多年度ベテラン”悪筆”受験生の合格体験記 by Naobo

あけましておめでとうございます。タキプロ15期の   Naobo と申します。  

正月三が日はゆっくり過ごされている方も多いのではないかと思います。

私は中小企業診断士試験の勉強を開始してから合格するまで約5年かかった60歳代後半の多年度生です。また、受験生の中では、1、2を争う悪筆(特に時間との勝負になった時)だと自覚しています。1次試験には関係ありませんが、最初に受けた2次試験の結果次第で、次回以降の受験をあきらめることも考えていました。幸いA判定が取れた事例があったので、受験を続ける決心ができました。今回は、試験勉強を始めてから合格するまでの道のり、失敗勉強法と成功勉強法、それと実務従事と実務補習(5日間)の過程で印象に残ったことについてお伝えしたいと思います。お休み中に気楽に読んでいただければ幸いです。



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■はじめに

改めて私の経歴を簡単に紹介します。

22年12月まで外資系半導体企業に勤務し、技術分野のサプライチェーンマネージメントを担当していました。直接取引をしているサプライヤーを1次とすると、その先に2次、3次のサプライヤーがいます。業界全体のエコシステムを形成しており、エコシステムを支えているのは数多くの中小企業であることを実感させられました。そこで、理論に裏付けられた、よりプロフェッショナルな仕事をするために中小企業診断士の資格を取ることを決意し、令和元年から勉強を開始しました。最初の1次試験には3年かけて令和3年に合格しましたが、2次筆記試験では2年連続で不合格となりました。特に2年目はかなり勉強したつもりだったので落ち込むとともに、独学の限界を感じました。

不合格発表後、23年4月からディープテックベンチャーに勤め始めました。「資本金1億円以下」や「サポイン事業」(現在はGo-Tech事業に改称)という言葉がオフィス内で聞こえていました。そこで、やはりプロフェッショナルな仕事を目指そうと再挑戦を決意しました。独学の限界を感じていたため、通信講座(スタディング)に申し込みました。その結果、独学で不足していた部分を補うことができ(特に1次試験)、令和5年度には晴れて合格することができました。

■失敗勉強法 ― 同じ失敗を少しでも繰り返さないために

1次試験(令和元年-3年)

令和元年の1次試験直前は年休を取って暗記科目に集中しようと思っていたところ、どうしても外せない仕事が入ってしまい時間が取れず、4科目合格。落ちたのは「法務」(自己採点50点台)、「運営」(1問正解足らず)、「中小」(足切り)で、暗記三兄弟の二つにやられました。令和2年は、新たに担当になった仕事が超多忙で、コロナ禍にもかかわらずほぼ連日出張、あまり運転が好きでないのに車でしか移動できず、週末はぐったりして、勉強にかける時間が限られました。とにかく暗記科目の1科目合格を目指して「法務」に特化しましたが、合格点に達しませんでした。令和3年は出張が減ったので何とか3科目の勉強時間を確保できましたが、試験では「中小」ができず、半ばあきらめていたところ、合格通知の大きな封筒が届いて(どこかで自己採点を間違えた!?)びっくりしたことを覚えています。

教訓:余裕を持った学習計画を立てることと、特に暗記科目への時間配分を正しく見積ること。

 

2次試験(令和3-4年)

合格通知を受領後、慌ててYouTubeを含むネット検索で傾向と対策を調べ、基本的にはふぞろいと事例Ⅳの参考書を使用しました。事例Ⅰ〜Ⅲは過去5年、事例Ⅳは過去10年の過去問に取り組みましたが、事例Ⅰ〜Ⅲでは定型パターンの習得が不十分でした。試験前夜、興奮して?3時間も眠れず、事例Ⅰは何とかできたものの、事例Ⅱで大ポカ(「フランチャイジー、フランチャイザー」の問題でポエム)、昼休みを超えて事例Ⅲの途中までその影響が残り、事例Ⅳは眠い中何とか立て直すも、総合B判定で不合格。

令和4年は満を持して勉強開始。しかし、解法を探す旅に出てしまい、結局自分のものにできませんでした。それでも「勉強した感」があったので、合格できるかなと思った前日までの感触がありましたが、前年以上の睡眠不足。事例ⅠからⅢは与件文から解答をうまく拾えず、しっくりこないままで終了。比較的得意と思っていた事例Ⅳに、睡眠不足の影響がもろに出て、問題文を読み違え!(年と月の混同ーありえない!)、いつもなら解ける問題(制約条件下での利益の最大化、変動費・固定費の基本)が解けず、結局218点で不合格。このがっくり感は、試験直後から年明けまで残りました。

教訓:とにかく前夜の睡眠時間を確保すること(前々回のブログに書かせていただきました)、自分が納得できる解答手法を確立し、与件文に沿った解答を書くこと。

■成功勉強法 ― 少しでも参考になれば

1次試験2次試験(令和5年)

職場が変わり、通勤時間は片道約1時間半となりました。今までの反省もあり、通信講座を選択することにしました。その中で隙間時間の有効活用ができそうなスタディングを選び、職場への通勤時間を利用して学習、4月後半から始めて7月中旬までに全教科を完了させました。練習問題、過去問解説を主にコピペして作成した見返し用ノートも効果的でした。その結果、「中小」の点は50点前後でしたが、合計は自己採点438点で合格しました。

2次試験の過去問の解答作成練習を始めたのは約一か月前からで、それまでは与件文の読み込みと解答骨子の作成に注力しました。ここで重要視したのは、別のブログでも書きましたが、与件重視とそこから導かれる納得感のある記述、まずは与件に寄り添い、事例特有のキーワードを思い浮かべるのはその次、という方法です。最も不得意な事例Ⅱ(過去問16年分)から始め、事例Ⅰ(過去問10年分)とⅢ(過去問12年分)の与件読み込みと解答骨子作成に取り組みました。令和3、4年度に集中的に使ったふぞろいは、今回はキーワードの確認程度に使用しました。もちろん事例Ⅳはほぼ毎日、何かしらの訓練を行いました。最大の課題であった当日の睡眠時間を確実に確保するために、前々日からの睡眠時間の調整を行い、当日は何とか6時間程度睡眠を確保しました。その結果、何とか合格ぎりぎりの解答にまとめることが出来合計242点で合格。

今から思うと:長くなった通勤時間の隙間時間が効果的に使える通信講座を選択したことと、そして何といっても、前々日からの睡眠調整が合格点に達した鍵だったと思います。

■その後 ― 実務従事と実務補習

業務が忙しいことが分かっていたので、2月の実務補習には申し込みませんでした。しかし、3月末に想定外の退職をすることになりました。診断士登録のために、7月〜9月の実務補習まで待つか、実務従事に参加するか迷っていた時に、タキプロ顔合わせのZoomミーティングがありました。そこで、3月に実務従事に参加された方が、補助金申請書作成の実用的な知識を得られて良かった、と話されていました。Zoom終了後、早速調べたところ、4月にも席があったので即座に申し込みました。実務従事は、対象企業の経営者の意向を踏まえた新規事業計画作成が主な内容でした。さらに、一度は企業診断を経験したく、7月の実務補習にも申し込みました。以下、印象に残った点だけまとめたいと思います。

 

実務従事

全員が受講する4日間のコース+必要な自主勉強1日で5ポイント獲得でき、さらに課題(対象企業事業を想定した事業再構築計画書)の提出で追加10ポイントまで獲得できるコースでした。支払う費用は、おおよそ実務補習5日間コース1回分ですので、費用効果は高いとも言えます。私はリアルで参加しましたが、Zoom参加のコースもありました。4月開催コースは大人気で、リアル会場には30名前後の実務従事者がいました。座学とグループワークの時間は半々で、6班に分かれて課題に取り組みました。メインの課題は、対象企業の経営者の意向を踏まえた新規事業計画作成でした。経営者の方は、ほぼ潰れかけていた事業を親から引き継ぎ、立て直すために補助金を最大限活用した経験を基に新規事業を立ち上げられた方でした。さらに、事業をするのが好きということで、そのためのアイデアを得ることが実務従事の期待でした。経営者の事業に対する熱意に圧倒されると同時に、新規事業計画作成の基礎を学び直すことができた実務従事でした。

 

実務補習

実務補習は7月の5日間コースに申し込みました。開始一週間前に指導員の先生から連絡があり、まずはメンバーの自己紹介。実務補習経験者に恵まれ、3回目が3名、2回目が1名、初回が私を含めて2名でした。経験者4名は、企業で営業を担当している方々でした。その後、診断先の会社名(立ち飲み屋)や診断チェックリスト、診断分析用のExcelファイルなど、いろいろな資料が送られてきました。 事前のメールのやり取りで、ほぼ担当分野が内定したので(正式決定は補習初日)、内定した担当分野中心(私の担当は財務・会計、報告書では財務に特化)に、送られてきた資料の確認と事前作業、ネットなどで情報収集しました。一般知識として、業界全般を理解する本(含む漫画本)をもう少し読んでおけば、チーム内で議論にもっと貢献できたと思います。 もう一人の補習初回の方が班長を務めましたが、班長経験者が3名おり、サポート体制も完璧でした。また、補習経験に基づく、自主学習期間前の取り決め、日々の時間割設定も的確に機能しました。さらに班長経験者の方から、報告書のWordテンプレートをシェアしていただいたおかげで、少し心配していた診断報告書のマージ作業も問題なく終了することができました。

診断報告書は、実務補習テキストの作成要領に従って作成し、目安は90ページ。

  • 表紙、目次
  • 総括提言、提言チャート、重要提言要約総括表
  • 報告書本文(今回は「経営戦略」、「財務」、「営業・マーケティング」、「店舗施設・運営管理」、「人事・労務・サービス品質」、「情報化」の章立てで、各々「現状認識」、「課題」、「改善策」

私は、財務担当で、現状認識については、まさに事例Ⅳに出てくる収益性、効率性、安全性分析(比較対象は業界平均)と損益分岐点分析を行い、課題、改善策については、チームで話し合った診断報告書の方向性にあうようにまとめました。その他、財務担当者は別途財務分析フォームを完成させる必要がありました。先生から指導を受けた点は、診断先代表が1人ですべてをカバーされていることを考慮して、できる限りグラフ化して報告書をより分かりやすくすることと、誤解を招きかねない表現の訂正でした。

報告会は、メリハリをつけ、分担に応じて15-30分の持ち時間で発表。後日、指導の先生から診断先からの非常にポジティブなフィードバックをいただき、本当に苦労が報われたと感じました。

実務補習の進め方は、指導員の先生の個性によってかなり変わるようです。例えば服装にしても、私たちの班は部屋で作業するだけの日曜日祝日は先生も含めて平服でしたが、隣の班は全員ビジネスカジュアルでした。今回の補習では、自由な雰囲気の中で的確に指摘してくださる先生に恵まれ、経営診断の経験を積むことができ大変有意義でした。実務従事だけでも登録に必要な15ポイントは獲得できますが、診断書作成経験のない方には、実務補習は必須だと思います。

■おわりに

私の不合格・合格+実務従事・実務補習体験記を書かしていただきました。企業診断で使われる手法―現状分析を行い問題点を把握、合格点をとるための課題抽出を行い有効な対策を打てば(睡眠確保も含めて)、ひょっとして2次試験1回で合格もできたかな、と思ったりしています。

皆様が、ご自身で納得する学習方法で、来年度の試験に合格されることをお祈り申し上げます。

次回は、Maki さんの登場です。 

お楽しみに! 

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