財務・会計のうち制度会計の頻出論点/ヒロ
皆さん、こんにちは。ヒロ@タキプロ8期です。
試験まで約1か月となりましたが、皆さん勉強はいかがでしょうか?
これからは夏の暑さや飲み会への誘い、模試の結果など心が乱れることが多くあると思いますが、悔いを残さないように走り抜けてください。その経験はかけがえのないものになります。
昨年の今頃の私は、勉強が遅れていたため、残り1か月で最低限やることとして、①7科目の過去問、②財務・会計の問題集1冊、③毎年出題内容が変わる中小企業経営・政策の問題集1冊と絞りこみ、同じ問題を繰り返し解くことで知識の定着を図り、頻出論点や間違えやすい論点をまとめていました。残り期間は、やることを絞りこみ、頻出問題は必ず正解するような勉強を行うことが得策です。
さて、今回は、財務・会計のうち制度会計の文章問題を中心に、頻出で間違えやすい論点の一部をご紹介します。制度会計は、出題範囲が広いですが、頻出問題が多いため、それを押さえておくと良いと思います。
(1)仕訳(H28 問2)
売上・仕入控除、営業外損益となる項目は区別して覚えましょう!
売上割引・仕入割引は、営業外損益です!
売上戻り:商品そのものの返品であり、売上を控除
売上値引:不良品などに対し価格を安くすることであり、売上を控除
売上割戻:一定数量以上の販売に対し代金の免除や払戻しで、売上を控除
売上割引:支払期日前の掛代金の決済に対し利息相当額を減額し、営業外費用に計上
仕入も同様に、仕入戻り、仕入値引、仕入割戻は仕入を控除し、仕入割引は営業外収益に計上します。
(2)引当金
引当金の定義は、次の通りです。本試験でそのまま出題されています。
【企業会計原則(注18)より一部抜粋】
将来の特定の費用又は損失であって、その発生が当期以前の事象に起因し、発生の可能性が高く、かつ、その金額を合理的に見積もることができる場合には、当期の負担に属する金額を当期の費用又は損失として引当金に繰入れ、当該引当金の残高を貸借対照表の負債の部又は資産の部に記載するものとする。
(3)経過勘定
経過勘定は正確に覚えていないと本試験で間違う可能性が高いため、覚え方の工夫が必要です。
当期P/Lより控除し、B/Sの資産の部に計上・・・前払費用/費用
当期P/Lより控除し、B/Sの負債の部に計上・・・収益/前受収益
当期P/Lに計上、B/Sの負債の部に計上・・・・・・費用/未払費用
当期P/Lに計上、B/Sの資産の部に計上・・・・・・未収収益/収益
(4)繰延資産
繰延資産は、株式交付費、社債発行費等、創立費、開業費、開発費であり、研究開発費は含まないです。
また、繰延資産の定義は、次の通りであり、引当金や経過勘定の定義と区別しましょう!
【企業会計原則(注15)より一部抜粋】
将来の期間に影響する特定の費用とは、既に代価の支払いが完了し又は支払い義務が確定し、これに対応する役務の提供を受けたにもかかわらず、その効果が将来にわたって発現するものと期待される費用。これらの費用は、その効果が及ぶ数期間に合理的に配分するため、経過的に貸借対照表上繰延資産として計上することができる。
(5)本支店会計
本支店間取引で本店および支店で使う項目を区別しましょう!
例:本店から支店へ現金を送金した場合
本店の場合:(借)支店 (貸)現金
支店の場合:(借)現金 (貸)本店
(6)収益の認識基準(計上基準)は実現主義
実現主義には商品売買における販売基準があり、その内容を区別しましょう!
一般販売:商品などを引渡した日
委託販売:原則、受託者が委託品を販売した日
例外、売上計算書が受託者から委託者に到達した日
試用販売:客が買い取りの意思表示をした日
予約販売:商品などを引渡した日
割賦販売:原則、商品などを引渡した日。
例外、割賦金の入金日(代金回収リスクが高いため)
(7)有価証券の保有目的による期末評価
有価証券は保有目的により期末評価や評価差額の処理が異なるので注意です。
売買目的の有価証券:期末評価は時価、評価差額は営業外損益
満期保有目的の投資有価証券:期末評価は取得原価または償却原価
子会社・関係会社の関係会社株式:期末評価は取得原価
その他(持合株)の投資有価証券:期末評価は時価、評価差額は純資産
併せて、有価証券や固定資産の減損処理方法も押さえておくと良いでしょう。
(8)リース取引の会計処理(H28 問4)
リース取引の会計処理を区別しましょう!
①オペレーティングリース取引:賃貸借処理
②ファイナンスリース取引:売買処理(割賦購入に近い)
②の所有権移転あり:耐用年数は経済的耐用年数、残存価額は自己資産と同様
②の所有権移転なし:耐用年数はリース期間、残存価額はゼロ
また、リース債務は、1年以内に支払期限が到来するものは流動負債、1年を超えて支払期限が到来するものは固定負債とします。
(9)連結財務諸表に関する会計基準で子会社の判断基準
子会社の範囲は、他社の意思決定を支配しているかにより決まります。
①議決権の過半数(50%超)を所有(一時的な支配は対象外)
②議決権40%以上~50%以下を所有し、一定の条件を満たす
③その他一定の条件を満たす
(10)原価計算基準上の原価(H28 問6)
原価計算では原価の考え方や標準原価に関する知識問題も良く出題されています。
総原価=製造原価+販売費及び一般管理費
製造原価の分類→材料費、労務費、経費
製造原価の製品との関連で分類→製造直接費、製造間接費
【原価計算基準 第1章 3 原価の本質より一部抜粋】
原価計算制度において原価とは、経営における一定の給付にかかわらせて把握された財貨又は用役の消費を、貨幣価値的に表したものである。
①原価は、経済価値の消費である
②原価は、経営において作り出された一定の給付(財貨)に転嫁される価値であり、その給付にかかわらせて、把握されたものである。
③原価は、経営目的に関連したものである。原価は、財貨の生産、販売に関して消費された経済価値であり、経営目的に関連しない価値の消費を含まない。つまり、財務費用は、原則として原価を構成しない。
④原価は、正常的なものである。異常な状態を原因とする価値の減少を含まない。
他にも税効果会計、連結財務諸表ののれんなどの頻出論点や自分にとって間違えやすい論点は、今のうちにまとめておくと良いでしょう!
しかし、まとめには時間をかけすぎないで、残り期間はやることを絞りこむことが重要です。
明日は、模試D判定から「ストレート合格」を達成された、みずもんさんの登場です!お楽しみに!!
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