資格取得(学習)の「ドメインの定義」を意識する。
おはようございます、日曜朝のサイトヲ@タキプロです。
1/9の記事「診断士合格は手段ですよね?[duck]」と、
その記事に寄せられた「おうじ」さんのコメントを、
興味深く拝読しました。
(「『自動車安全運転学』の勉強」という表現に、
思わず座布団一枚差し上げたくなってしまいました(笑))
そこで私も、両氏に触発されたわけではないのですが、
診断士の受験勉強を学習者自身の中でどのように位置づけるか、
という問題について、
「ドメイン」という概念を援用して私見を述べてみたいと思います。
「中小企業診断士の受験勉強」を、「企業経営理論」で学習した
「ドメイン(事業領域)の定義」(←覚えていらっしゃいますよね?)に準えると、
次のように考えることができるんじゃないかと考えています。
物理的定義(モノゴト=勉強の対象を中心に発想)
→テキストに書いてあることを理解(または暗記)し、
知識を習得すること
機能的定義(自分のニーズを中心に発想)
→試験で合格点をクリアすること
本番でなかなか結果が出せない…とお悩みの方は、
自分自身の「受験勉強のドメイン」がの「物理的定義」に
偏ってしまっていないかどうか、振り返ってみることをお勧めします。
テキストを理解し知識を身に付けることはもちろん重要ですし、
テキストが完璧に理解できれば確かに合格はできるでしょう。
でも実際には、限られた学習期間、限られた学習時間で、
7科目に渡る広大な学習範囲の全てを身に付けることは
実際には非常に困難です。
「ドメイン」としてを重視してしまう方には、
知識の習得にこだわりすぎ、完璧を期しすぎるあまりに、
本番で点を取るためのアウトプット学習を疎かになったり、
知識の習得でつまづいた箇所から先に進めなくなってしまい
7科目の学習バランスが崩れたり…
といった事態に陥りやすい傾向があるように思います。
一方の機能的定義は、言い換えれば、受験勉強の目的を、
「試験本番で60%以上の得点を稼げるかどうかという
『ゲーム』に勝つための準備」と捉える考え方です。
知識を完全に習得することではなく、
合格点を取る(100点じゃなくてもいい)ことを目的に置くので、
・アウトプット志向(如何にして問題を解くか)
・タイムマネジメント(限られた時間をどのように使って勉強するか/問題を解くか)
・選択と集中(如何に費用対効果の高い部分の学習に集中するか)
…といった、試験の合格に必要な知識以外の部分にも自然と意識を
向けやすくなります。
私自身は、知識の習得それ自体に楽しみを見出してしまいがちな
(duck氏の言葉を借りれば)「学問」志向の強い人間ですが、
一方で、仕事上で資格取得支援を主な生業としていたこともあり、
試験勉強では、上記の機能的定義の側面を常に意識していました。
正味2年足らずという比較的短期に合格にこぎつけられたのは、
自分の受験勉強の「ドメイン設定」が結果的にうまくいったことも
大きかったのではないかと思います。
もちろん、診断士の資格取得学習の目的は人それぞれで、
こうでなければならない、という「正解」は無いでしょう。
ただそれでも、実際に試験に合格し、資格を手にすると、
同じように知識を身につけても、その活かされ方は格段に
変わってくる、と実感しています。
ですので、個人的には、勉強をするからには「合格」を
しっかりと狙った方が後で得られる果実は大きくなるのではないか、
と思う次第です。