タキプロ的おすすめ書籍「僕のお父さんは東電の社員です」
みなさん、こんばんは。
本の問屋の営業マン!みにぽこ@タキプロです。
最近、あることがあって、この本のことを思い出しました。
この本は、「ゆうだい君(小学6年生)」が毎日小学生新聞に手紙を送ったことから始まります。
単刀直入に聞きます。みなさんは<ゆうだい君の手紙>をどう思いますか?
<北村ゆうだい君の手紙>
突然ですが、僕のお父さんは東電の社員です。
3月27日の日曜日の毎日小学生新聞の1面に、「東電は人々のことを考えているか」という見出しがありました。(元毎日新聞論説委員の)北村龍行さんの「NEWSの窓」です。読んでみて、無責任だ、と思いました。
みなさんの中には、「言っている通りじゃないか。どこが無責任だ」と思う人はいると思います。
たしかに、ほとんどは真実です。ですが、最後の方に、「危険性もある原子力発電所や、生活に欠かせない電気の供給をまかせていたことが、本当はとても危険なことだったのかもしれない」と書いてありました。そこが、無責任なのです。
原子力発電所を造ったのは誰でしょう。それは、日本人、いや世界中の人々です。その中には、僕も、あなたも、北村龍行さんも入っています。
なぜ、そう言えるのかというと、こう考えたからです。
発電所を増やさなければならなのは、日本人が、夜遅くまでスーパーを開けたり、ゲームをしたり、無駄に電気を使ったからです。
さらに、発電所の中でも、原子力発電所を造らなければならなかったのは、地球温暖化を防ぐためです。火力では二酸化炭素が出ます。水力では、ダムを造らなければならず、村が沈んだりします。その点、原子力なら燃料も安定して手に入るし、二酸化炭素も出ません。そこで、原子力発電所を造ったわけですが、その地球温暖化を進めたのは世界中の人々です。
そう考えていくと、原子力発電所を造ったのは、東電も含み、みんなであると言え、また、あの記事が無責任であるとも言えます。さらに、あの記事だけでなく、みんなも無責任であるのです。
僕は、東電を過保護しすぎるかもしれません。なので、こういう事態こそ、みんなで話し合ってきめるべきなのです。そうすれば、なにかいい案が生まれてくるはずです。
あえてもう一度書きます。ぼくは、みんなで話し合うことが大切だ、と言いたいのです。(小学6年生)
現代書館
ISBN:978-4-7684-5671-2
2年前、私はこの本を出版社のゲラで知りました。現代書館とは普段付き合い無かったので、アポが入った時に違和感があったんですけど、「どうしても売りたい本がある」という営業の熱意でお会いし、ゲラを目にした途端、涙をこらえるのに必死でした。
ゆうだい君は小学6年生です。タイトルのとおり、お父さんは東電社員です。
この手紙が毎日小学生新聞で公表された途端、子どもたちの手紙が毎日新聞に殺到したそうです。子どもだから、そんなに理解できてないんじゃないか?なんてとんでもない。みんな、真剣に考えて意見を述べています。子どもたちが必死で考えた日本の未来が、この本の中に詰まっています。
この本を思い出したのは、こんな話を聞いたからです。
東京電力の社員の方で、週末は地域のリトルリーグのコーチ。子どもたちにも人気の明るい方でした。
震災後、コーチも辞め、お子さんも野球を辞めました。仕事が忙しくなったからではありません。
「野球をしている暇があったら、福島へ行けよ」と子どもの保護者から声が上がったから・・。そしてお子さんも間もなく楽しみにしていた野球が出来なくなりました。
そのご家族はどんな猛暑でも窓が開いている。周りの家は「節電」をうたいながら、窓を閉めてクーラーを使っているのに。
私たちはもっと考えなくてはいけないのではないでしょうか。
誰のせいだとか、そんな責め方をするのではなく、本当に真剣に未来を。これからの復興を。子どもたちだってこんなに真剣に考えているのだから、私たち大人はそれ以上に考えて取り組み、その頑張っている背中を子どもたちに見せてあげたい。
そんな気持ちになった本です。
復興はまだ始まったばかり。みんなで力を合わせていきましょう。
そして、2次試験までカウントダウン!! 320分、戦いきってください。当日はタキプロメンバーも会場前で応援してます。いい知らせ聞かせてくださいね。
それではみなさん、本は本屋さんで買ってね。
本屋さんを盛り上げるミニ運動、頑張ってまーす
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・10/16(水) 19:00~21:00 相談会
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