【6期生合格体験記】 ~「紫雲和尚」さんの場合~
中小企業診断士を目指す皆様、おはようございます。がんちゃん/岩間です。
昨日2月1日から一週間は、今年度合格された方の合格体験記を紹介します。本日は、1次も2次も独学で進めて合格された、紫雲和尚さんの合格体験記をご紹介します。
◆自己紹介
ハンドルネームは紫雲和尚です。某地方金融機関に勤めております。業種がら中小企業の社長さんとお会いし激論することも多々あります。
結局のところ、企業はヒト・モノ・カネといいながら、カネの面を最大重視してしか、企業、経営が見られない自分がちょっと嫌だったことが受験動機です。
実際カネが一番大事という考え方は変わっておりませんが、中小企業診断士の勉強をすすめるにおいて「総合的」に見るべきではないか、と思っております。
もう一つの動機は、やや田舎の社長さんに現在トレンドとなっている経営のベースの知識を還元してあげたい、ということです。この試験に合格し、そういうことを行える土壌が少しばかしはできたかなあとの感触があるのが、この試験を受けて一番よかったことかと思います。
◆受験歴
1次は2013年度、経営、経済以外5科目合格。この年は経済がかさ上げされるほど難しく、かさ上げ後40点。経営も40点台でした。後日談ですが、合格後再度採点してみたら、419点という点数(あと1点で合格)。でも知らないことにより、経済・経営を1からやり直しするのは抵抗感もほとんどなく、両科目ともまずは余裕で2014年度の1次試験に合格でき、2次試験の勉強にも専念できたと思います。
2次は2014年度を一回で受かることができました。この秘訣については後述します。
◆勉強方法
1次は独学です。2013年5月に思い立ち、TACの『スピード問題集』を3回転くらい、過去問を3年分くらい回したことです。これをほとんど片道1時間強の電車のなかでやりました。1次の勉強はこれに尽きます。1回目はよくぞこのくらいで5教科GETできたなと思うのですが、財務はもともと得意でもあり、法務は仕事上常識のサービス問題が10点くらい、情報はこの年は簡単で、結局のところ努力が実ったのは中小と運営くらいかと思われます。
この2教科は60点ギリギリで、素人だからビギナーズラックもあったのかなと思っています。ただ勉強のスタートが遅かったこともあり、ストレート合格は「出来たらいいな」くらいの感覚でした。3もしくは4科目合格くらいかな?なんて思っていたので、5科目合格は嬉しかった記憶があります。
ただし、2年目の1次の勉強は、「経済」「経営」と根幹の科目であったのと、2教科しかないんだから受からなければそれこそ恥だろう、という気分でリスタートを切りました。ただし根本がわかってないと感じられたので、BOOKOFFなどに売っている大学の経済・経営のテキストを買い込み、読み込みました。
当然受験に特化した勉強も行ったのですが、理論的にどのようになっているのかを理解するためには「回り道の勉強」も有効かと考えました。具体的に言えば、日本経済新聞の毎週月曜日の「経済指標」の数値を確認してマクロ的な観点を身に付けたり、『日経新聞の数字がわかる本』(小宮一慶著、日経BP社)で補完も行いました。 経営学では、日経本社からの営業が職場に来たこともあり『日経MJ』(日本経済新聞社)の購読を2次試験まで行ったり、職場にある『日経トップリーダー』(日経BP社)(中小企業の社長さんたちが経営のために読む雑誌です)を毎月欠かさず読んだり、『経営戦略全史』(三谷宏治著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)なる本を買い込み、試験に備えました。この試験までのプロセスは結構楽しいものでした。
その甲斐あって試験中に「まずは行けただろう」の感触を得ることができ、1次合格発表まであまり悶々とせず2次の勉強に専念できたかと思います。
2次は独学ベースに、このタキプロさんの対策セミナーを受けさせていただきました。
名古屋地区は参加人数が少なく、全8回のセミナーのうち確か4回は個人指導だったと記憶しています。そのタキプロ指導員も2次受験経験が豊富なうめもん様、いやうめもん師匠。膨大な経験をもとに、私の至らぬ文章を的確に指摘していただき、感謝してもしきれません。ただし、師匠の指導を鵜呑みにしたわけではありません。
ここが大事かと思うのですが、やはり「自分でプロセスを考える」ことが一番かと思われます。ちまたにはいろんなメソッドが溢れておりますが、最後は自分で考え抜き、答えを出すことが必要かと思います。
私が最終的に出した結論は、与件文を素直によみ社長の立場、想いを汲み取る。その上で自分の頭のなかにある知識の引き出しから、為になる知識を引っ張り出して、解答用紙においてくる、これだけを意識していました。手段としては『中小企業診断士2次試験合格者の頭の中にあった全知識』(関山春紀、川口紀裕著、同友館)を徹底的にバイブルとして、これを徹底的に理解し頭のなかに埋め込みました。その甲斐あって合格することができたかと思います。
◆勝因・受験生へのメッセージ
私は2次試験の2週間ほどまえに、尿道結石を患い病院に担ぎ込まれ、その後1週間は勉強が手につかない状態でした。しかしながら自分は追い込みがきくタイプではないこと、タキプロ勉強会をペースメーカーとして利用していたこともあり、10月初旬を勉強のピークと決めておりました。これにより直前期は知識の軽いブラッシュアップをしました。一方、試験会場における自分の行動の「脳内シミュレーション」を徹底的に行い、どんなことが起こっても動じない精神力を重視しました。結局、試験会場で力が出せなかったら意味がないので、この辺の精神トレーニングは重要だったかと、いまになって思います。
最後になりましたが、この試験は苦しいながらも非常に楽しかったと思います。かつタキプロにおいて経験豊かなうめもん師匠に教授されたのも、その教授方法もテクニカル重視でなかったことも、幸運なことであったと思います。本当にありがとうございました。
いかがでしたか。
私は、紫雲和尚さんの体験記からは、独学で進めるコツとして次の3点があると感じました。
- 楽しんで学習する
- 適度に「回り道の勉強」をする
- 自分で考え抜く
独学を考えられている方は、ぜひ参考にしてみていただければと思います。
※なお、本文中の太字部分は、掲載を担当させていただいたがんちゃん/岩間が付したものです。
以上、がんちゃん/岩間でした。
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