【みっつんの勉強会ブログ・第9回】2次試験にも役立つ1次運営管理(事例Ⅲ)
おはようございます/こんにちは みっつんです。1次試験まで残り36日(5週)、2次試験まで残り114日(16週)となりましたが、順調に勉強は進んでいるでしょうか。みっつんの過去の記事はこちらをご覧ください。
さて、今回の1次試験の試験案内を昨年度のものと比較してみたところ、1点だけ変化がありました。9.(3)⑩に「試験時間中、試験室内での帽子の着用禁止」が追記されています。本人確認が困難になるためだそうです。念のため、ご注意ください。
前回まで2回にわたってお送りしてきた「2次試験にも役立つ1次企業経営理論」に続き、今回は1次試験の運営管理の問題と2次試験の事例Ⅲとの関連を中心に取り上げる、題して「2次試験にも使える1次運営管理(事例Ⅲ)」をお送りします。運営管理(オペレーション・マネジメント)の1次試験問題の解答をもとに、2次試験問題(事例Ⅲ)の解答を作成してみよう、という趣旨です。
解答はあくまでみっつんの判断基準で、1次試験の知識をなるべく多用して記載したものです。1次試験の知識が2次試験でも役に立つことが実感いただけるのではないかと思います。
平成27年度1次試験 運営管理 第3問
製造プロセスのデジタル化に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア(×) CAD<正しくは→CAM>を導入することで複数台のNC工作機がコンピュータで結ばれ、効率的な設備の運用が可能となった。
ウ(○・正解肢) CAMを導入することでCADと連携したマシニングセンタへの指示プログラムが作成され、熟練工の高度な加工技術を再現することが可能となった。
エ(×) 3次元CADと3Dプリンタ<正しくは→3次元CADとCAE>を連携させることで構造解析・流体解析等のシミュレーションがコンピュータ上で可能となり、開発コストの低減と開発期間の短縮につながった。
↓↓↓…<1次知識を使って2次問題を解いてみる>
平成23年度2次試験 事例Ⅲ 第4問
「フリーデザインシリーズ」事業に対応するため、CAD/CAMの導入を考えているが、このCAD/CAM化はC社にどのようなメリットをもたらすのか140字以内で述べよ。
<1次知識をベースにした解答案>
メリットは、①複数台のNC工作機をコンピュータで結び効率的な設備運用を可能とすること、②CADと連携したマシニングセンタへの指示プログラムが作成され、熟練工の高度な加工技術の再現を可能とすること、③3次元CADによるシミュレーションがコンピュータ上で実現し、開発コストの低減と開発期間の短縮を図ること。
<さらに与件に沿った内容を加えた解答案>
メリットは、①オペレーターの入力スキルを活かしNCデータ入力を省力化し生産リードタイム短縮、②特注品の設計業務の効率化を図り設計要員の負担を軽減し業務の滞りを解消すること、③CADデータの営業提案への活用による企画営業力の強化、④部品共通化による外注加工品の品種増の抑制、である。
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平成23年度1次試験 運営管理 第18問
生産保全の観点から見た保全活動の実施に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
イ(○) 初期故障期にある設備の保全体制として、改良保全を実施する。
ウ(○) 新設備の初期故障期における故障発生を抑制するために、保全予防を実施する。
エ(○) 摩耗故障期にある設備の保全体制として、予知保全を実施する。
↓↓↓…<1次知識を使って2次問題を解いてみる>
平成26年度2次試験 事例Ⅲ 第2問
C社の切削工程で問題視されている加工不良率の増加について、その改善を図るために必要な具体的対応策を100字以内で述べよ。
<1次知識をベースにした解答案>
対応策は、故障発生を抑制するために、改良保全や保全予防を実施する。また、故障対応に主眼を置くのではなく、予知保全等の予防保全を実施する。
<さらに与件に沿った内容を加えた解答案>
対応策は、①自動旋盤の設備オペレーターの経験によるメンテナンス作業の標準化、マニュアル化を図る、②故障対応に主眼を置いたメンテナンスを予防保全に改める、③将来の経営計画として自動旋盤の更新計画を立てる。
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平成22年度1次試験 運営管理 第39問
食品のトレーサビリティシステムを構築する際に、記録対象となる情報には、トレーサビリティ確保のうえで必須となる情報だけでなく、有効性やコストを勘案したうえで付加的に記録する情報がある。このとき、以下に示す情報のうち、付加的に記録される情報、すなわちトレーサビリティを確立する上で、必須事項ではないものはどれか。
ア(正解肢・付加的な情報) 受入時点の衛生状態や品質管理状態などのプロセスの履歴
イ(必須事項) 原料と製品とを対応づける情報
ウ(必須事項) 原料の識別単位とその仕入れ先とを対応づける記録
エ(必須事項) 当該食品を取り扱った事業者、年月日、場所
↓↓↓…<1次知識を使って2次問題を解いてみる>
平成24年度2次試験 事例Ⅲ 第3問
C社では新規事業として外食チェーンY社との取引を検討している。その計画について以下の設問に答えよ。
(設問1) Y社から要求されているセントラルキッチンとしての機能を備えるためには、C社ではどのような対応を必要とするのか、120字以内で述べよ。
<1次知識をベースにした解答案>
トレーサビリティの個体管理が必要になる。
<さらに与件に沿った内容を加えた解答案>
C社の対応は、①主力メニューの盛付け前までの事前加工体制の構築と加工・調理方法の標準化による品質とコストの均一化、②国産牛の個体管理や前日発注・翌日全店直接配送を行える体制の構築、③見込生産から受注生産に対応できる生産統制、が必要になる。
(設問2) Y社から要求されているセントラルキッチンとしての機能を果たすためには、C社の日常業務上どのような情報が必要になるか、100字以内で挙げよ。
<1次知識をベースにした解答案>
国産牛のトレーサビリティに必要な①原料と製品とを対応づける情報、②原料の識別単位とその仕入れ先とを対応づける記録、③当該食品を取り扱った事業者、年月日、場所の情報が必要になる。
<さらに与件に沿った内容を加えた解答案>
必要な情報は、①前日発注・翌日全店直接配送の為の店舗毎の受注情報、②国産牛のトレーサビリティに必要な個体識別情報、③加工進捗情報、④在庫する食材毎の品質保持期限や、品質やコストを均一化する為の原価情報。
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いかがでしょうか。「2次試験にも役立つ1次運営管理」と題して事例Ⅲの解答の一例を作成してみました。1次試験の知識に基づき2次試験の解答が導出される過程を捉えていただき、2次対策としても1次試験の運営管理の学習が有効だということがご理解いただけたでしょうか。
さて、次回は、「2次試験にも役立つ1次財務会計」と題して、事例Ⅳ対策にもなる1次財務会計の問題のおすすめ(推し問)をご紹介します。6月11日の勉強会スピンオフセミナー@東京に参加された方には復習となると思いますが、特に参加できなかった方向けにセミナー当日の問題セレクションをご紹介したいと思いますので、是非お楽しみに。
ここまで長文にお付き合いいただきありがとうございました。
明日は早くも7月突入の土曜日、関西発スーさんの登場です。直前期の過ごし方について、とのことです。お楽しみに!!
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