実務補習体験記 by たくまる
はじめに
読者の皆さんおはようございます。前回の記事では経営法務について書かせてもらいました「たくまる」です。
1月14日(金)の合格発表で見事口述試験の受験資格を得られた方は、試験対策に忙しいと思います。ほぼ合格すると言われておりますが最後まで気を抜かないよう対策に励んでください。
本日のブログでは少し気が早いですが、多くの診断士試験合格者が受講するであろう実務補習について書かせていただきたいと思います。私は実務補習を申し込むにあたって、本業との両立ができるかどうかとても不安を覚えたので、その点について掘り下げて記事にしたいと思います。
実務補習の概要
実務補習は例年、合格発表直後の2月(冬季)と7月、8月、9月(夏季)に開催されます。
2021年度2次口述試験を受験された方向けの申込は既に開始されており、1月14日(金)からインターネットと郵送での申し込みができるようになっています。大都市圏はすぐに募集枠が埋まってしまうそうなので、まだ申し込みを行っていない方はリンク先を参考にして、お早めに手続きを始めてください。
冬季開催の15日間コースを修了すれば診断士登録に必要な実務ポイント15点が付与されるため、最短で診断士になれます。また、本業が忙しいなどで15日間コース難しい場合も、5日間コースを3回分受講してポイントを取得することが可能です。
私自身は2021年7月と9月の5日間コースを受講して、10ポイント獲得しております。
私が受講した実務補習
実務補習5日間コースを2回受講して、指導員の先生によって進め方が大きく異なったのと、診断先企業の業態に応じて役割分担を柔軟に行う必要があったことがとても印象に残っています。
どちらの回でも初めて出会った複数人のチームで円滑にコミュニケーションを行い、診断先企業の社長さんに響く診断報告書をまとめあげる難しさは共通していました。
開催の1週間程度前に指導員の先生からメールがあり、受講生同士の自己紹介や診断先企業の概要、財務状況について情報共有がありました。それを踏まえてWebサイトや業種別審査事典を駆使して診断先企業の課題をイメージしたうえで1日目を迎えました。
7月受講、卸売業
5日間の実務補習すべて貸会議室に集合して診断先にヒアリングして得た情報の確認、SWOT分析による強み・弱み等の洗い出し、診断報告書骨子の議論を行いました。自己学習前の3日目とプレゼン前の4日目は夜遅くまでの作業になってしまいました。(以下表を参照)
全体的に受講生側の自主性が強く求められ、ファシリテーションは班長が行い、タイムスケジュールの管理が徹底されていました。実務以外でも診断報告書の印刷などで発生する経費の精算や、診断先へ向かうまでの交通経路の調査まで担当者を決めて運営しておりました。
指導員の先生も受講生の議論に途中では口を挟まず、ある程度煮詰まってからまとめて指摘をいただきました。
提案の背景には財務的な根拠が必要という方針だったため、財務の分析や報告書作成は主担当以外に複数名で協力して仕上げました。
日付 | 開催場所 | 実施時間 | 内容 |
---|---|---|---|
1日目 | 貸会議室 | 9:00~15:00 | オリエンテーション、診断先企業ヒアリング |
2日目 | 貸会議室 | 9:00~18:00 | ヒアリングまとめ、SWOT分析 |
3日目 | 貸会議室 | 9:00~21:00 | 診断報告書骨子まとめ、自己学習中の作業を確認 |
自己学習 | 自宅 | 1日当たり2~3時間 | 各自分担の診断報告書作成 |
4日目 | 貸会議室 | 9:00~21:00 | 診断報告書仕上げ、校正、印刷 |
5日目 | 貸会議室 | 9:00~15:00 | プレゼンテーション |
9月受講、不動産販売業
新型コロナウィルスの感染者が急増している中での実務補習となったため、1日目のオリエンテーションと診断先訪問、5日目の診断報告書のプレゼン以外はZoomを利用したリモートでの実施となりました。
SWOT分析や診断報告書骨子の議論はオンラインホワイトボードのMiro(ミロ)を使って、アイデアを書き出したり決定事項を確認したりしながら進行しました。オンラインホワイトボードを実際に使用したのは初めてだったため、私にとって貴重な経験となりました。
会議室と異なり、発言者が直接ホワイトボードに書き込めるため待ち時間が無く、議論がどんどん進み5日間ほぼ17時ごろには終了していました。
指導員の先生の姿勢は7月受講時とは真逆で、貸会議室の準備や経費の精算、ZoomやMiroの準備等、すべて行っていただけました。ファシリテーションは班長が行いましたが、議論の途中でも指導員の先生はアドバイスやご自身の意見を述べて、受講生と共に診断報告書を作成している印象でした。
日付 | 開催場所 | 実施時間 | 内容 |
---|---|---|---|
1日目 | 貸会議室 | 9:00~15:00 | オリエンテーション、診断先企業ヒアリング |
2日目 | オンライン(Zoom) | 9:00~17:00 | ヒアリングまとめ、SWOT分析 |
3日目 | オンライン(Zoom) | 9:00~17:00 | 診断報告書骨子まとめ、自己学習中の作業を確認 |
自己学習 | 自宅 | 1日当たり2~3時間 | 各自分担の診断報告書作成 |
4日目 | オンライン(Zoom) | 9:00~17:00 | 診断報告書仕上げ、校正 |
5日目 | 診断先企業 | 9:00~12:00 | プレゼンテーション |
最後に
2回の実務補習どちらも特徴があったため、とても貴重な経験ができました。診断報告書や財務分析の結果は誤字脱字が無いことはもちろん、定められた記載内容や書式を満たす必要があります。これから補助金申請や公的支援に携わっていくために、規定通りの成果物を仕上げる意識が重要なのだと、作業を通じて実感しました。
一方で、Zoomやオンラインホワイトボードを活用することで、初対面でもリモートで診断業務が可能なことは驚きでした。もちろん指導員の先生が適切にアドバイス、議論の軌道修正をしていただけたからこそだったとは思いますが、同じ試験を突破してきたからこそなせる業だと感じ、貴重な経験でした。
次回は次郎さんの登場です。
お楽しみに!
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