【みっつんの勉強会ブログ・第8回】2次試験にも役立つ1次企業経営理論(後編:事例Ⅱ)
おはようございます/こんにちは みっつんです。1次試験まで残り50日(7週)、2次試験まで残り128日(18週)となりましたが、順調に勉強は進んでいるでしょうか。
さて、今回も前回に続き「2次にも役立つ1次企業経営理論」をお送りします。今回は後編として、各年の事例Ⅱの問題について取り上げます。企業経営理論の1次試験問題の解答をもとに、2次試験問題(事例Ⅱ)の解答を作成してみよう、という趣旨です。
解答はあくまでみっつんの判断基準で、1次試験の知識をなるべく多用して記載したものです。1次試験の知識が2次試験でも役に立つことが実感いただけるのではないかと思います。
平成28年度1次試験 企業経営理論 第31問
多くの消費者の支持を得ることができた①ブランドをどのように管理し、成長させていくかは、企業収益を左右する重要な課題である。②ブランド開発戦略として説明されているように、例えば、同じブランド名を用いて、同じカテゴリーに形、色、サイズ、フレーバーなどを変えた製品を導入する〔 A 〕や異なるカテゴリーの新製品を導入する〔 B 〕がとられる。
同一ブランドでのさらなる市場浸透策が難しいと判断される場合には、同じカテゴリーに新ブランドを展開する〔 C 〕や、他社との共同開発という形をとり、自社のブランド名と他社の人気ブランド名の2つを同一製品で用いる〔 D 〕が検討される。
(設問1) 文中の空欄A〜Dに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。
オ(〇・正解肢) A:ライン拡張 B:ブランド拡張
C:マルチ・ブランド D:コ・ブランディング
平成24年度1次試験 企業経営理論 第33問
2000 年代に入ったころから、インターネットにおいて、ブログをはじめとする〔 A 〕が消費者の間で爆発的に普及した。〔 A 〕は消費者間での情報のやり取りを促進し、CtoC コミュニケーションを強力なクチコミの場へと成長させた。その後、2000 年代後半になると、SNSや動画共有サービスなど、新たなツールが目覚ましく発達し、〔 A 〕はソーシャル・メディアと呼ばれることが多くなった。
現在では、ソーシャル・メディアは「信頼や評判を稼ぐメディア」(Earned Media) の主要な一部として、広告やスポンサーシップのような〔 B 〕、自社サイトや販売員のような〔 C 〕と並ぶ、重要なマーケティング・コミュニケーション・ツールと考えられるようになっている。
(設問1) 文中の空欄A~Cにあてはまる語句の組み合わせとして最も適切なものはどれか。
イ(〇・正解肢) A:CGM B:Paid Media C:Owned Media
※注:CGM(Customer Generated Media:消費者生成メディア)
↓↓↓…<1次知識を使って2次問題を解いてみる>
平成28年度2次試験 事例Ⅱ 第4問
昨今の多くの中小しょうゆメーカーでは、インターネット販売を展開している。B社もまた、新規事業として直接、最終消費者に対するインターネット販売に乗り出したいと考えている。
(設問1) インターネット販売を軌道に乗せるためにB社が採るべきブランド戦略を50字以内で提案せよ。
<1次知識をベースにした解答案>
同じカテゴリーに新ブランドを展開するマルチ・ブランド戦略を採る。
<さらに与件に沿った内容を加えた解答案>
Z社に配慮してインターネット販売専用の新ブランドを設け、有名鶏料理店の利用実績や健康志向を訴求する。
(設問2) B社のインターネット販売を利用する顧客にリピートしてもらうために、インターネット上でどのようなマーケティング・コミュニケーションを展開するべきか。80字以内で提案せよ。
<1次知識をベースにした解答案>
ブログやSNS、動画配信サービス等のCGMを用いて口コミを醸成する。
<さらに与件に沿った内容を加えた解答案>
ブログやSNS等を用いて自社製品を用いた料理レシピの紹介を行い消費者の投稿や双方向の意見交換を促す。購入者へのメールマガジン配信を行いリピート購入の契機を作る。
*****
平成21年度1次試験 企業経営理論 第30問
ある地域スーパーマーケット・チェーンでは、この10年間、「地元の小・中学校に芝生の運動場を」というスローガンを掲げて、地域の消費者がこのスーパーで買い物をして、ポイント・カードに2,000円分のポイントを集めるごとにクーポンを渡している。クーポンを手にした消費者は、地元の任意の小・中学校にクーポンを寄付する。一定額のクーポンと引き換えに、各学校が芝生の運動場への改良工事費を施工業者に支払うことのできる仕組みである。
(設問1) このスーパーマーケットが実施しているような社会的責任マーケティングの手法には特定の名称が与えられている。この名称として、最も適切なものはどれか。
オ(〇・正解肢) コーズ・リレーテッド(Cause-related)・マーケティング
↓↓↓…<1次知識を使って2次問題を解いてみる>
平成24年度2次試験 事例Ⅱ 第3問
(設問1) B社が行ったコーズリレーテッド・マーケティングの概要を80字以内で説明せよ。
<1次知識をベースにした解答案>
消費者の一定額の購入に応じて地元の団体に寄付を行う。
<さらに与件に沿った内容を加えた解答案>
B社は、X市の課題である洪水被害を受けた商店街の復興を自社課題とし、X市内向け製品の売上から一定額を商店街のお祭り等イベント事業や新規出店支援事業に寄付している。
(設問2) B社の売上は、コーズリレーテッド・マーケティングの効果により再び拡大しつつある。コーズリレーテッド・マーケティングが、B社の売上拡大に結び付いた理由を考察し、80字以内で答えよ
<1次知識をベースにした解答案>
寄付の趣旨に同意した消費者の購入意欲を高めることで売上が拡大する。
<さらに与件に沿った内容を加えた解答案>
復興支援によりB社の企業イメージの向上と他社製品との差別化が図れ、B社の取組に賛同する者がB社製品を優先して購入しようとすることで消費者との関係を強化できたため。
*****
平成20年度1次試験 企業経営理論 第27問
宿泊者に応じた上質のサービスで知られるある旅館では、若女将が前面に立って従業員に教育を行っている。必ずしも旅館業界での経験があったわけではないが、他業界での経験なども生かして、経営に取り組んでいる。その成果は顧客の再訪の多さとなって現れている。この若女将の行っていることとして、最も不適切なものはどれか。
ア(×:正解肢) 過去の過大なサービス対応事例をまとめた詳細なマニュアルを作成して、従業員が暗記するまで徹底して指導している。<→正しくは:上質のサービスを求める顧客に対しては、マニュアルの暗記ではなく、従業員一人ひとりの能力の高さや工夫が求められる。>
イ(〇) 顧客重視に関する旅館の理念を記載したカードを就業中所持させている。
ウ(〇) 顧客の好みに応じて顧客の気づいたことを、携帯端末を使って、なるべく即時に入力して、それを顧客データベースに統合し、全員で情報を共有している。
エ(〇) 宿泊業界に限らず優秀なサービス提供企業を、従業員に見つけ出させて、それを実際に体験する研修会を行っている。
オ(〇) 朝礼の時に、前日のトラブルとその解決に関する情報や、良い判断をした従業員の対応について、話している。
↓↓↓…<1次知識を使って2次問題を解いてみる>
平成23年度2次試験 事例Ⅱ 第5問
Bメガネが持続的競争優位性を確立するためのインターナル・マーケティングの具体的な手段について200字以内で説明せよ。
<1次知識をベースにした解答案>
具体的手段は、①Bメガネの理念を記載したカードを執務中常時所持させ、社長から定期的に理念を直接従業員に話す、②顧客ニーズを収集したら顧客データベースに入力し、全員で情報共有する。③非競合企業の優秀なサービスを従業員に体験させる研修会を行う、④朝礼の際に、前日のトラブルやその解決方法、良い判断をした従業員の対応を全社員で共有する。
<さらに与件に沿った内容を加えた解答案>
具体的手段は、①Bメガネの理念を記載したカードを執務中常時所持させ、社長から全社員に理念や新戦略を直接説明し理解を促す、②顧客ニーズを収集したら顧客データベースに入力し、全員で情報共有する。③非競合企業の優秀なサービスを従業員に体験させる研修会を行う、④朝礼の際に、前日のトラブルやその解決方法、良い判断をした従業員の対応を全社員で共有する、⑤優秀な従業員や小集団活動を表彰しインセンティブを付与する。
*****
いかがでしょうか。「2次に役立つ1次企業経営理論」と題して事例Ⅱの解答の一例を作成してみました。1次試験の知識に基づき2次試験の解答が導出される過程を捉えていただき、2次対策としても1次試験の企業経営理論の学習が有効だということがご理解いただけたでしょうか。
次回は事例Ⅲに関して、運営管理(オペレーション・マネジメント)の1次試験問題から解答を導出してみたいと思います。
ここまで長文にお付き合いいただきありがとうございました。
明日は土曜日、まいど関西発です。1次試験本番までのピーキングの仕方について、関西発スーさんの登場です。お楽しみに!!
【勉強会・セミナーの詳細、お申込みはこちらのページから】
【メルマガの過去記事はこちらのページから】
【メルマガの購読はこちらのページから】
========================