独学者が考えた2次試験対策(事例Ⅰ〜Ⅲ)/さかぼー
タキプロ9期関東メンバーの「さかぼー」です。
一次試験から日にちも経過し、二次試験対策にシフトチェンジされている方も多いかと思います。
しかし、ご存知の通り二次試験は模範解答が発表されず、どのように点数を上げればよいのか対策が立てにくい試験です。
私はずっと独学で勉強していて、2次試験は二度目の受験にて合格することが出来ました。
一度目の試験で不合格がわかってから、そのまま勉強をしていても点数は伸びないような気がしました。
その際に、2次試験全体として、どのような目標立てを行なって勉強を進めるのかを考えた時期があります。
そこで今回は、事例Ⅰ〜Ⅲに関してどのような2次試験対策を行なったのかを紹介したいと思います。
主に重要視した事は以下の2点となります。
①設問意図を捉える力(基礎力)
②キーワードを詰め込む力(応用力)
これらに関して少し掘り下げて行きたいと思います。
以前の記事はこちらから↓↓
1:常にギリギリ!!独学合格の「さかぼー」です。
2:長期間に渡る試験勉強を乗り切るモチベーション管理の3つのコツ
3:一次試験は「がむしゃらな努力」で合格できます
4:SNSとの上手な付き合い方
5:他人の情報に振り回されても、良いことはありません
6:二次試験に向けてスタートダッシュを決めたい方へ
①設問意図を捉える力(基礎力)
これは設問文を読んだ時点で、ある程度の解答骨子を作れるようになる事が目標です。
例えば、
平成24年事例Ⅰの第1問
A社のような中小企業が近年、海外での事業活動に積極的に取り組むようになっている。
A社のような企業の場合、どのような外部環境の変化が海外進出を促していると考えられるか。
その要因を2つあげ、それぞれ40字以内で簡潔に述べよ。
この設問文のみから、
「外部環境要因をSWOTの機会、脅威あたりで記述かな」
「要因が最も重要だから、最初に記載しないと」
「最低2つの要因は与件文から拾ってこないと」
と、これくらいまでは予想する事が出来ます。
ここで、
「A社の先代社長の思い」
「A社の強みに該当する品質保証体制」
などを想定してしまうと設問意図と異なってしまい、点数が取れない可能性があります。
この想定を大きく外さない力が必要だと考えました。
<<取り組んだ内容>>
a:過去問を事例毎に解く
b:各年度の解答骨子だけをまとめる
c:5〜10年分程度の解答骨子のパターンを覚える
d:設問文から、どの骨子パターンか瞬時に判断出来るまで反復練習する
このトレーニングの完了時点には、1,2個のキーワードを見ると、その倍くらいのキーワードが連想できる状態を目指しました。
これにより、大はずしをしない(具体的に、20点満点のうち最低8点程度は獲得出来る状態)を目指しました。
②キーワードを詰め込む力(応用力)
①で安定的な骨子が作れるようになった後は、そこにどれだけ肉付けする事ができるか。
20点満点の設問では、骨子の8点に、4〜6点を加算し、12〜14点に伸ばせるか。
そこで①の骨子に対して、よく使用されるキーワードが3〜4個思い浮かぶ状態にする事を目標としました。
上述しましたが、2次試験は模範解答が発表されません。
しかし、キーワードにより加算されるとの見解が主流である事は有名です。
であるならば、骨子が出来上がった後に、どれだけ加算キーワードを詰め込めるのか。
ここが重要になると考えました。
キーワードの詰め込み力を強化するために、以下の2つを強化しました。
●与件文から拾う
骨子は設問文のキーワードを利用する事が多くなります。
しかし、解答は必ず与件文を参考にしなければ点は伸びません。
ならば、与件文から加算されそうなキーワードが拾えるのかが勝負となるはずです。
そこで、骨子からキーワードを予想しながら、与件文から確実に拾えるようになろうと思いました。
<<取り組んだ内容>>
a:参考書「ふぞろいな合格答案」でとりあげられる加算キーワードを覚える
b:①の骨子に対して、頻出するキーワードはセットで覚える
(例えば、事例Ⅲで「内部環境の特徴」とくれば、一貫生産体勢、営業力の高さ、評判の良い品質力など)
c:似たような単語がないか1次試験テキストを見直す
(例えば、事例Ⅱで「販促活動」とくれば、手書きPOP、提案営業などが過去問で取り上げられています。
ならば、同様の「プッシュ戦略販促」は、サンプル提供、実演販売なども出題される可能性がありそうだな。)
●文章を整理する
そして与件文から拾い上げたキーワードを詰め込むために、どこを削ぎ落すべきかを考えました。
ご存知だと思いますが、設問要件の1つに文字制限があります。
そこに優先すべきもの(点数が高くなりそうなキーワード)を入れ込んでいきます。
例えば、
平成27年事例Ⅰの第5問
A社の健康ソリューション事業では、スポーツ関連製品の製造・販売だけではなく、体力測定診断プログラムや認知症予防ツールなどのサービス事業も手がけている。
そうしたサービス事業をさらに拡大させていくうえで、どのような点に留意して組織文化の変革や人材育成を進めていくべきか。中小企業診断士として、100字以内で助言せよ。
この場合、設問意図として
(健康ソリューション事業を拡大させるを前提条件として)
1:組織文化の変革
2:人材育成
(3:期待される効果)
の骨子が考えられます。
そこで与件文を読んだ際に、1〜3に該当するキーワードがいくつありそうかを見繕います。
1、2が充実しているようならば、1と2の根拠となり得るキーワードを3つずつくらい。
3まで与件文から拾えそうならば、1〜3の根拠をそれぞれ2つずつくらい。
どちらにせよ、100文字ならば与件文から拾いたいキーワードとして6つくらいはとりあげたいな。
と、予測できます。
その6つを入れ込むために、無駄な文言を極力削除します。
この削除に関しては、仕事における質疑応答を想定するとわかりやすいと思います。
要点がまとまっていない発言をすると、
「最も伝えたい事はなんですか?」
と指摘された事はありませんか。
2次試験では、100文字の中でいかに点数になり得る単語を入れ込めるかが勝負だと考えています。
本当にお伝えしたい内容だけを記述するために、
「最も伝えたい事は何か?」
これを常に意識しておく事をおすすめいたします。
③まとめ
事例Ⅰ〜Ⅲの得点力アップには
①設問意図を捉える力
②キーワードを詰め込む力
(a:与件文から拾う、b:文章を整理する)
これらの力を強化していく事で、得点は伸びてくるはずです。
今回ご紹介した考え方が、受験生の得点アップに少しでも貢献出来れば幸いです。
暑い日々が続いていますが、くれぐれも体調管理にはお気を付けくださいね。
本日の午後は50代後半で合格を掴み取った「マッサン」の投稿です。
乞うご期待ください。
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毎日拝読させて頂いております。
よく皆さんが使われる
「解答の骨子をまとめる」というのは具体的に言うとどういう事でしょう。
骨子のパターンというのを幾つか教えて頂けないでしょうか。
高嶋実様
ご覧頂きありがとうございます!
毎日ご覧頂けているとのお言葉は、執筆メンバーにとって最高に嬉しい言葉だと思います。
ぜひ、皆さんにとって何か得られる情報を発信していきたいと思います。
さて、本題の「解答骨子」に関してお答えいたします。
(さかぼー個人の意見ですが・・・。)
解答骨子とは、「解答文を一言で表したもの」であると考えています。
事例Ⅰで具体的に挙げさせて頂きますと、
H22.1-1「内部環境分析」→1:過去の事業展開+2:ネットワークの強み
H23.1-1「事業展開(営業活動)」→1:一般家庭用+2:医家向け
H24.1問「外部環境分析」→海外進出要因(要因+具体事例)
H25.1-1「事業展開」→目的+施策
H26.1問「外部環境分析」→機会+変化(以前と現在の)
H27.1問「外部環境分析」→市場の機会+脅威
上記のように
1:一言の切り口
+
2:具体事例(与件から引っ張るためのヒントワード)
このようなまとめ方をしていきました。
これが「解答骨子」だと思います。
試験本番でも、まずはこの解答骨子を作成しました。
その後、骨子に当てはまるキーワードを与件文から探し出し、詰め込む流れです。
あくまで、独学者のイチ意見としてご参考にしてみてください。
私はこの骨子を作成するようになってから、模試の点数が大分安定するようになりました。
また何かございましたら、お気軽にコメント頂ければと思います。
さかぼー様
ご多忙中の中ご丁寧なご説明有難うございます。
まさに教えて頂きたかった内容そのものです。
事例の解法を模索中の自分にとても役立ちます。
しかも苦手の事例Ⅰの実際の過去問から6年分も抽出して頂くと
忠実にプロセスをトレースする事ができます。
対策の仕上がりが一気に加速します。
必ずや合格を勝ち取ります。
有難うございました。
取り急ぎお礼まで。
高嶋実