学び方を学ぶことが二次試験合格の最短距離 by のぶお

こんにちは。タキプロ12期の のぶお です。

最近、会社の教育の一環でグロービスの学び放題を始めました。10分~1時間くらいの動画にビジネス全般に関わる知識が、図やイラスト・ストーリーを駆使してコンパクトにまとまっていて非常に分かりやすいです。中小企業診断士試験に出てくる知識も多くカバーされているので、前回のブログで書いたように、今使っている教材にマンネリ感のある方は、このような新たな教材で復習を兼ねて学びなおすのは良い手かもしれません。

それでは、余談はこのくらいにして、本日のテーマである事例Ⅱについて書きたいと思います。

■学び方を学ぶ

事例Ⅱに限った話ではないですが、知識の応用力(スキル)を求められる診断士二次試験においては、まずは「学び方を学ぶ」ことが大切です。知識を求められる一次試験では、答え合わせで正しい知識を覚えれば良いですが、二次試験対策はもう少し丁寧に「学び方」について考える必要があります。

具体的に一次試験と二次試験の学びのサイクルの違いを見てみましょう。

一次試験では、例えば「問題への解答→答え合わせ→間違った問題の特定(=改善すべきポイント)→正しい知識の習得→正解できる能力(=改善)」というようなサイクルです。

では、二次試験も同じようなサイクルで良いでしょうか?

答えはです。

なぜならば、この方法をそのまま二次試験に当てはめると、「どこで」「なぜ」間違ったのかが分からない為、改善すべきポイント(=課題)が明確にならないからです。

課題が明確にならないと対策の打ちようがありません。

課題への対策が打てなければ地に足のついた得点アップは期待できません。

(補足;一次試験では、比較的「どこで」「なぜ」間違ったのかは明確です。即ち、「(どこで)誤答した設問に関する」「(なぜ)正しい知識が不足していたから」間違った、ということがほとんどです。一方で二次試験では「どこで」「なぜ」間違ったのかはしっかりと振り返りをしないと明確にならないことが多いです。)

本日は私の考える効果的な学び方について書いていきたいと思います。

■もったいない学び方

見比べる為に、効果的な学び方の前にもったいない学び方を見ておきましょう。

例えば、ふぞろいや予備校の模範解答を用いて、一次試験と同じような学びのサイクルで、間違えた設問の正解(らしき解答)を覚える、という方法があり得ますが、とてもMOTTAINAIです。

この方法では、(特定の事例に対する特定の模範解答という汎用性の低い)知識は身についても、二次試験で求められるスキルは効果的には身につきません。二次試験は”知識”よりも複雑である”スキル”を試される為、私たち受験者も意識的に”スキル”に焦点を当てた学びのサイクルが必要になります。

■効果的な学び方

大切なことは、二次試験に求められるスキルに焦点を当てて自分の課題を明確にすることです。

いろいろなアプローチがあると思いますが、一例として私がやっていた方法をご紹介したいと思います。参考にしていただきつつ、みなさんのやり方に合わせて自由にカスタマイズして実践していただければと思います。

以下の4つの流れに沿って取り組みます。

  1. 事前準備
  2. 過去問解答
  3. 答え合わせ
  4. Where-Why-Howの3ステップ

それでは、さっそくひとつずつ見ていきましょう。

  1. 事前準備

まず事前準備として、解答のプロセス及び解答に際して求められるスキルを分解して書き出します。
例えば、解答のプロセスは以下のように分けました。

  • 設問の解釈
  • 解答のイメージ構築
  • 解答根拠の特定
  • 設問の優先順位付けと全体構成の検討
  • 設問ごとの解答の構成と記述
  • その他

また、求められるスキルは以下のように考えました。

  • 文章読解力
  • 論理的思考力
  • 文章表現力
  • 設問の優先順位付け・解答順序
  • タイムマネジメント
  • その他

これで準備完了です。

  1. 過去問解答

次に実際に過去問に取り組みます。

この時に、「解答のどのプロセスで」「どのようなことを考えたのか」を答え合わせの時に思い出せるように目印をつけたりメモしたりして記録してください。

  1. 答え合わせ

ふぞろいや模範解答などを用いて自分の解答を評価します。

  1. Where-Why-Howの3ステップ

さて、ここからが本番です。(遅)

誤った解答だったと評価した設問に対して、Where-Why-Howの3ステップで改善を図ります。

  • Where

まず、「どこで」間違えたのかを事前準備で出した解答プロセスに当てはめて特定します。

誤った解答に行き着いてしまったのは、設問要求の解釈で間違ったからでしょうか、それとも、解答根拠の特定でモレがあったからでしょうか、といった具合です。

  • Why

次に、「なぜ」間違えたのかを事前準備で出したスキルを参考に特定します。

例えば、解答の記述プロセスで失敗した場合、それは与件文の読解力が足りなかったからでしょうか、それとも、正しい答えが分かっていたのに見返してみると意味不明な文章になっていたような文章表現力の問題でしょうか、といった感じです。

  • How

「どこで」「なぜ」間違えたのか(=課題)を明確にしてから初めて、対策を考えます。Where-Why-Howの順番が大切です。Where-Whyを飛ばして、「過去問10年分やるぞ!」といった対策をいきなり考えないようにしましょう。

課題が明確になれば過去問以外にも対策は様々なものが考えられます。文章表現力が課題なのであれば、仕事や日々の生活の中で意識的に簡潔な文章を書く訓練をすることが効果的な対策になるかもしれません。

ちなみに、何ら特別な対策をとらず、自分の課題を明確にして過去問に取り組むだけでも、課題を認識せずに闇雲に過去問に取り組むのと比べると、雲泥の差がでると思っています。是非お試しください。

■補足

いくつかポイントがあるので、触れておきたいと思います。

  • 過去問に取り組む際、まずは時間は気にしなくても良いので、しっかりと思考のプロセスが振り返れるようにメモを取ってください。ゆっくりでもできるようになれば積み上がっていきます。(タイムマネジメントの訓練は別途やりましょう)
  • 1回やるだけでもとても時間もかかるし疲れます。ですので、毎回やらなくてもいいです。自分がレベルアップしていることを感じられた時など、節目で取り組んでみてください。
  • 最後に、非常に重要なことですが、自分で自分の解答を評価する3. 答え合わせにおいては誤った評価というが存在します。例えば、自分の解答の良い面を見て甘く評価することや、自分の書く文章に自分自身は慣れ親しんでいるので第三者にとっての伝わりやすさが正しく評価できないという罠です。3. 答え合わせで評価を誤ると4. Where-Why-Howの3ステップをいくら熱心に取り組んでも効果は薄いです。

    では、どうすればよいでしょうか?

    そうです。タキプロの勉強会に参加して第三者の視点で自分の解答を評価してもらえばいいんです。
    私は去年そうして自分の課題を洗い出して方向修正を図りました。

■おわりに

学びを最大化する方法を学ぶことが二次試験合格の最短距離です。学び方が良いと、それから取り組む過去問の回数毎に着実に得点アップにつながります。本日のブログが少しでも読者のみなさんのお役に立てれば幸いです。

また、みなさんといつかタキプロ勉強会でお会いできることも楽しみにしています!

次回はくぅさんの登場です。
お楽しみに!

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