製造業でない方がすべきこと byすぎも
読者のみなさま、こんにちは! タキプロ15期の すぎも と申します。
いよいよ1次試験まで残り30日余り。そろそろ本番に向けて総仕上げの時期ですね。ここまできたらあともう一息。積み上げたことを信じて、再学習するポイントの選択と集中を行い本番に向けて頑張っていきましょう。
今回のブログでは、製造業での勤務経験があるかどうかという観点で、運営管理の取り組み方法をまとめてみました。
運営管理を勉強し試験を受けた私の今感じていることが、製造業以外にお勤めの方にとって少しでもお役に立てればと思います。
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■はじめに
私自身は、製造業に勤務してもう20年を超えるどっぷりど真ん中の人間です。
新入社員研修時代には、6か月ほど実際に製造ラインに入って、現場の作業員の方と同じ釜の飯を食べながら汗水たらして働いたものです。
現在でも仕入れ先工場の工程見学、自社工場の生産現場、試作現場にと製造現場に近いところに出向くこともあり、生産管理に関しては、ある程度イメージを持った状態で取り組めていました。
もう一つのテーマとなっている店舗販売管理も、普段目にするスーパーなどの小売店での内容です。顧客として触れている程度で常識的に知っている内容もあり、イメージしやすいものでした。
運営管理に苦手意識のある方からお聞きするような、工場のイメージができない、用語のイメージができないということもなく、1次試験の際には運営管理を得点源として計画をしていました。
実際の試験結果は73点で計画として見込んでいた得点には届かず、他の科目よりも特段良いということもありませんでしたが、自分の中では及第点を取れたのではないかと思います。
そんな背景の私ではありますが、製造業経験のない人はどのように運営管理に対して取り組んでいくとよいだろうかというところを今回考察してみました。それらを次からご紹介させていただきます。
■運営管理は50点で良しとする
1つ目には、苦手を受け入れて配点計画として60点と考える。もしくは、思い切って50点と考えることです。
1次試験は科目別で40点以上、7科目合計で420点をとれば合格する試験です。残り1か月の期間の中でなにも苦手な教科に時間をかけて、他の科目を犠牲にすることはありません。
運営管理を50点と考えた場合、他の6科目を平均で62点以上とる必要はありますが、得意科目を強固なものにすることや、取り組みやすい科目の得点を伸ばす戦略も十分に考えられます。
運営管理の中でも苦手意識の多い生産管理の部分を減らす方法としては、運営管理50点の中をさらに細分化してしまう方法もあります。
得点計画を生産管理を40%、販売管理を60%として生産管理の比重を軽減します。どのように、得点配分を計画するかは、皆様のそれぞれの状況に応じて決定していってほしいと思います。
1つの案として紹介させてもらいますと、6項目の生産管理の出題範囲の中で、より現場に近く細かな論点が問われる生産オペレーションのところの負荷を下げることです。
得点配分例
・生産管理概論 60%
・工場レイアウト 50%
・生産方式 60%
・生産計画 50%
・在庫管理、購買管理 50%
・生産オペレーション 30%
ぜひ、過去問で取り上げられたそれぞれの分野ごとの出題数を見ながら、各分野の得点計画を策定してもらいたいと思います。そうすることで、どこを重点的に取り組んでいけばよいのかが、おのずと明確化されていくと思います。
■イメージトレーニングをする
2つ目には、やはりイメージしてみることです。そうはいってもイメージしづらいと思うかもしれませが、ここでいうイメージとは、自分自身で創造するオリジナルでのイメージのことです。
「想像」ではなく「創造」ですね。
イメージする際には、YouTubeなどの製造現場の動画を参考にしてもいいかもしれませんが、とにかく、参考書や過去問に出てくる単元ごとにそこにでてくる単語を自分なりに解釈して自分なりのイメージを持つことです。
創ったイメージが実際の製造現場と違っていても何も問題はありません。重要なことは単語のみの暗記ではなく、単元ごとないしは運営管理全体としてスルーでイメージができるようになることです。
全体感をイメージする上での切り口として、次の3つを上げさせてもらいました。製造現場でなにが行われているかを3つの切り口からイメージができてしまうと、案外と運営管理は取り組みやすい科目になっていくのではないかと思います。
運営管理はあくまで、「製造現場で効率的に付加価値を生み出す」という目的のための手段に収束していくからです。すべてのことは工場の営みとして関連性のあるものなのです。
■仕事の流れをイメージする
製造業でもサービス業でも、企業活動の流れは同じだと思います。この中で企業内の各部署がどのように業務に関わっているのか、組織全体としてどのように動いているのかをつかむことが重要です。
ー仕事の流れー
材料(人的資源を含む)を仕入れる → 付加価値をつける → 仕入れ以上の金額で販売し利益を得る
ー各部署の役割ー
- 製品企画:製品の企画構想を行う仕事。市場調査、顧客要求を受けて製品の企画構想を練る。
- 研究開発:製品の付加価値向上を行う仕事。最新技術を取り入れたり既存技術を応用たりする。
- 設計:企画構想アイディアを具体化し図面化する仕事。品質、コストを重視して形にする。
- 生産技術:製品の製造方法を検討し製造設備を準備する仕事。工場レイアウトも考慮する。
- 品質管理:安心安全な製品を市場に出す仕事。回収した不良品の調査なども行う。
- 生産管理:生産計画を立案し、生産状況を統制する仕事。
- 営業:顧客との接点を行う仕事。顧客ニーズを把握し、販売方法や販売後対応も行う。
- 調達:必要な材料を仕入れる仕事。品質、コストなど総合的に見て安定的に材料を仕入れる。
- 製造:実際に製品を作る仕事。計画通りに現場作業を改善しながら行う。
製造業で実際に付加価値のある製品を生み出している「工場」を中心としてどの部署がどのように関わっているか、バリューチェーンがどのようになっているかを部署単位でイメージしてみてください。
■ものの流れをイメージする
実際のモノがどのように流れて、どのように工場からでていくのかをサプライチェーンという形で製品の製造から消費まで企業の営みとしてイメージしてみてください。
ーサプライチェーン(概要)ー
調達→製造→在庫管理→流通→販売→消費
この流れで製品は姿かたちを変えながら動いていきます。
その中で生産管理が特にかかわってくる「製造」の中を詳細化すると次のようになります。
ーサプライチェーン(詳細)ー
調達→材料入荷→材料投入→加工→組付け→検査→梱包→在庫管理→出荷→流通→販売→消費
実際に形のある製品が材料として仕入れられ、材料が加工され製品の部品となり、部品が組付けられて製品になる。製品として問題がないかを検査して、梱包し、計画通りに工場から出荷されていく。この姿を製品目線でイメージしてみてください。
■人の流れをイメージする
工場で直接製造工程に携わっている作業者の一日をイメージしてください。
工場での1日は朝礼ミーティングから始まり、定められた作業場所へ移動し、作業が開始されます。
材料を投入し生産指示にある通りの台数をマニュアル化された作業要領通りにこなしていきます。材料が足りなくなったら保管場所に取りに行き再度材料を投入し、作業を続けます。
機械の故障や品質不良などのトラブル時には、作業を止め、現場管理者を呼び対応方法を相談します。昼食休憩をはさみ、午後も作業に取り掛かります。午後は違う製品や工程を担当となるかもしれません。
品質不良に関しては、管理図で管理されており、原価管理者がそれぞれの工程の見回りを行い、都度チェックをしています。業務終了後には日報等で1日の状況を報告し業務が終了します。
時には業務終了後にQC活動を通じて現場の改善案をグループで話し合ったり、生産数量が不足しており残業をして追加生産したりすることもあるかもしれせん。
このようにして、現場作業員の手で製品は作られていくことになります。
■おわりに
製造業になじみがない方に向けて、私なりの助言をさせてもらいました。
運営管理以外で得点を稼ぐのも一つの方法ですし、運営管理で得点を取っていきたいと学習を進めることも一つの方法です。
残り1か月の間で運営管理の得点を伸ばしたいという方に向けて、自分なりに製造現場のイメージをする方法を紹介させてもらいました。1次試験合格後に訪れる2次試験事例Ⅲでも役に立ってくる部分ですので、時間の許す範囲で取り組んでもらえると幸いです。
だんだん気温も高くなり熱くなってまいりますので、夏バテすることのないように、お体には十分にお気を付けください。
次回は、おくそん さんの登場です。
お楽しみに!
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