに! 

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