【受験を検討されている方へ】中小企業診断士試験とは? byゲンゾー
読者のみなさん、こんにちは。
タキプロ14期の ゲンゾー と申します。
(私の自己紹介は、こちらを参照ください。)
本日のブログは、
中小企業診断士に興味がある方
中小企業診断士試験の受験を検討されている方
へ向けた記事となります。
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目次
■はじめに
令和5年度の2次試験まで、残り約2週間となりました。今年2次試験を受験される方は最後の追い込み期間となっています。
去年の私はこの時期、2次試験に向けた不安と向き合い憂鬱になったり、やるしかない!という気持ちで机に向かったりと不安定な日々を繰り返す毎日でした。
中小企業診断士試験を受験される方は皆さん同じような気持ちになったことは一度や二度ではないはずです。
そんな私が前を向いてやるしかない!と思えたのは、中小企業診断士に興味が湧き、仕事終わりに始めて予備校の受付でパンフレットを受け取った日のことをいまだに覚えているからだと思います。
中小企業診断士に興味が湧いた動機は人それぞれだと思います。
例えば、、、
・資格を取得して、社内で希望のポジション、部署に異動や昇進をしたい。
・資格を取得して、転職活動を有利に進めたい。
・経営について体系的に学びたい。
・社会保険労務士、行政書士などの他の士業資格を持ち活動する中で、経営者の方に対して経営に関するアドバイスも行いたい。
・日本の99.7%を占める中小企業が抱える課題や悩みを1つでも多く解決したい。
・社会人として、自分の強みを作りたい。
・身近に中小企業診断士を合格された方がおり、自分も取得してみたい。
・中小企業診断士になって儲けたい。
言葉や想いは違いますが、そこには必ずきっかけや理由があると思います。
中小企業診断士は、中小企業診断士試験を1年で合格(ストレート合格)し取得する方もいれば、複数年(多年度)かけて合格し取得する方もいます。
一方、2次試験を合格するのではなく、1次試験合格後に養成課程実施機関の試験を受験・合格し、指定のカリキュラムを修了することで取得を目指す方もいらっしゃいます。
そして、私のように予備校の受付でパンフレットを受け取った日から12年を経て合格し、取得する場合もあります。
合格までの期間は千差万別ですが、受験を検討されている方は、中小企業診断士に興味が湧いたきっかけや動機を決して忘れないでください。
受験勉強を諦めようと思ったときや、悶々として前に進めないときに立ち返る場所にきっとなってくれるはずです。
今日は、干支が一回りしてしまった私の中小企業診断士に興味が湧いた日の想いを載せながら、中小企業診断士試験についてお伝えしていきます。
■中小企業診断士とは
まず、最初に中小企業診断士試験を知る前に『私の考える中小企業診断士の役割や仕事』について記載します。
中小企業診断士は、中小企業支援法にその役割が定義されている法律上の国家資格となります。
詳細は、14期のじゅんさんのブログ(中小企業診断士試験制度を読み解く)に記載されていますので参考にしてください。
よく、一言でいうと?と聞かれると、『日本で唯一の国家資格として認められているコンサルタント』などと言われたりします。
ちなみに、私は子どもに中小企業診断士って何?と聞かれると『中小企業のお医者さん』と応えています。
経営者の方は企業規模に限らず、最終決定権や責任は自分にあるという孤独と向き合う方が多いと聞いています。
ただ、その孤独を上回る想いを力に変えて前に進まれていることも事実だと思います。
この想いは、取引先や自社の製品、従業員、自分の家族に対するモノなど様々です。
しかし、時にはその孤独や想いを一人では抱えきれないことがあると思います。
そうした時に、孤独や不安に駆られる経営者の方に寄り添うことが中小企業診断士の役割ではないかと思っています。
中小企業の経営状況を診断し、適切な処方箋を提供し、時には伴走をして、経営者の方の孤独や不安を1つでも減らす。
そして、最後に「ありがとう」と言われる仕事ではないかと思っています。
■中小企業診断士になるためには
次に、中小企業診断士になるためのステップについて記載します。
中小企業診断士になるためにはおおきく2つの流れがあります。(詳細はこちら)
1.中小企業診断士試験の1次試験と2次試験を合格し、3年以内に実務補習・実務従事を15日以上行うこと
2.中小企業診断士試験の1次試験を合格し、養成機関が実施する養成課程を修了すること
どちらも、取得できる中小企業診断士という資格に違いはありません。
ただ、養成機関を修了された方は、同じタイミングで中小企業診断士として2次試験を合格された方に比べ、実践力という点では大きくリードした状態でスタートされていると感じています。また、養成機関への入学に必要な試験はあるものの、2次試験の合格という不確実性とを比較すると、入学した時点で中小企業診断士になれる期限が明確になりそこへ向けて邁進できることもメリットだと思います。
(試験合格者に必要な実務補習・実務従事も養成機関のカリキュラムに含まれているため、修了と同時に中小企業庁への登録申請が可能です)
最初から独立を前提に資金の確保ができ、期限を区切って中小企業診断士を目指される方は、養成課程に進まれることをお勧めします。
一方、独立までは考えておらず、自身のリスキリングの一環として、中小企業診断士を目指される方は、2次試験を経由して中小企業診断士となることをお勧めします。(独学で書籍の購入費だけで中小企業診断士になる方もいらっしゃいます)
いずれにしても、中小企業診断士に興味が湧いた動機やきっかけに対し、支出できる資金と取得までの期間を総合して検討されると良いです。
(私は、合格するまでに結果的に12年かかるのであれば、養成課程に進めばよかったと結果ありきですが心の隅っこで思っています)
養成課程については、11期のかまかまさんのブログ(養成課程出身者に聞きました)も参考にしてください。
■中小企業診断士試験(概要)とは
ここでは、中小企業診断士試験の概要について説明します。(詳細はこちら)
中小企業診断士試験は、1次試験と2次試験に分かれます。
そして、2次試験は筆記試験と口述試験に分かれます。
ストレート合格を目指す方も例年5月上旬の1次試験の申込締切から、2月の合格発表まで約10カ月の長丁場となります。
(合格後の15日間の実務補習を含めると中小企業診断士の登録まで、最短でも試験の申込から1年~1年半かかります。)
■中小企業診断士試験(1次試験)とは
ここでは、中小企業診断士試験の1次試験について説明します。
令和5年度の1次試験は例年8月の上旬の2日間を活用して全国10都市18会場で開催されました。
(令和5年度から金沢、四国(愛媛or香川)が追加されました。受験料も改定されました。沖縄会場は台風のため開催できず12月に再試験となりました)
1試験は、7科目(マークシート方式)で行われます。科目は以下の通りです。
<1日目>
1時限目:経済学・経済政策
2時限目:財務・会計
3時限目:企業経営理論(経営戦略論、組織論、マーケティング論)
4時限目:運営管理(生産管理、店舗・販売管理)
<2日目>
1時限目:経営法務
2時限目:経営情報システム(情報通信技術に関する基礎、経営情報管理)
3時限目:中小企業経営・中小企業政策
中小企業診断士として活動するために必要となる知識を幅広く問われる試験となっています。
そして、2日間の長丁場の試験となります。中小企業診断士として必要な知識だけではなく、精神力と体力も必要になります。
1次試験の各科目の合格ラインは60点となります。全科目を受験した場合の合格点は、420点となります。
(ただし、1科目でも40点以下となった場合は、420点あっても1次試験は不合格となります。その場合、科目合格のみ有効となります)
中小企業診断士試験は、科目合格による免除があり、60点を超えた科目は、翌年度と翌々年度の試験を免除されます。
1次試験を合格するためにも科目合格制度を有効に活用し、複数年計画で合格することも可能です。
(詳細は、試験案内をご覧ください。)
私は2年間で1次試験を合格する計画を立て、4科目づつ受験をしていました。
1次試験は7科目なのに、4科目づつ受験?と思われるかもしれませんが、60点以上を確実に取れる科目については敢えて免除せずに、苦手科目を補う戦略を立てていました。よく2年目は1年目に合格しなかった科目を受験するという受験生の方がいますが、残っている科目が苦手科目でなかなか得点が伸びづらい場合が多いです。
1次試験は正解がある試験であり過去の試験結果の蓄積もあるため、しっかりと試験対策を行い、受験へ向けた戦略を立てることができれば通過できる試験となります。
また、令和6年度から試験内容が一部変更となりますので、こちらも参考にしてください。
試験概要の詳細、合格パターンは、13期のhide_kingdomさんのブログ(中小企業診断士試験の流れをお伝えします)を参考にしてください。
■中小企業診断士試験(2次試験(筆記試験))とは
ここでは、中小企業診断士試験の2次試験(筆記試験)について説明します。
2次試験は、その年に1次試験を合格した方と昨年1次試験を合格した方が挑戦出来ます。
令和5年度の筆記試験は、例年10月下旬に1日を使い、全国7都市11会場で4科目(筆記)で行われます。
科目は以下の通りです。
1時限目:組織(人事を含む)を中心とした経営の戦略及び管理に関する事例 (事例Ⅰ)
2時限目:マーケティング・流通を中心とした経営の戦略及び管理に関する事例 (事例Ⅱ)
3時限目:生産・技術を中心とした経営の戦略及び管理に関する事例 (事例Ⅲ)
4時限目:財務・会計を中心とした経営の戦略及び管理に関する事例 (事例Ⅳ)
試験時間は、いずれも80分で、9:40に開始し、17:20に終了する試験です。こちらも長丁場です。
最後の事例Ⅳは、一日を通じて頭がつかれて切っている状態の中で、簡単に解くことが出来ない計算問題が登場します。
1次試験以上に精神力が試される試験です。
2次試験の合格基準は、試験案内・申込書に以下の通り記載されてます。
筆記試験における総点数の60%以上であって、かつ1科目でも満点の40%未満がなく、口述試験における評定が60%以上であることを基準とします。
基本的には1次試験の合格基準と同じですね。
ただし、2次試験は正答が公表されていません。100点の解答が何かがわからない中で試験対策をする必要があります。
一方、2次試験の合格者の推移をみるともう1つの基準が読み取れます。
2次試験の筆記試験受験者に占める合格率と合格者数に注目します。
<合格率と合格者数>
平成30年 18.8% 905人
令和元年 18.3% 1,088人
令和2年 18.4% 1,174人
令和3年 18.3% 1,600人
令和4年 18.7% 1,625人
※中小企業診断協会ホームページより引用(詳細はこちら)
2次試験の受験者に占める上位約18%を基準に60点を設定しているのではないかと想像できます。
2次試験は、1次試験に合格をした中小企業診断士としての基礎スキルを有する方が、中小企業診断士としての資質があるかどうかを見極める選抜試験だと考えることができます。
私は2次試験を6回受験しました。
初めて2次試験を受験したのは平成25年です。そして、平成26年も不合格でした。
しばらく時間が経ち、2次試験に再挑戦し、3回目の受験となった令和元年の試験では、過去と比較すると合格ラインが高まっている印象を受けました。
そして、年々合格者の再現答案の質が上がり、予備校はノウハウを蓄積し、合格に必要なレベルは上がっていきました。
前年不合格であった自分との戦い以上に、見えない18%の壁と戦う難しさを感じ、悪戦苦闘しながら、6回目でようやく合格することができました。
2次試験においては、最も重要なことはやみくもに勉強を始めるのではなく、1次試験合格後、その年の2次試験における情報収集(18%の壁を知っている人をみつける、書かれている書籍を読む、自分で18%の壁を探す)を図り、見えない18%を超える受験戦略をたてることが重要です。
筆記試験の詳細は、13期のhide_kingdomさんのブログ(中小企業診断士試験の流れをお伝えします)を参考にしてください。
私の合格した年に取った行動は、こちらのブログを参考にしてください。
■中小企業診断士試験(2次試験(口述試験))とは
最後に、中小企業診断士試験の2次試験(口述試験)について説明します。
口述試験は、筆記試験の合格者に課される試験となります。
口述試験は、例年1月中旬に全国7都市で開催されます。
(受験地は、筆記試験の受験地となります)
そして、筆記試験の合格発表から約2週間後に口述試験が開催されます。
(準備期間は短いです。2次試験終了後、再現答案を作成することをお勧めします。受験生支援団体の口述試験セミナーをご利用ください。)
口述試験は、その年の2次試験を活用し、4つの事例の内、2つ事例が取り上げられ各2つづつ質問が行われます。
統計上、口述試験の会場で受験ができた受験生はほぼ合格しています。
口述試験で大事なことは、
1.試験会場に遅刻せずに行くこと
2.試験監督員の質問に真摯に向かい、回答すること
となります。
ここで、ようやく2次試験が終わり、ようやく、中小企業診断士試験の合格者となります。
口述試験の詳細は、13期のhide_kingdomさんのブログ(中小企業診断士試験の流れをお伝えします)を参考にしてください。
私の合格した年に取った行動は、こちらのブログを参考にしてください。
■おわりに
本日のブログでは、普段お届けしている試験のノウハウや合格体験記ではなく、中小企業診断士試験について記載をしました。いかがでしたでしょうか?
中小企業診断士試験の合格は、同時に中小企業診断士として新規登録へ向けたスタートとなります。
新規登録に必要な15日間の実務補習・実務従事のポイントを獲得することが次なる試練です。
実務補習や実務従事の修了をもって、中小企業庁への申請・登録手続きを経て中小企業診断士として新規登録が行われます。
(実務補習・実務従事に関する詳細は、こちらにタキプロのブログがありますので、参照ください。)
中小企業診断士に興味が湧いた動機やきっかけは人それぞれだと思います。
ただ、その想いを大切にしてください。
受験生活を送る中で、その想いは絶対に助けになります。
そして、その想いは、中小企業診断士に登録し、日々の活動を行う上でもきっと助けになると信じています。
本日のブログが中小企業診断士試験の受験を検討する方への後押しとなってくれると幸いです。
そして、一人で多くの読者の方が、中小企業診断士として、中小企業の経営者の方に『ありがとう』と言われる日が訪れることを心からお祈りしております。
次回は、こんぷ さんの登場です。
お楽しみに!
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
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