タキプロ的おすすめ書籍「企業分析力養成講座」

おはようございます！久々に登場のつってぃー＠タキプロ4期です。
今回は久々にブログを書いてみました。

今回は直接的に試験対策に役立つかどうかまではわかりませんが、財務会計および事例Ⅳの得点源にするべき、企業価値の算出方法を実際の企業をモチーフに解説した「デューデリジェンスのプロが教える　企業分析力養成講座」をご紹介したいと思います。

皆さんも就職や転職の際に自分が入ろうとしている企業をいろいろな側面から調べて自分なりの評価をすると思います。例えば、社員数≒企業の規模、ビジネスモデルの独自性や参入障壁の高さ、業界内におけるシェア、創業者のビジョンに共感できるか、他にも色々と目の付け所はあるかと思います。この本では、M&Aのプロフェッショナルである著者が、実在の企業を（もしも）M&Aするとしたら、どのようなポイントに着眼するか　という視点でそれぞれの会社の強みをどのように評価するかを紹介してくれています。

それぞれの章の表題はこんな感じです。

「スターバックス」は個人投資家には向かない？
丸の内の大家さん「三菱地所」はB/Sのここを見ろ
アニメ制作会社「創通」がテンバガー（10倍株）になるロジック
「ビックカメラ」小売業の変化と新しい企業通貨
「NOVA」と「Gava」英会話教室のビジネスモデルを比較せよ
飛行機vs新幹線「JR東日本」でみる社会動向分析
「横浜銀行」マクロ経済で読み解く銀行業の分析
「ミクシィ」など新興ベンチャーへの投資のための5原則
「任天堂」はお金の使い方がヘタなのか？

本書は初版発行が2008年10月とちょっと古いため、現在はちょっときつい状態になっているミクシィが成長著しい新興企業として紹介されているなど、現在の経済状況を必ずしも反映してはいませんが、この本の与えてくれる企業分析のための新たな視点の価値を下げるものではありません。

B/SやP/Lから表面的に見えてくる企業の成績だけでなく、企業がどのような性質の資産をどのようなバランスで持っているのか？（例えばB/Sの左側の資産をたくさん持っている企業の資産の質は「事業に使う資産」と「直接的に事業に使っておらず、将来の投資等のために蓄えている資産」が同業他社に比べてどうなのか？を比較すると、その企業が「攻め」のステージに居るのか、「守り」のステージにいるのかという評価ができるでしょう。）や、P/Lに記載されるコストの記載順（売上原価⇒販売管理費⇒金利⇒税金⇒役員報酬）はどういう意味があるのか？などなど、単なる暗記で財務を攻略しようとしていては気づかない本質に切り込んだ分析ノウハウが、紹介されています。
この本のいいところは、そういうとっつきにくい財務の分析手法を実在の企業を素材に、また、読みやすい文体で教えてくれているところです。

1次対策を頑張っている受験生は、本書のような受験対策系ではない本を
読む時間はないかもしれませんので、合格後にこれからの診断活動に思いを馳せながらゆっくり読みましょう。
一方で、2次専念の受験生である程度時間に余裕があって、事例Ⅳの企業の現状を評価するのに、視点を多様化したいと考えている人なら、箸休め的に読んでみてもいいと思います。2時間程度でサクッと読めちゃうと思います。

受験生の皆様、特に1次対策に取り組んでいるストレート生にとっては、まだ予備校の模擬試験の開催も本格化しておらず、直前期とはいえない時期のため、なかなかエンジン全開でとは行かない状態かもしれませんが、基礎固めの最後のチャンスと言える時期だと思います。しっかりと足場を固めて、6月以降の仕上げ、7月からの直前対策に備えていきましょう！

がんばってね

『企業分析力養成講座』
山口揚平　著
ISBN：978-4-534-04449-5
http://www.njg.co.jp/kensaku_shousai.php?isbn=ISBN978-4-534-04449-5

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※平日開催時間を19:30～に変更しました。
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＊題材の過去問を解いて、解答のコピーを8部ご用意ください。
＊問題を忘れずに持ってきてください（自分で確認用）。
＊お釣りが出ないようにご用意ください。
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＊時間の都合上、全部の設問を扱うことはできません。あらかじめご了承願います。