[2次口述] 試験中に固まらないための対策
中小企業診断士を目指す皆様、おはようございます。がんちゃん/岩間です。
これまで2週間に渡って、口述試験について紹介しました。今回は、試験中に固まらないための対策をご紹介します。
(これまでの記事:「一番のポイント:2分間で解答すること」、「1週間でやるべきこと」)
口述試験は、与件を見てはならない試験で、考える時間もほとんど取れません。また初めての試験であり、一発勝負の試験です。このため、ほとんどの方がかなり緊張するものだと思います。
しかし、きちんと対策を取れば問題なく通過でき、実際に合格率(※)も非常に高いです。本記事では、口述試験で固まらないための対策をいくつか紹介します。
※:筆記合格者に占める口述合格者の割合
◆必ず決まったフレームで解答する
これまでに準備していた「筆記試験」では、多くの方が解答プロセスを構築し、できるだけ標準的な手順で解答していたと思います。
口述試験でも、筆記試験と同様に、解答プロセスを決めることにより、場当たり的ではない対応ができると考えられます。
(11/24の記事にて、「結論→事例企業の情報→結論」という形にするという解答フレームを紹介しました。)
◆結論が瞬時に出てこない場合は、話しながらまとめる。
前述の解答フレームでは、最初に「結論」を話すようにしています。しかし、実際は、あらかじめ想定していない質問に対しては、瞬時に結論を述べるのは難しいです。また「考える時間を下さい」などと言うこともできません。
そこで、話しながらまとめる練習をすることをお勧めします。
具体的には、「事例企業の情報→結論」という形にします。
- まずは「関連しそうな、事例企業の情報」についてある程度話します。
「関連しそうな情報」すら見当がつかないとしたら、とりあえずSWOTを話し出すのでも構いません。 - 話していくうちに結論が出れば、「このように、○○です」というように、締めくくります。
もし結論が出ない場合は、「○社では○○すべきです」というようにその会社でやるべきことを話して逃げます。
例えば、「D社が平成26年度に設備備品を除却した場合と、除却しなかった場合では、当該年度の法人税支払額はどのようになりますか?」と聞かれ、答えが分からなかったとします。その場合の解答例は次のとおりです。
- 「D社では設備の置き換えを検討しています。また、店舗の近くの駅の再開発が予定されています。設備の置き換えは翌年に行うことを検討していましたが、再開発との相乗効果が期待できるため、早めることを検討しています。」
- 「そのとき、キャッシュフローの正味現在価値を計算し、2案のうちより正味現在価値が高い方を採用します。」
(もちろん、「設備を除却した場合、設備除却損が費用計上される。これにより当期純利益を押し下げ、法人税支払額は少なくなる。これを節税効果という。節税効果の額は、設備除却損に法人税率を乗じた値である。現金支出を伴わない費用には、設備除却損のほかに減価償却費がある。これらの現金支出を伴わない費用を検討することが、企業の意思決定において重要である。」と解答できるほうが望ましいです。)
なお、話が途中で大きくずれたときや、大きく誤った解答をしてしまったときには、試験官から助け舟となるような質問が出る場合もあります。
また、もし質問が聞き取れなかった場合は、都度聞き返しても問題ありません。もし途中で質問を忘れてしまったら、「再度質問を教えていただけますか」と聞いても構いません。
◆質疑練習をしておく
当然ながら、本番までに必ず「話す」練習をしておくべきです。(「解答を考えること」と「話すこと」は、思考回路が異なるものだからです。)
方法を3つ紹介します。
- 地理的・時間的に都合が付けば、予備校や各種団体が開催する面接練習会に参加するのが効果的です。
- また、家族や友人に試験官役をお願いして練習するのも効果的です。
(想定質問集が手に入らない場合、筆記試験の設問をそのまま読んでもらうだけでも効果があります) - ご自身で練習する場合には、ランダムに想定質問(あるいは筆記試験の設問)を選び、質問・設問を読み、2分で解答する、という練習が良いです。
◆その他のコツ
- 質問をオウム返しに言うというのも効果があります。(参照:12/2のナリさんの記事:「口述試験対策(その1)」)
- 試験当日、予備校の先生や受験生仲間に会って話をするのもお勧めです。これをすることで「今日最初の会話が面接官」という状況にならず、多少の緊張がほぐれます。
また、例年、東京会場の近辺で「口述オフ会」が開催されているようです。これに参加するのも効果があります。(例年はFacebook上で情報が出回るようです)
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毎回、何かを得ようと楽しく拝見させていただいております。
さて、中程にある質問例と解答例に加えて、望ましい答えも例示してあります。最後の方では企業の意思決定に繋がる一文がありますが、口述試験において、この質問に対してここまで回答すべきなのでしょうか?
筆記試験においては、「聞かれたことに素直に答える」とよく言われていましたが。
(2分間を踏まえているとか、コンサルティングを意識しているとか?)
早ければ今月、ダメでもいつかきっと口述試験を受験する立場から、教えていただければありがたく思います。
セイジュ様
いつもお読みいただきありがとうございます。がんちゃん/岩間です。
明確な説明なしに「~~と解答できるほうが望ましい」と書いてしまい申し訳ございません。
ご質問に解答いたします。
◆「ここまで回答すべきか?」というご質問については、私は次のように考えています。
・最初に結論を述べ、直後にその結論に関する話題を展開する形であれば、構わない。
・解答目安時間の2分に近づけるため、ある程度の分量がある方が望ましい。
・「中小企業診断士として」という指示(※)を守るため、中小企業への診断として相応しい内容とすべき。
※試験冒頭で、「中小企業診断士として解答する」旨の指示があります。
◆「聞かれたことに素直に答える」という点について。
筆記に限らず、口述においても「聞かれたことに素直に答える」のは必要と考えています。
しかし、答えが分からない場合は、素直に答えようがないため、「沈黙しないこと」を最優先し、「話しながらまとめる」という方法が良いと考えています。これが今回の記事でお伝えしたかった趣旨です。(分かりづらく申し訳ございません)
ご質問の解答になっていれば幸いです。
セイジュさんが次に通過できますよう、願っています。またお気づきの点がありましたら、お知らせいただければと思います。